ディジタル移動無線送信機テスタ MS8608Aは、7.8 GHzまでの測定をカバーするスペクトラムアナライザ, 変調解析器, パワーメータを内蔵し、W-CDMAの基地局・移動機の開発から製造までの送信特性を一台で高速・高確度に対応します。スペクトラムアナライザは、20MHzまでの分解能帯域幅をカバーし、2 Mbit/s(16 Mcps)の広帯域信号の測定にも十分対応。変調解析器は、高速なDSP処理により各種のVSA(Vector Signal Analysis)機能を実現。パワーメータは、アモルファスパワーセンサを採用し、±0.4dBの高確度なパワー測定が可能。
測定ソフトフェアは、W-CDMAをはじめGSM/EDGE, ディジタル防災行政用無線システム, 無線LAN測定ソフトウェアなどの専用測定ソフトウェアを実装し、マルチシステムとして使えます。
新たにTD-SCDMA測定ソフトウェアは、中国で採用されるTD-SCDMA方式の送信試験の評価を行います。
対応規格: W-CDMA, HSDPA, CDMA, CDMA2000 1xEV-DO, GSM, EDGE, PDC, PHS, NADC, TD-SCDMA
■スペクトラムアナライザ機能
W-CDMA信号入力時の隣接チャネル漏洩電力測定(掃引法)では、68dBc(5MHz離調時の代表値)、75dBc(10MHz離調時の代表値)の広ダイナミックを持っています。 分解能帯域幅20MHzまでカバーし、将来予定されているW-CDMAの16Mcpsのような、広帯域信号の解析に十分対応できます。また、検波モードにアベレージを選択できますので、拡散変調されたノイズ状信号のレベルを高確度で測定できます。
■パワーメータ機能
アモルファスパワーセンサを内蔵し、±0.4dBの高確度なパワー測定が可能です。
■W-CDMA変調解析機能
(1)変調解析およびコードドメイン解析
MS8608AにMX860801A W-CDMA測定ソフトウェアをインストールすることにより、3GPP/ARIB(DS-FDD)規格に対応したW-
CDMAの変調解析やコードドメイン解析などが、RFとI/Q信号の両方で行えます。また、3GPP規格にしたがった隣接チャネル漏洩
電力測定(フィルタ法)が、RF入力で可能です。さらに、HSDPA測定ソフトウェアをインストールすることで、HSDPA方式携帯電話の基地局、デバイスの送信諸特性を測定することができます。
(2)復調データの評価
ベースバンドの評価用に、逆拡散した復調データを10フレームまでメモリできます。アプリケーションソフトウェアと組み合せて、パソコン上で復調データの評価が可能です。
■W-CDMA BER/BLER測定ソフトウェア,復調ユニットの主な特長
(1)モジュールレベルでBER/BLER測定が可能
・W-CDMA携帯電話端末のRFモジュール、ダイレクトコンバージョンICのBER/BLER測定を用いた品質評価が可能です。(但しI,Q入力のみに対応)
・復号ON/OFF切り替え機能により、復号あり/なしでのBER測定が可能。(BLER測定は復号ありの時のみ可能)
(2)ログ取得用復調データ、モジュール出力制御用I,Q レベルデータを送信機テスタ本体の背面より出力
・ログ取得用復調データ(Data, Clock, Enable, Error)を送信機テスタ本体の背面より出力しています。不具合の原因究明に利用できます。
・I,Q端子に入力されたTotal Power, Code Power(CPICH,DPCH)の3種類を12bit,Serial信号で送信機テスタ本体の背面より出力します。モジュールの出力制御情報として利用できます。
■HSDPA測定ソフトウェア の主な特長
(1)MS8608A、MS8609Aに対応
(2)1台の送信機テスタでHSDPA送信試験が可能
変調解析/コードドメイン解析/送信電力/近傍スピリアス(隣接チャネル漏洩電力)/スプリアス/占有周波数帯域幅/CCDF
(3)HSDPA方式の多重信号を1コードチャネルごと、マルチコードチャネルでの解析が可能
HSDPA方式で使用される変調方式であるQPSK、16QAMの多重信号の解析が行えます。
(4)最大4マルチキャリアのベースバンド信号解析/CCDF測定が可能
20MHzという広い解析帯域を持っているため、最大4マルチキャリアまでのベースバンド信号解析 およびCCDF測定が可能です。