IoTやクラウドコンピューティングの普及によりディジタル機器は膨大なデータを扱うようになり、機器のインタフェースは高速化とシリアル伝送化が進んでいます。これらのディジタル機器に使用されているPCI Express(PCIe)やUSBインタフェースは、膨大な伝送容量を扱います。そのため、PCIの次世代規格PCI Express Gen6は64 GT/sへ、USBのUSB3.2 Gen2は10 Gbit/sへ、USB4は20 Gbit/sへ、さらにUSB4 Type CはUSB3.2とThunderboltの双方に互換となり高速化します。
MP1900Aはこのような高速バスのコンプライアンステストとデバッグを可能にするBERTソリューションです。 PCIe, SAS, USB, Thunderbolt, DisplayPort(DP)のレシーバテストをAll-in-oneで実施できます。
- MP1900AはPCIe Gen1からGen5までのコンプライアンステストを1台でサポートすることができる業界初のソリューションです。
- MP1900AはPCIe Gen3/4、USB3.2、Thunderbolt3のコンプライアンステスト用測定器として規格団体から承認されています。
- コンプライアンステストの複雑な操作を自動化するオートメーションソフトウェアはマルチベンダのオシロスコープに対応しています。
MP1900Aがサポートするインタフェースタイプ
オートメーションソフトウェアはマルチベンダのオシロスコープを選択可能
高速シリアルBUSインタフェースのレシーバテストを自動化するオートメーションソフトウェアは、MP1900A(PPG/ED、ノイズ信号源、可変ISIチャネル)とリアルタイムオシロスコープを制御し、複雑な操作を必要とする信号のキャリブレーション、ジッタ耐力テスト、そしてレポート作成を自動化します。シンプルで再現性の高い測定が可能になり、テストエンジニアの負担を大幅に軽減します。
テスト信号のキャリブレーションのためにMP1900Aと組み合わせて使用するリアルタイムオシロスコープは、主要なメーカの物を使用できます。保有資産を有効活用できるため、設備投資費削減に貢献いたします。
使用可能なリアルタイムオシロスコープとオートメーションソフトウェアの組み合わせについてはセレクションガイドを参照してください。
多彩なデバッグ機能
リンクトレーニング機能
PCIeやUSBのレシーバテストでは、DUTのBER試験の前に、リンク状態を確立する必要があります。
MP1900Aは、リンクトレーニングオプションを使用することにより、測定に必須となるリンク状態を確認できます。さらに、PCIeリンクトレーニングオプションはLTSSM解析機能も備えており、リンク状態を構築できなかった際の原因解析を行えます。
PCI Expressのリンクトレーニング、LTSSM解析機能(MX183000A-PL021、PL025)
- 1筐体でProtocol AwareなPCI Express Gen1~5のレシーバ試験に対応
- リンクトレーニング、LTSSM解析

Add-in Card、System Boardの物理層測定に対応
- Tx/Rx Link Equalization Response Test
- Rx Link Equalization Test
- Receiver Jitter Tolerance Test

リンクトレーニングの状態遷移

LTSSMログ
USBリンクトレーニング(MX183000A-PL022、PL023)
- Protocol AwareなUSB/3.1 Rxテストソリューション
- リンクトレーニング、LTSSM解析機能

USBリンクトレーニングの状態遷移

LTSSMの各ステートの遷移を検出するLTSSMログ
Matrix Scan機能
リンクパートナーとの通信品質を確保するためには、Tx側のEQとRx側のEQの最適な組み合わせが選択される必要があります。
Matrix Scan機能はレシーバーに最適なTx EQ設定をスキャンし、レシーバーに最適な設定を自動で探索できます。
Sequence Editor
リンク状態を確立できず、リンクトレーニング機能でも原因が解析できなかった場合、タイムアウトしているステートでのデータシーケンスを細かく調整することでより詳細な原因解析が可能になります。

Sequence Editor設定

PCIe/USB 8B/10B 編集

PCIe 128B/130B 編集

USB 128B/132B 編集
ジッタトレランステスト機能(MX183000A-PL001)
MP1900Aシリーズは、ジッタ/ノイズを加える前の高品質な信号と、リニアリティの高いジッタ/ノイズ付加機能により、レシーバのストレス耐力試験を強力にサポートします。
- 汎用性の高いジッタ耐力測定可能
- SJ/RJ/BUJ を印可し PHY デバイスのジッタ耐力試験が可能
- 各種規格に応じたマスク測定が可能
- 1E-12、1E-15などの低エラーレートを推定する機能により、測定時間短縮に貢献
- Binary、Up ward、Down ward、Binary + Linearの4種類の追い込み方法により、デバイス特性に応じた耐力点を測定が可能
- ジッタトレランスのマスクをユーザーカスタマイズ可能

低レート推定BER測定