車載Ethernet測定ソリューション
過酷な環境で動作する車載用Ethernetの信頼性を評価
アンリツとテクトロニクスによる「車載Ethernet測定ソリューション」
- IEEE 802.3およびOPEN Alliance TC8 に対応し、ケーブルのハードウェアのインターオペラビリティ(相互運用性)と確かな通信品質を保証します。
- 各テスト項目を、アンリツのベクトルネットワークアナライザ(VNA)とテクトロニクスのオシロスコープで網羅します。
近年、自動車では、「CASE」と呼ばれるConnected(通信機能)やAutonomous(運転の自動化/自律化)、Shared(カーシェアリング)、Electric(電動化)の各分野で技術革新が起きています。たとえば、「AD」や「ADAS」と呼ばれる、車載レーダ/LiDAR/高精細カメラと画像認識による運転支援システムや、人工知能(AI)と組み合わせた自律走行の実用化が推進されています。このような先進機能の実現にともない、自動車内のデータ通信量は飛躍的に増加しています。そして、車載ネットワーク(IVN)の統合や車体の軽量化にも応えるため、車載ネットワークには大容量・高速・低遅延通信の特長をもつ車載Ethernetの採用が加速しています。
車載Ethernetは、安全性の面から、過酷な周辺環境での信頼性の高いデータ伝送の保証が求められます。ケーブルには軽量かつ低コスト、そして高い性能保証が求められ、そのためのコンプライアンステスト仕様がIEEE 802.3やOPEN Alliance TC8により策定されています。このような中でアンリツとテクトロニクスは、協業して「車載Ethernet測定ソリューション」を提供しています。
MDIリターンロス/MDIモードコンバージョンロス
IEEE 802.3やOPEN Alliance TC8で規定されたMDIリターンロス、MDIモードコンバージョンロスは以下の構成で測定できます。
このテストをクリアすることで車載環境で信頼性の高いデータ伝送が確保できます。
測定概念図
MDIリターンロス、MDIモードコンバージョンロスはそれぞれ、ベクトルネットワークアナライザではSD1D1、SD1C1として表されます。
<用語解説>
- MDI(medium-dependent interface):ECU内のマイクロコントローラーが外部と通信するためのインタフェース
- MDIリターンロス:ECUのEthernetインタフェースのインピーダンス・ミスマッチによって差動信号に影響を与える反射量
- MDIモードコンバージョンロス:ECUに接続されたEthernetケーブルで付加された外来ノイズが差動信号に影響を与える反射量
ECUの車載Ethernetの測定例
ベクトルネットワークアナライザ(VNA)の他に、テストポートケーブル、治具、Ethernetケーブルを組み合わせて測定します。
※正確な測定には、安定した測定が実現できるテストポートケーブルや治具、Ethernetケーブルを使用することが重要です。
※ECUは、グランドに落ちていません。Ethernetケーブルが非シールドツイストペアケーブルの場合は、VNAとECU間のグランドは共有できていません。この状態では、測定の安定性が外来ノイズにより損なわれます。したがって、Ethernetケーブルの下に銅板を配置しVNA、銅板、ECUのグランドを共有するなどの工夫が必要です。
100BASE-T1の測定結果例
設定条件:1 MHz~1 GHz、ログスイープ、1,600ポイント、IFBW:100 Hz
標準機能として、リミットライン機能で瞬時にPASS/FAIL判定ができます。測定時間を短縮し、開発/製造コストを削減します。
※上図のリミットラインは、IEEE Std. 802.3bw, subclause 96.8.2.1 – MDI return loss、IEEE Std. 802.3bw, subclause 96.8.2.2 – MDI mode conversion loss を参照して作成しています。
※測定系のダイナミックレンジは、DUTの性能に対して十分な余裕を持たせてください。そうでない場合、正しい評価ができないことがあります。
推奨ベクトルネットワークアナライザ(VNA)
- 1 MHz~43.5 GHzの周波数範囲を備えた2ポートVNAです。
- 外部PCにShocklineソフトウェアをインストールし、USB経由でMS46122Bを制御します。
- 非常にコンパクトな筐体で持ち運びが容易です。
- 内部にデータ保存メモリを持たないセキュア構造です。
- 50 kHz~43.5 GHzの周波数範囲を備えた2または4ポートVNAです。
- 用途に応じて外部にモニタやキーボード、マウスが必要です。
- 出力パワーが可変でき、さまざまなアプリケーションに対応します。
- 掃引速度30 µsと高速で、生産性の向上にも貢献します。
- MS46524BはTC9にも対応します。
MDI測定以外の車載Ethernet評価ソリューションは、テクトロニクスの車載Ethernetウェブページをご覧ください。