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デジタル無線機器の送信特性の測定技術|シグナルアナライザ


デジタル無線機器の送信特性の測定技術

 

昨今の携帯端末やPC用無線カードはマルチバンド化とマルチシステム化に伴い、内部に実装されるフロントエンドデバイスの数が飛脚的に増加しています。しかし市場において端末装置は更なる小型化と低価格化が求められておりフロントエンドデバイスに対して性能を向上しつつ同時に小型化と低コスト化の要求が続いています。ただ、フロントエンドデバイスの中でも送信アンプや半導体スイッチ等は無線機器の送信性能に影響するキーデバイスであり現時点でも無線装置の送信試験に近い測定項目を全数検査し出荷するのが一般的です。測定項目は無線装置試験と同様に信号発生器やシグナルアナライザ等単体測定器を組合せた装置で対応でき、これらは測定精度性能で優れていますが測定時間が遅くデバイス試験の世界では高価であるが高速試験が可能なIC Tester等大規模試験装置を使った試験が主流であり試験コスト低減がデバイス業界全体の課題となっていました。
このような状況を踏まえ試験コスト低減課題を解決する1つの手法としてシグナルアナライザをベースとしIC Testerと同等機能の拡張を実現しつつIC Testerを超える高速測定を実現したMS269xA シグナルアナライザ(MS269xA-20 ベクトル信号発生器付き)とMX269074A パワーアンプ測定ソフトウェアをWiMAX用送信アンプ測定例と共に紹介します。

 

■WiMAX用送信アンプ試験の課題

WiMAX用送信アンプに限らずデジタル無線機器の送信アンプは常に機器の電池寿命を考慮した設計が求められます。一般的に出力パワーと動作電流の関係で効率の良い非線形領域で信号を送信させることで消費電流を抑えることができますが非線形領域においては歪が悪化する傾向にあり、常に効率と送信アンプ歪は相反する関係にあります。特にWiMAXで採用されているOFDMA変調は非線形領域で発生する位相遅延による影響でEVM特性がある領域を越えると一機に悪化する傾向にあり、送信アンプを設計する際この傾向を考慮しその最適運用領域を設定しなければなりません。また検査時においてもスペックで定義されたパワー領域で試験するためにはより高精度なパワー追込み(Power Adjust)が全ての測定項目毎必要とされます。実際送信アンプの試験においてEVMや隣接ch漏洩電力(ACP)の測定再現性が悪いケースの多くは試験装置のパワー追込み精度幅が広い事が起因しています。
実際にパワー追込み精度の違いによる歪測定再現性の違いを紹介します。〔図1〕の評価回路にて送信アンプの1dB利得圧縮ポイントをターゲット出力パワーとしパワー追込み精度幅を0.14 dB、0.05 dB、0.03 dB幅で実施した場合のEVM、隣ch漏洩電力(ACP)、2次高調波歪(2HD)の測定再現性幅はそれぞれパワー追込み精度に比例し増加する傾向が把握できます。〔図2〕 特に歪の他に位相遅延特性がデータに影響するEVM測定では他の歪測定の測定再現性と比べてもより変動幅が大きく振れる結果が得られています。

 

評価回路 

 

 

 

パワー追込み精度の違いによる歪測定再現性結果

 

この様に送信アンプ試験においてパワー追込みは大変重要な測定要素であると言えますが信号発生器の出力レベルを可変制御しながら最適化する必要があり送信アンプ試験全体に占めるパワー追込みの時間の割合が大きくなる傾向にあります。また送信アンプの非線形領域でパワー追込みをする場合無変調の連続波(以下CWと表現)と変調波では同じパワーを入力しても送信アンプ特性に違いが生じる場合があります。更に電力のON/OFFを繰り返すバースト波では時間積分をした場合に連続波と比べトータル電力が低下するため送信アンプ特性差が顕著に現れます。よって送信アンプのパワー追込みを実施する場合は無線機器に実装している状況に近い環境下での測定が理想でありWiMAX用送信アンプを測定する場合もバースト状態の変調波でパワー追込み実施が理想です。しかしバースト波はパワーOFF区間が存在しパワーが立ち上がったタイミングでパワーを読取りながら信号発生器レベルを可変する必要があり信号発生器とパワーメーターやシグナルアナライザをGP-IB制御しながらパワー追込みをする場合は複雑な測定アルゴリズムが必要となり多大な制御時間を必要とします。

 

続きは「WiMAX送信アンプの高精度&低コスト測定」

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