アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、ユニバーサルワイヤレステストセット MT8870Aの機能を拡張。新たにIoT/M2M製品の製造試験向けに3種類の測定ソフトウェアを開発。1月25日から販売いたします。
今回開発した測定ソフトウェアは、WLAN 802.11p[※1]、Bluetooth Core仕様バージョン4.2[※2]、Z-Wave[※3]に対応します。MT8870Aにインストールすることにより、オートモーティブやホームオートメーション、モバイル端末間通信など、各種IoT/M2Mアプリケーションで使用されるさまざまな通信端末や通信モジュール、チップセットの評価が行え、生産性向上、早期商用化に貢献します。
■MX887032A WLAN 802.11p送信測定/MV887032A WLAN 802.11p波形ファイル
自動車の路車間通信や車車間通信で使用される700 MHz帯や5.9 GHz帯のWLAN 802.11pの無線試験に対応
■MX887040A-001 DLE送信測定/MV887040A-001 DLE波形ファイル
スマートフォンとウェアラブル端末など、端末間の通信で使用されるBluetoothの最新規格Core仕様バージョン4.2の無線試験に対応
■MX887061A Z-wave送信測定/MV887061A Z-wave波形ファイル
ホームオートメーション製品で使用されるITU-T G.9959に準拠したZ-Waveの無線試験に対応
[開発の背景]
コネクティッド・カーに代表されるオートモーティブやウェアラブル端末、スマートホームなどをはじめとするIoT/M2Mアプリケーションの普及が進み、使用される通信端末や通信モジュールなどの生産が拡大しています。
これらの製品の多くは、LTEやW-CDMAなどの移動無線通信システムに加え、WLANやBluetoothなどの近距離無線通信システムにも対応しており、複数の無線通信方式の試験を1台の測定器で高速に試験できるソリューションが求められています。
そこで、アンリツは、10 MHzから6 GHzまでの周波数範囲をカバーするMT8870A用測定ソフトウェアのラインアップを拡充。新たにWLAN 802.11p、Bluetooth DLE、Z-Waveに対応した測定ソフトウェアを開発し、IoT/M2Mアプリケーションの製造試験ソリューションを強化しました。
[製品概要]
ユニバーサルワイヤレステストセット MT8870A
MT8870Aは、最大で4個の送受信テストモジュール MU887000Aを搭載でき、無線LANや移動無線通信などのマルチシステムに対応したスマートフォン、タブレットおよび通信モジュールのRF送受信性能を1台で評価できる測定器です。
MT8870Aは、10 MHzから6 GHzの周波数範囲に対応した広帯域なプラットフォームを実現しており、今後、標準化が予想されるさまざまな周波数帯域を使用したIoT/M2Mアプリケーションにも対応できます。
WLAN 802.11p送信測定/波形ファイル
MX887032A/MV887032Aは、路車間通信や車車間通信で使用される700 MHz帯や5.9 GHz帯のWLAN 802.11pの無線試験に対応した測定ソフトウェアです。
MT8870AのPCアプリケーションソフトウェアと組み合わせることにより、WLAN 802.11pに対応したチップセット、モジュール、ダッシュボード製品の無線試験が行えます。デバイスのチップセット制御も行うことができ、フルオートメーションの環境で試験することもできます。
また、MT8870Aは、既存の無線LAN規格である802.11a/b/g/n/acや、Bluetooth、GNSSなどもサポートしています。これにより1台で車載装置に使用される無線通信方式の試験に対応でき、試験コストの低減に貢献します。
Bluetooth DLE送信測定/波形ファイル
MX887040A-001/MV887040A-001は、Bluetoothの最新規格Core仕様バージョン4.2の無線試験に対応した測定ソフトウェアです。
Bluetooth Core仕様バージョン4.2では、スマートフォンなどのホストデバイスとウェアラブル端末などのセンシングデバイス間の通信が高速化されています。
MT8870Aは、Bluetooth Core仕様バージョン4.2に対応したスマートフォンなどのホストデバイスやウェアラブル端末などのセンシングデバイスの無線試験ができます。
Z-Wave送信測定/波形ファイル
MX887061A/MV887061Aは、ITU-T G.9959に準拠したZ-Waveの無線試験に対応した測定ソフトウェアです。
Z-Waveは、900 MHz帯を使用したホームセキュリティや家電のコントロールなど、ホームオートメーション製品向けに設計された低電力の無線通信技術です。
ホームオートメーションのハブとなるスマートホームルータは、スマートフォンやPCと接続するためのWi-Fiと公衆網に接続するためのLTEなどの移動通信方式を装備しています。MT8870Aは、複数の無線通信方式に対応しているため、マルチシステムの測定要求に対して、1台の測定器で高速に試験できるソリューションを提供します。
[ ユニバーサルワイヤレステストセット MT8870Aについてさらに詳しく ]
[対象市場]
■WLAN 802.11p送信測定/波形ファイル
WLAN 802.11pに対応したチップセット、モジュール、ダッシュボード製品の製造部門
■Bluetooth DLE送信測定/波形ファイル
Bluetooth SmartおよびBluetooth Smart Readyに対応したチップセット、モジュールの製造部門。スマートフォンの製造部門
■Z-Wave送信測定/波形ファイル
Z-Waveに対応したチップセット、モジュールの製造部門。スマートホーム用ルータの製造部門
[用語解説]
[※1] WLAN 802.11p
自動車用無線通信方式として路車間通信や車車間通信で使用される700 MHz帯や5.9 GHz帯のWLAN規格
[※2] Bluetooth Core仕様バージョン4.2
Bluetoothの最新規格。Bluetooth low energyのデータ長が37オクテットから255オクテットに拡張され、データ送信時のオーバーヘッドが減少することにより、スマートフォンなどのホストデバイスとウェアラブル端末などのセンシングデバイス間の通信を高速化することが可能
[※3] Z-Wave
900 MHz帯を使用したホームセキュリティや家電のコントロールなど、ホームオートメーション製品向けに設計された低電力の無線通信技術
Bluetooth®のワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG, Inc.が所有する登録商標であり、アンリツはこれらのマークをライセンスに基づいて使用しています。