マイクロ波サイトマスタ S820Eは1 MHz~8/14/20/30/40 GHzまでの周波数範囲をラインナップした、最新のサイトマスタです。
S820Eには、ベクトルネットワークアナライザ(VNA)やベクトルボルトメータ(VVM)オプションの拡張がいつでもできます。これらオプションの追加は、アンリツが発行するオプションキーをインストールすることでストレスなく行えます。このとき校正などのために機器をアンリツサービスセンターに送付不要です。
VNAモードは、順方向・逆方向の掃引により4Sパラメータの測定を4分割画面に同時に表示できます。業界標準フォーマットのS2Pファイル(3タイプのS2Pファイル)が使用できます。S2Pファイルは、アンリツのベンチトップVNA(VectorStar™やShockLine™)を使ってフィールドのデータと実験室のデータを簡単に比較できます。
VVMモードではA/B比やB/A比を使用できるので旧来のベクトルボルトメータの置き換えとして使用できます。VVMモードは直接、反射/伝送測定をサポートします。つまり外部CW信号発生器、カプラ、ブリッジや、スプリッタを必要としません。ベクトルエラー補正は反射や伝送測定に適用されケーブルやアダプタ、試験用治具などDUTに接続するための周辺機器を補正した測定に寄与します。複数の測定画面表示モードでは、他の測定タイプとの比較を容易にします。そしてVVMの表形式の表示では基準に対する12のDUTが同時に確認できるためアレイアンテナシステムの調整などに便利です。業界をリードするダイナミックレンジは安定で繰り返し精度の高い測定を提供します。
S820Eは、アンリツの高性能デスクトップのVectorStar™ VNAやShockLine™ VNAと同様の先進のサンプラ技術を利用し、コンパクトなハンドヘルドパッケージに同様のマイクロ波性能を搭載しました。周波数範囲40 GHzまでで110 dBのダイナミックレンジは旧モデルのベンチトップ型VNAの性能をも凌駕します。
イーサネットやUSBにて外部PCからのリモートコントロールができます。
S820Eは、旧モデルS810D/S820Dマイクロ波ケーブル&アンテナアナライザの後継機種で、さらにそれらを上回る機能を提供します。S810D/S820Dシリーズと同様の操作を採用したクラシックモードを使用することによって、S810D/S820Dシリーズのユーザにとっては新たな操作を必要とせず、すぐに使用していただけます。
S820Eは、VIPモード(Firmware V1.17以上)を標準搭載しており、IEC 61300-3-35規格に準拠したファイバコネクタの検証やPass/Fail試験を実施できます。VIP(ファイバスコープ)は別売です。
測定器内の[ヘルプ]メニューには操作を助けるためのユーザーズガイドが用意されています。
標準の1ポート測定機能は次の通りです。
- リターンロス
- VSWR
- ケーブルロス
- スミスチャート
- 位相
- 障害位置検出リターンロス
- 障害位置検出VSWR
- 高精度パワーメータとの接続機能
標準の2ポート測定機能は次の通りです。
- 2ポート伝送測定機能
- 2ポート伝送測定機能(外部センサが別途必要)
- 2ポート掃引ケーブルロス(外部センサが別途必要)
オプションのベクトルネットワークアナライザの機能は、次の通りです。
- 双方向掃引。S12とS22を測定するときにDUTを逆向きに接続不要
- 2ポートデバイスの全4Sパラメータを同時測定
- 最大4分割画面と表示フォーマットを自由に組み合わせ可能
- Real ImpedanceやImaginary Impedanceを含む多くのグラフタイプ
- IF BWは、10 Hzから100 kHzまで1/2/5ステップ
- S2Pフォーマット(3タイプ)、測定ファイル(.svna)、スクリーンイメージ(.png)、CSV、テキストファイルの保存形式
- 基準面エクステンション(両ポート)機能は、ロスの補償が可能
- 測定データポイントは、ユーザが任意に設定可能
- 補間機能(ユーザが選択可能)により再校正を行う手間を軽減
- トレースごとにスムージングやマーカを設定可能
オプションのベクトルボルトメータの機能は、次の通りです。
- ベクトルエラー補正された反射や伝送特性測定
- 旧来のベクトルボルトメータの置き換えに便利なA/B比やB/A比機能
- 10 Hz~100 kHzの可変IF帯域幅により最適な性能に設定可能
- 自由度の高い測定フォーマット:
- LogMag & 位相
- LinMag & 位相
- SWR
- インピーダンス
表形式の表示では、1つの基準と12のデバイスの測定値を同時に表示します。
複数のファイルフォーマットに対応、Measurement(.vvm)、CSV(.csv)、Text(.txt)、Image(.png)
伝送測定および2ポート掃引ケーブルロス測定は、外部センサを使用することで、長いケーブルの各端部が互いに離れている導波路の損失を測定できます。センサは、USBエクステンダ(2000-1717-R)とUTP Cat 6ケーブルを使用することで85メートルまで延長できます。アンリツは、一般的なアプリケーションで十分な長さ22.5 mのCat 5eケーブル(2100-28-R)をお勧めします。
特許を取得しているRF干渉除去により、同軸、導波管測定において、より正確なRF測定ができます。
最新の性能を提供するために、ゼロから設計することで、2ポートベクトルネットワークアナライザ機能の搭載を実現しました。さらに将来的なアップグレードオプションの追加、機能拡張もできます。
ラインスイープツール(LST)は無料のデータ解析ソフトウェアです。専門的なレポートに加えて、システムの傾向、問題、性能評価を可能にします。
アンテナアライメントツールおよび、AndroidアプリケーションSmart Aligner(Multiwave Sensors社製)に対応し、アンテナ調整結果や敷設ケーブル評価結果を含むサイト完了報告書を作成できます。