MediaTek社とアンリツがネットワークモードでWi-Fi 7チップの接続検証に成功
2023/05/09
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)とMediaTek Incorporated(以下MediaTek社)は、ネットワークモードによるIEEE802.11be (Wi-Fi 7) RF特性試験において、モバイルデバイス用IEEE802.11beチップの性能・機能検証に成功したことをお知らせいたします。
試験実施の背景
無線LAN規格IEEE802.11beは、IEEE802.11ax[※1](Wi-Fi 6/6E)の後継規格として、最大実効速度30Gbps実現を目標として標準化提案され、4096 QAM変調・320 MHzチャンネル帯域幅、マルチRUなどの従来技術の拡張に加え、マルチリンク伝送[※2]の技術が採用されています。IEEE802.11be規格開発は2024年に完了予定ですが、ドラフト版規格に基づいた通信チップや対応製品の流通は既に始まっており、超高解像度ビデオストリーミングやAR/VR等の最新のアプリケーション・サービスに向けた機器への採用が期待されています。
ネットワークモードとは、通信チップ・テスタ双方に実装されているデータリンク層通信プロトコルを利用し、通信チップ・テスタ間の通信を確立させた実動作状態でRF特性を評価する方法です。有線接続(Conducted)試験によるRF性能評価のほか、無線接続(OTA: Over the Air)試験[※3]において広く採用されています。
アンリツとMediaTek社は今後の普及が期待されているモバイルデバイス用IEEE802.11beチップの接続試験を実施し、性能・機能検証に成功いたしました。
共同検証の概要
MediaTek社は、Wi-Fi 7プラットフォーム向けに、世界最高水準の高性能、低消費電力、高信頼性を備えたFilogic 880およびFilogic 380を発表しました。
シームレスで安定した高い接続性を提供する本製品に対し、実動作状態と同じく対向装置と通信を確立・維持した状態におけるRF性能を評価するため、アンリツが保有するネットワークモード測定技術に注目し、共同検証に至りました。ネットワークモードによるIEEE802.11be測定の実現は業界初(当社調べ)であり、共同検証の成果です。
今回のプロトコルを使った接続性が確認されたことにより、MediaTek社 のIEEE802.11beチップ搭載製品は、アンリツのWLAN(無線LAN)テスタを用いることで有線接続(Conducted)試験および無線接続(OTA)試験ができるようになりました。
MediaTek社のインテリジェントコネクティビティ事業担当副社長兼ゼネラルマネージャーのAlan Hsu氏は次のように述べています。
「アンリツとの協業は、最先端のワイヤレス・コネクティビティ技術を市場に投入するという当社ミッションの実現を後押しするものであり、Filogicソリューションによって、高速、高信頼、常時接続といった業界で高まるニーズにお応えする当社コミットメントにつながります。」
アンリツ株式会社 取締役 常務執行役員 通信計測カンパニープレジデント 島 岳史は次のように述べています。
「アンリツの最先端のテストソリューションと、無線通信技術をリードし新たなユーザー体験をもたらすMediaTek社の両社によるシナジーは、IoT・Automotive・スマートフォンなど広い業界の発展を導き、安心・安全で豊かなグローバル社会の実現に貢献してまいります。」
アンリツは各種試験ソリューションを開発・提供することで、今後も無線LAN製品の普及に貢献してまいります。
用語解説
- [※1] IEEE 802.11ax
- IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)で策定された無線LAN規格の一つ。理論上9.61 Gbpsの超高速通信を可能とする。
- [※2] マルチリンク伝送
- MLO(Multi Link Operation)のこと。1つのデバイスが、異なる周波数にまたがる複数のチャンネルで同時接続することで、効率的にデータを送受信すること。
- [※3] 無線接続(OTA)試験
- 空間を介して電波の送受信を行い、無線機の信頼性、効率性および性能を正確に評価する試験。アンテナを含んだ完成品の無線通信性能を総合的に評価する場合に特に有効とされている。