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業界初のターンキーソリューションで、
NB-IoT機器の生産性向上・生産コスト削減を実現

2017/11/27
MT8870A用NB-IoTソフトウェアの販売を開始

mt8870a-02

アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、ユニバーサルワイヤレステストセット MT8870Aに実装することで、NB-IoT[※1]機器のRF試験を可能とするNB-IoT測定ソフトウェアを開発。11月27日から販売いたします。

今回開発したソフトウェアは、次の3種類です。

  • NB-IoT Uplink 送信測定 MX887067A

  • NB-IoT Downlink 波形ファイル MV887067A

  • フル自動測定プログラム
  • これらをMT8870Aに実装することで、量産試験用測定器では業界初のターンキーシステム[※2]として使用でき、最大4台のNB-IoT機器、モジュールのRF送受信特性[※3]を自動かつ世界最高水準の速度で評価できます。また、測定を自動化するための制御プログラムの開発が不要となり、開発に要していた工数をゼロにできます。

    NB-IoTは、スマートメーターやスマートシティ、貨物等の追跡監視、農業など、さまざまな分野で活用されることが期待されていますが、NB-IoT機器の低価格化が普及の課題となっており、生産性向上、コスト削減に寄与する測定器のニーズが高まっていました。

    アンリツは、MT8870Aによりお客さまの課題解決を支援し、NB-IoTサービスの普及に貢献いたします。


    [開発の背景]

    NB-IoTは、LTE-Advanced Pro[※4]に含まれるセルラーIoT規格です。北米、欧州、中国の通信事業者がすでにサービスを開始しているほか、日本でも2018年の導入が予定されています。

    サービスの円滑な普及のためにはNB-IoT機器の低価格化が必須であり、生産効率向上が重要な課題となっていました。

    NB-IoT機器の測定は、試験対象機器に搭載されている各種チップセットを制御するプログラムを使用することにより自動化できますが、これまではお客さまで開発する必要がありました。しかもチップセットの種別ごとに異なるプログラムが必要であるため、多大な工数が発生していました。

    アンリツは、従来から各種無線通信機器の量産用測定器としてユニバーサルワイヤレステストセット MT8870Aを提供しています。NB-IoTについても、チップセットベンダと協業しながら、測定技術の確立を行ってまいりました。この取り組みを基盤に、お客さまで制御プログラムを用意することなく、自動かつ世界最高水準の速度で、最大4台のNB-IoT機器、チップセットの評価を可能とするターンキーソリューションを開発しました。


    [製品概要]

    ユニバーサルワイヤレステストセット MT8870Aは、各種無線通信機器、モジュールの量産用測定器です。本体シャーシに4つの高性能テストユニットを搭載できます。それぞれのユニットで完全に独立した並列測定を実現しており、最大4台の無線通信機器、モジュールを同時に評価できます。

    今回開発したソフトウェア(NB-IoT Uplink送信測定 MX887067AとNB-IoT Downlink 波形ファイル MV887067A、フル自動測定プログラム)を実装することにより、3GPP NB-IoT RFテスト仕様に準拠した試験(送信電力、周波数、変調[※5]精度、受信感度など)が、自動かつ高速で行えます。


    [ この製品をもっと詳しく ]

    [主な特長]

    ■生産性向上が可能

    最大4台のNB-IoT機器、モジュールを同時かつ業界最高水準の速度で測定できます。自動測定が可能であり、生産性向上に寄与します。

    ■制御プログラムの開発コストが不要

    NB-IoTの評価では、測定器で試験対象機器を制御(RF信号の出力や周波数の切り替えなど)するためのプログラム必要です。自動測定プログラムを使用することにより、お客さまで行っていた制御プログラムの開発が不要となります。

    ■信頼性に優れた評価が可能

    NB-IoT測定ソフトウェアは、お客さまと協業し、実際のチップセットとの相互接続試験を重ねながら開発しており、信頼性に優れています。

    ■マルチシステムの試験コスト低減が可能

    MT8870Aは、すでに2G/3G/LTE/LTE-Advanced、無線LAN/Bluetooth、GPS、FMの評価を可能としています。今回、NB-IoTに対応したことにより試験範囲を拡大するとともに、複数の無線システムを同時に試験でき、コスト低減に寄与します。

    [対象市場・用途]

    対象市場

    NB-IoTチップセットベンダ、モジュールベンダ、完成品ベンダ

    用途

    NB-IoT対応機器・モジュールのRF送受信特性評価


    [※用語解説]

    [※1]NB-IoT
    通信速度100 kbps程度と低速で、使用する周波数帯域は180 kHz幅と非常に狭く、IoTでの利用に適している。

    [※2]ターンキーシステム
    用途に合わせた作り込みや追加開発などが不要で、すぐに稼働できる製品。

    [※3]RF送受信特性
    RFはRadio Frequencyの略。信号のパワーや変調精度などの送信特性、および受信感度など受信特性を指す。

    [※4]LTE-Advanced Pro
    高速大容量、低遅延、IoTによる多接続がキーワードとなっている5Gシステムへの橋渡し役として、LTE-Advancedをさらに高速、低遅延化した移動通信システム。多接続の面でNB-IoTが含まれている。

    [※5]変調
    無線通信システムでは、情報を電気信号に変換して伝送する。変換した電気信号を電波に乗せるための処理を変調と呼ぶ。

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