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狭帯域ディジタルとアナログ無線機の送受信特性評価に。シグナルアナライザ MS2830A

ms2830a-image-02

狭帯域ディジタルとアナログ方式の、送受信特性評価に必要な機能を1台に集約できるマルチユース無線機テスタ

[特長1]厳しい性能が求められる新スプリアスや隣接チャネル漏洩電力を測定可能
[特長2]ディジタル無線機の変調解析に。各種変調方式を1つのソフトウェアでサポート
[特長3]ディジタルだけでなくアナログ無線機の送受信特性評価にも利用可能

[特長1]厳しい性能が求められる新スプリアスや隣接チャネル漏洩電力を測定可能

スペクトラムアナライザの近傍の位相雑音性能を約20~25 dB改善。新スプリアスに必要な性能を実現。

平成17年に改訂された新スプリアス法では、搬送波周波数から数 kHz~数十 kHz離れた近傍領域の不要発射を確認します。これまで利用されていたスペクトラムアナライザの近傍の位相雑音性能が、新スプリアス法で求められる許容値よりも劣る場合には新スプリアスに沿った測定に利用できなくなります。もし、気づかずに測定していた場合、本来は許容値を満たしている無線機に対して「不合格」という判断をする可能性もあります。測定で求められる性能を満たすスペクトラムアナライザを選択することが重要です。
シグナルアナライザ MS2830A用オプションの低位相雑音 MS2830A-066は、アンリツ独自の回路方式によりディジタルとアナログの業務用/放送事業用の無線機で利用される周波数帯において、スペクトラムアナライザの近傍の位相雑音性能を約20~25 dB程度改善します。新スプリアス(平成17年改訂)の測定はもちろん、隣接チャネル漏洩電力でもマージンをもって測定できます。

MS2830Aの位相雑音性能グラフ(meas

MS2830Aの位相雑音性能グラフ

帯域外領域の測定画面例(meas

帯域外スプリアス測定の一例

帯域外領域の測定画面例(meas*)
(クリックで拡大)

*:meas(Measured):無作為に選定された測定器で実測した参考データであり、規格値として保証するものではありません。

[特長2]ディジタル無線機の変調解析に。各種変調方式を1つのソフトウェアでサポート

1つのソフトウェアで、国内の消防無線/防災無線/タクシー無線/テレメータ(ARIB STD-T61/T79/T80/T86/T98/T102/T115/T116/B54)だけでなく、海外LMR無線機(APCO-P25、NXDNなど)の変調解析も可能

無線機から送信される信号品質が良くない場合、他メーカの無線機に比べて到達エリアが狭かったり、通信が途切れやすかったりという利用者の「不満足」につながる可能性があります。無線機の送信品質を確認する一つの指標として、各ARIB規格では変調精度(EVM:Error Vector Magnitude)や原点オフセット(Origin Offset)などが規定されています。一般的なスペクトラムアナライザでは変調精度を測定できないため、変調解析機能を持つ評価設備が必要になります。
シグナルアナライザ MS2830Aにベクトル変調解析ソフトウェア MX269017Aをインストールすることで、タクシー無線/消防無線/市町村デジタル同報通信(ARIB STD-T61/T79/T80/T86/T115)で利用される変調方式であるπ/4DQPSK、QPSK、16QAMの変調精度や原点オフセットを測定できます。同様に、消防無線/テレメータ/簡易無線/放送事業用連絡無線(ARIB STD-T98/T102/T115/T116/B54)などで利用される変調方式である4値FSKの変調精度(FSKエラー)やシンボル点ごとの周波数偏位も測定できます。4値FSKの変調解析は、APCO-P25/NXDNなどの海外のデジタル方式の陸上移動無線の評価でもご利用いただけます。
*:Land Mobile Radio

ベクトル変調解析ソフトウェア MX269017A測定画面例

ARIB STD-T79変調信号、π/4DQPSK変調、周波数260 MHz
4象限の画面例
ベクトル変調解析ソフトウェア MX269017A測定画面例1
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ARIB STD-T98変調信号、4値FSK変調、周波数400 MHz
1象限の画面例:数値結果画面(拡大)
ベクトル変調解析ソフトウェア MX269017A測定画面例2
(クリックで拡大)

[特長3]ディジタルだけでなくアナログ無線機の送受信特性評価にも利用可能

アナログのRF信号解析と出力に対応、さらにオーディオアナライザ、ジェネレータを1台に集約

シグナルアナライザ MS2830Aは、アナログ測定ソフトウェア MX269018AによりRF信号の解析/出力に対応します。さらにオプションのオーディオアナライザ MS2830A-018を搭載することでオーディオアナライザ、オーディオジェネレータ(低周波発振器、擬似音声発生器)を内蔵し、FM/AM/ΦMのアナログ無線機の送信特性と受信特性の評価を1台でサポートします。

MS2830Aのアナログ測定ソリューション

デジタル業務用無線機の自動測定ソリューション1     デジタル業務用無線機の自動測定ソリューション2

シグナルアナライザ MS2830Aの測定対象項目および推奨機器構成

測定項目 シグナルアナライザ MS2830A 推奨機器構成
① + ② ① + ③ ① + ④ ① + ⑤ ① + ⑥ ① + ⑦
ディジタル方式 送信 周波数偏差(無変調信号)
占有周波数帯幅
スプリアス領域における不要発射の強度
空中線電力の偏差
隣接チャネル漏洩電力
変調精度(EVM*1、FSKエラー*2)、原点オフセット*1、周波数偏差(変調信号)
伝送速度の許容偏差
周波数偏位*2
キャリアオフ時漏えい電力
受信 受信感度(スタティック)
副次的に発する電波等の限度
アナログ方式 送信 マイク入力感度、最大周波数偏移、変調周波数特性、変調S/N、変調ひずみ
受信 AFレベル、受信感度(SINAD法、NQ法)、通過帯域幅、受信周波数、復調S/N、復調ひずみ

*1:π/4DQPSK(ARIB STD-T61/T79/T80)、QPSK(ARIB STD-T115)、16QAM(ARIB STD-T86)の変調方式にて測定できます。
*2:4値FSK(ARIB STD-T98/T102/T115/T116/B54)の変調方式にて測定できます。

形名 品名 推奨機器構成
MS2830A シグナルアナライザ            
MS2830A-040 3.6 GHzシグナルアナライザ *1            
MS2830A-041 6 GHzシグナルアナライザ
MS2830A-002 高安定基準発振器            
MS2830A-066 低位相雑音            
MA24108A マイクロ波USBパワーセンサ   *2          
MS2830A-006 解析帯域幅10 MHz            
MX269017A ベクトル変調解析ソフトウェア            
MX269018A アナログ測定ソフトウェア        
A0086C USB Audio        
MS2830A-018 オーディオアナライザ          
MS2830A-020 3.6 GHzベクトル信号発生器           *5
MS2830A-022 ベクトル信号発生器用ローパワー拡張           *5
MS2830A-029 ベクトル信号発生器用アナログ機能拡張             *5
MS2830A-088 3.6 GHzアナログ信号発生器             *5
MX269902A TDMA IQproducer            
MX269904A Multi-Carrier IQproducder         *3    
MS2830A-026 BER測定機能         *4    

*1:いずれか一つを選択してください。
*2:周波数範囲の異なるマイクロ波USBパワーセンサも利用できます。

形名 周波数範囲 パワーレンジ
MA24108A 10 MHz~8 GHz –40~+20 dBm
MA24118A 10 MHz~18 GHz –40~+20 dBm
MA24126A 10 MHz~26 GHz –40~+20 dBm
MA24105A 350 MHz~4 GHz 2 mW~150 W(avg)、300 W(peak)

*3:1フレームにTCHとCCHなど異なるスロットが混在する波形パターンを生成する場合に必要です。(例:T86など)
*4:被測定物にBER測定機能が備わっている場合には不要です。
*5:MS2830A-020/022/029もしくはMS2830A-088のいずれかを選択してください。MS2830A-020/022/029は、ベクトル変調とアナログ変調の両方で利用できます。MS2830A-088は、アナログ変調で利用できます。

スペクトラムアナライザ/シグナルアナライザ MS2830Aについてさらに詳しく

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リーフレット