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大型アレイアンテナの放射パターン評価

非地上系ネットワーク(NTN)の品質を守る航空宇宙評価ソリューション

大型アレイアンテナの放射パターン評価

市場状況

SAR 衛星 地表観測システムの普及

監視システム業界課題

  • 民間宇宙ビジネスの本格化
  • 合成開口レーダー(SAR)による地表観測事業の需要拡大
  • 大型アレイアンテナの導入、衛星増加で精度向上
  • 低軌道(LEO)衛星の増大

*SAR︓Synthetic Aperture Radar
*LEO︓Low Earth Orbit(低軌道)

課題解決に向けた取り組み

  • 大型アレイアンテナ(数m)の実用化
  • 遠方界で評価する場合、長距離かつ広範囲の評価スペース必要
  • 近傍界で評価する場合、一般的に遠方界と相関性あり。一方で、ケーブルが長い・評価時に動くと位相ずれ発生
    ⇒ 近傍界/遠方界の換算で誤差が大きくなるリスク
SAR衛星 地表観測システムの普及

近傍界評価システム(VNA+平面スキャナ)

VNA:ベクトルネットワークアナライザ

下図は『モジュール VNA システム ME7868A』です。
ME7868Aは、独立した2つのVNAポートを専用の光ケーブル(PhaseLync、光/電気)で接続/同期することにより、2つの測定端が離れていてもベクトル(振幅・位相)の伝送特性を評価できます。

モジュールVNAシステム ME7868A

光ケーブルなので長距離でも位相ずれなし。
従来は同軸ケーブルを使用。そのため長距離では位相ずれが発生。

近傍界/遠方界の換算では振幅と位相情報が重要です。同軸ケーブルが曲がることにより位相が変化します。また、周波数が高くなるほど波長が短くなるため位相情報の精度が重要になります。
大型のアレイアンテナを評価する場合に、仮に長い同軸ケーブルを使うと、途中で曲がる部分も増えるので評価システム全体の位相誤差も大きくなり把握できません。
モジュール VNA システム ME7868Aは小型な本体を自由に設置することができます。そのため長い同軸ケーブルを不要とし、近傍界測定で必要な位相を安定して測定することができます。

製品概要

・周波数モデル:1 MHz ~ 8/20/43.5 GHz
・Phase Lync ケーブル:2 m/5 m/25 m *100 m別途相談
・軽量な測定ポート︓約1 kg
・シンプルな構成:
制御︓PC×1台にVNA×2台をUSB接続
同期:VNA×2台をPhase Lyncケーブルで接続
POINT
  • 一般的なVNAでは・・・
    測定器の表面に端子(測定ポート)が固定されているので、被測定物まで同軸ケーブルを延ばして、できるだけ同軸ケーブルが動かないように測定系を組んでいました。しかし、大型のアレイアンテナを評価する場合には同軸ケーブルが数mと長くなり、測定時にはどうしても同軸ケーブルが動いてしまうので、位相が変化するという問題があります。また位相が変化するとケーブル内の定在波の条件が変化するので振幅値にも影響します。
  • ME7868Aでは・・・
    図のように2つのVNAモジュール(測定ポート)を離して配置できるので、被測定物の近くに置くことができます。光ケーブルが動いても位相は変化しないので、大きなアレイアンテナの評価でも測定できます。

ME7868Aを組み込んだ『近傍界アンテナ測定システム』(協業︓東海テクノ様)のご紹介

この測定システムにより大型のアレイアンテナの評価に対応できます。

特長︓

  • 水平スキャン方式︓測定アンテナと受信アンテナを平行に設置。高さ方向の設置空間が不要
  • 大型平面アンテナスキャナ︓大型(数m)のアレイアンテナにも対応可能
  • 近傍界/遠方界変換アルゴリズム︓近傍界の振幅と位相の情報から遠方界のパターンを算出できるアルゴリズム(アンリツ)により高い相関性を実現
平面アンテナスキャナ

平面アンテナスキャナ︓

大型対応可能(写真は小型)

  • 水平スキャン方式
  • 大型アレイアンテナにも対応
近傍界/遠方界データ比較:

近傍界/遠方界データ比較:

近傍界(青線)と遠方界(赤線)で相関性の高いデータ取得が可能

平面アンテナ遠方界変換データ例︓

平面アンテナ遠方界変換データ例︓

絶対利得・偏波・2次元パターンを測定して評価可能

POINT
  • 水平スキャン方式︓
    測定アンテナと受信アンテナは被測定物の上と下に平行に設置します。VNA が小型軽量なのでこのような構造が可能になります。
  • 大型平面アンテナスキャナ︓
    写真は小型ですが、大型アレイアンテナの場合には数 m(例︓7m×1m)でも実績があります。受信アンテナとモジュールはクレーンゲームのように前後左右に移動しますが、専用光ケーブルで位相補正されるので位相ずれがおきません。最終部分の測定端とアンテナを短いケーブルで接続していますが、ここは動かないように固定します。
  • アルゴリズム︓
    重要なポイントが変換アルゴリズムです。近傍界での振幅 / 位相のデータをもとに遠方界と相関性のある放射パターンを算出できます。青と赤のグラフがほとんど重なっていることから相関性があることがわかります。さらに東海テクノ様のシステムでは、測定する波長に合わせてプロットする距離と間隔を設定して、自動的に測定したり、遠方界の変換データとして絶対利得・偏波・2次元パターンなどをグラフで検証できます。
  • 遠方界のデメリット︓
    アンテナから数m離して測定する場合、測定対象範囲はかなり広くなります。そのため大規模な電波暗室などの評価環境が必要となり、建物の総工費が膨大になります。また、周波数が高いほど空間を伝搬する減衰量が大きくなります。そのため「サイドローブ(グラフの裾)がノイズに埋もれて特性がつかめない」というケースがあります。
  • 近傍界のメリット︓
    測定ポートと被測定物が近いので出力を抑えることができます。そのため平面アンテナスキャナの電波吸収体で十分であり、大規模な電波暗室は不要です。さらに平面で測定できるので設置場所の高さ方向も不要となります。また、近傍界のデータから換算するので「サイドローブ(グラフの裾)」の特性も確認できます。

注)『近傍界アンテナ測定システム』には、東海テクノ様の製品が別途必要です。

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