狭帯域ディジタルとアナログ無線機の受信特性評価に。アナログ信号発生器 MG3740A
無変調信号(CW)、アナログ変調に加えて、狭帯域ディジタル変調にも対応。受信特性評価に必要な、希望波、妨害波、BER測定機能、フェージング信号出力を1台に集約できるマルチソース・マルチユース信号発生器
[特長1]優れた位相雑音性能により、妨害波としても利用可能
[特長2]アナログ変調だけでなく各種ディジタル変調の信号出力可能
[特長3]受信特性評価で求められるBER測定機能を内蔵可能
[特長4]高価なハードウェア不要。ソフトウェア(MX370107A)追加でARIB STD-T61/T79/T98/T102/T116/B54のフェージング信号を出力
アナログ信号発生器 MG3740A:測定対象項目
【ディジタル方式】
受信感度(スタティック、BER)、受信感度(フェージング、BER)、スプリアスレスポンス(BER)、隣接チャネル選択度(BER)、相互変調特性(BER)
【アナログ方式】
周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相変調(φM)、パルス変調(PM)
[特長1]優れた位相雑音性能により、妨害波としても利用可能
約-140 dBc/Hz*1(10 kHz-offset、meas*2)の位相雑音性能を実現。
消防無線/防災無線/タクシー無線/テレメータ(ARIB STD-T61/T79/T80/T86/T98/T102/T115/T116/B54)の受信特性評価の一つである隣接チャネル選択度では、変調妨害波を希望波の隣のチャネルに配置し、希望波よりも高いレベルに設定した状態で無線機の感度を測定します。その際、信号発生器のディジタル変調時の位相雑音性能が良くないと、希望波に妨害波の位相雑音が被るため、無線機の感度性能を正しく確認できません。
アナログ信号発生器 MG3740Aでは、搬送波150 MHz~400 MHzにおいて約-140 dBc/Hz*1(10 kHz-offset、meas*2)の位相雑音性能を実現しており、変調状態の妨害波としてご利用いただけます。
*1:高安定基準発振器付き、測定の一例
*2:meas(Measured):無作為に選定された測定器で実測した参考データであり、規格値として保証するものではありません。
MG3740AのSSB位相雑音性能(meas*)
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[特長2]アナログ変調だけでなく各種ディジタル変調の信号出力可能
1つのソフトウェアで、国内の消防無線/防災無線/タクシー無線/テレメータ(ARIB STD-T61/T79/T80/T86/T98/T102/T115/T116/B54)および海外LMR*無線機(APCO-P25、NXDNなど)をサポート
一般的なアナログ信号発生器はディジタル変調信号を出力できませんが、アナログ信号発生器 MG3740Aはオプションによってアナログ変調とディジタル変調の両方で利用できます。
アナログ信号発生器 MG3740Aは、無変調信号(CW)とFM/AM/φM/パルス変調(PM)の変調信号を出力できます。追加アナログ変調入力 MG3740A-050/080を内蔵することにより内部変調2系統(FM/AM/φM)、外部変調1系統に拡張できます。さらに、ディジタル変調 MG3740A-020およびTDMA IQproducer MX370102Aを追加するとπ/4DQPSK、QPSK、16QAM、4値FSKなど各種変調の波形パターンを生成して信号発生器から出力できます。消防無線/防災無線/タクシー無線/テレメータなどの受信特性評価に利用できます。
*:Land Mobile Radio
TDMA IQproducer MX370102Aの変調方式
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[特長3]受信特性評価で求められるBER測定機能を内蔵可能
必要に応じてBER測定機能を内蔵。1台で感度試験に必要な信号出力とBER測定をカバー。
消防無線/防災無線/タクシー無線/テレメータ(ARIB STD-T61/T79/T80/T86/T98/T102/T115/T116/B54)の受信特性評価ではアナログ方式のSINAD測定に代わってビット誤り率(BER:Bit Error Rate)で確認します。近年ではBER測定機能が内蔵されている無線機もありますが、無線機で復調したデータとクロックを外部に出力してBER測定器で評価するケースもあります。
一般的には単体のBER測定器が必要でしたが、アナログ信号発生器 MG3740AにBER測定機能 MG3740A-021を追加すると、単体のBER測定器は必要ありません。無線機で復調したデータとクロックをアナログ信号発生器 MG3740Aへ入力して、MG3740Aの画面にBER測定結果を表示できます。
BER測定の機器構成イメージ
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[特長4]高価なハードウェア不要。ソフトウェア(MX370107A)追加でARIB STD-T61/T79/T98/T102/T116/B54のフェージング信号を出力
ソフトウェアでフェージングの波形パターンを生成。波形パターンを選択するとフェージング信号を出力可能。
消防無線/防災無線/タクシー無線/テレメータ(ARIB STD-T61/T79/T98/T102/T116/B54)の受信特性評価では、レイリーフェージング・ドップラー周波数13 Hz(T79の例)などの希望波を用いた感度試験があります。一般的なフェージングシミュレータは、実環境の複雑な信号状態を模擬するためにマルチパスやドップラーの条件を組み替えながら評価する際には便利ですが、単一のフェージング信号を用いる感度試験の場合には機能が過剰であり、費用も非常に高価です。
アナログ信号発生器 MG3740AにFading IQproducer MX370107Aを追加すると、あらかじめTDMA IQproducer MX370102Aで生成した波形パターンをベースに、フェージング処理した波形パターンを生成できます。搬送波周波数など試験条件に合わせていくつかの波形パターンを一度生成しておくと、次回以降は波形パターンを選択するだけで誰でも容易にフェージング状態の信号を出力し、感度試験に利用できます。
機器構成の価格イメージ
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アナログ信号発生器 MG3740A/ベクトル信号発生器 MG3710Eの測定対象項目および推奨構成
測定項目 |
アナログ信号発生器 MG3740A推奨機器構成
(ベクトル信号発生器 MG3710E推奨機器構成)*1 |
① |
① + ② |
① + ③ |
① + ④ |
① + ③ + ④ |
受信 |
受信感度(スタティック) |
○ |
← |
← |
← |
← |
受信感度(フェージング)*2 |
— |
○ |
— |
— |
— |
隣接チャネル選択度 |
— |
— |
○ |
— |
○ |
スプリアスレスポンス |
— |
— |
— |
○ |
○ |
相互変調特性 |
— |
— |
— |
— |
○ |
*1:ベクトル信号発生器 MG3710Eでもご利用いただけます。
*2:ARIB STD-T61/T79/T98/T102/T116/B54で規定されています。ARIB STD-T80/T86/T115では規定されていません。
形名
MG3740A |
品名 |
推奨機器構成 |
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形名
MG3710E*5 |
① |
② |
③ |
④ |
MG3740A |
アナログ信号発生器 |
○*1 |
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— |
MG3740A-020 |
デジタル変調 |
— |
— |
ベクトル信号発生器 |
○*1 |
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MG3710E |
MG3740A-002 |
高安定基準発振器 |
○ |
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MG3710E-002 |
MG3740A-021 |
BER測定機能 |
○*2 |
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MG3710E-021 |
MG3740A-032 |
1stRF 100 kHz~2.7 GHz |
○ |
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MG3710E-032 |
MG3740A-041 |
1stRF ハイパワー拡張 |
○ |
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MG3710E-041 |
MG3740A-042 |
1stRF ローパワー拡張 |
○ |
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MG3710E-042 |
MG3740A-048 |
1stRF ベースバンド信号加算 |
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○ |
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MG3710E-048 |
MG3740A-062 |
2ndRF 100 kHz~2.7 GHz |
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○*4 |
MG3710E-062 |
MG3740A-071 |
2ndRF ハイパワー拡張 |
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○*4 |
MG3710E-071 |
MX370102A |
TDMA IQproducer |
○ |
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MX370102A |
MX370104A |
Multi-Carrier IQproducder |
○*3 |
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MX370104A |
MX370107A |
Fading IQproducer |
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○ |
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MX370107A |
*1:いずれか一つを選択してください。
*2:無線機にBER測定機能が備わっている場合には不要です。
*3:1フレームにTCHとCCHなど異なるスロットが混在する波形パターンを生成する場合に必要です。(例:T86など)
MX370104Aは、MG3710Eでご利用いただけます。(MG3740Aではご利用いただけません)
*4:無変調妨害波用の信号源です。
*5:ベクトル信号発生器 MG3710Eでもご利用いただけます。
アナログ信号発生器 MG3740Aについてさらに詳しく