PCIe® 7.0 デバイステストソリューション
電気から光まで、一貫した条件で設計検証を実現
AIサーバやデータセンタでは、GPU間通信やアクセラレータ間のデータ転送量が急速に増加しており、従来のインタコネクトでは帯域不足が課題となりつつあります。こうした要求に応えるため、PCI Express® 7.0(PCIe® 7.0)が策定されました。PCIe 7.0では、PAM4変調方式および128 GT/s データ転送速度の採用により、チャネル損失や反射、ノイズの影響が大きくなります。これにより、従来世代よりもデジタル信号の伝送品質を確保するための設計および評価の難易度は上がります。
さらに、PCIe 7.0ではわずかな評価条件の違いによって測定結果にばらつきが生じやすくなり、設計の妥当性判断が難しくなります。したがって、PCIe 7.0の評価では規格に準拠した試験条件に加えて、測定のばらつきを抑える安定した試験環境を構築する必要があります。
また、高速化に伴い伝送距離は制限されるため、電気配線によるボード間・ラック間の伝送は困難になりつつあります。この対応策として、電気信号を途中で光信号に変換して伝送距離を拡張するOptical Aware Retimerが導入されました。しかし、光インタフェースの仕様や評価条件は2025年6月時点で標準化されていません。このため、Optical Aware Retimerを開発・評価する各社は、独自に評価方法を検討し、試験環境を構築する必要があります。
PCI Express®、PCIe®は、PCI-SIGの登録商標です。
PCIe 7.0デバイスの試験課題
課題 1: PCIe 7.0デバイス試験の再現性確保
PCIe 7.0では、高速化に伴いデジタル信号の伝送マージンがさらに厳しくなり、パッケージ、基板、コネクタなどで構成されるチャネルの特性が信号品質に大きく影響するようになります。その結果、チャネル損失や反射などの影響により、デジタル信号波形が歪みやすい傾向があります。
このため、設計検証の際には、デバイスの正常動作の検証に加えて、ジッタやノイズ耐力を評価し、要求性能を確保できていることを確認する必要があります。しかし、PCIe 7.0では特に、試験信号の品質や測定条件の差異により、同一のデバイスであっても評価結果がばらつく可能性があり、設計の妥当性判断を困難にします。
そこで、再現性の得られる試験環境の構築が求められます。これを実現できない場合、PCIe 7.0デバイスのデバッグの長期化や度重なる再試験の発生につながるおそれがあります。
課題 2: 光インタフェースを含む試験環境の設計
電気信号と光信号をまたいで伝送を補償するデバイスであるOptical Aware Retimerの導入により、PCIeリンクは電気信号に加えて光信号を含む構成になります。光信号を伝送する区間ではE/OおよびO/E変換器の特性が伝送性能に影響しますが、これらに関する試験条件や方法は規格で定義されていません。そのため、各ベンダが試験条件を定義する必要があり、ベンダによる試験条件や環境のばらつきにより、同一のデバイスであっても試験条件によって結果が一致しないおそれがあります。これにより、異なる試験条件で取得された試験結果を同一の基準で比較することが難しくなります。
光インタフェースを含むシステムでは、試験条件や環境の設計および整備そのものが課題となります。
PCIe 7.0テストソリューション
ソリューション 1: 再現性を確保した評価環境を構築
シグナルクオリティアナライザ-R MP1900Aは、PCIe 7.0に対応した128 GT/s PAM4信号を生成し、試験信号校正やジッタ・ノイズの印加試験を組み合わせることで、安定したレシーバ試験環境を提供します。これにより、測定ばらつきを抑えた状態でレシーバ特性を評価でき、測定結果の差異が試験条件によるものか設計変更によるものかを切り分けやすくなります。その結果、評価結果から設計の妥当性を判断でき、再試験やデバッグの長期化を抑えることができます。
ソリューション 2: 電気・光を統合したインタフェース特性試験
Opto-Electronic Network Analyzer ME7848Aは、E/OおよびO/E変換器の周波数特性や透過/反射特性(Sパラメータ)を高精度に評価し、光区間を含めた伝送特性を定量的に把握できます。
さらに、光サンプリングオシロスコープ BERTWave MP2110Aや光スペクトラムアナライザ MS9740Bを組み合わせることで、アイパターン、マルチレーン挙動、信号光波長・パワー特性、信号対雑音比(OSNR)などを含めた評価が可能になります。これにより、光インタフェースを含むシステム全体を一貫した条件で評価しやすくなり、ベンダごとの差異に起因する評価条件のばらつきを抑えた環境を構築できます。