5G端末のミリ波 3D EIS Scan試験時間を機械学習により大幅に短縮
2022/11/04
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、ラジオコミュニケーションテストステーション MT8000Aの新たなソフトウェアオプションとして、5Gミリ波 3D EIS Scan(EIS-CDF)試験[※1]の試験時間を機械学習技術により大幅に改善するEIS-CDF Optimization using Machine Learning MX800010A-026を開発し、11月4日より販売を開始しました。
開発の背景
5Gのミリ波(FR2[※2])を用いたサービスは、北米、日本など、先進諸国を中心に順次拡大されていく予定です。これに伴い、ミリ波対応端末の研究開発、認証試験が今後ますます活発となっていくことが見込まれます。
ミリ波対応端末には、3GPPの仕様により、OTA[※3]環境下における全方位のアンテナ特性に関わる試験が求められています。全方位試験は測定点が多いため試験時間が長くなる傾向にあり、その中でも3D EIS Scan試験は、1回ごとに、約3時間を要していました。
今回、機械学習を適用することで、繰り返し試験の試験時間を短縮しました。ミリ波対応携帯端末の普及に向け、端末試験の効率化に貢献いたします。
製品の特長
EIS-CDF Optimization using Machine Learning MX800010A-026は、CATR Anechoic Chamber MA8172Aを用いた3D EIS Scan試験において、本オプションを有効にするだけで、携帯端末の特性を自動学習し、試験手順を効率化します。同じ携帯端末の3D EIS Scan試験を複数回繰り返すことによって、効率化を最大にすることができます。
実際のミリ波対応端末(2モデル)を試験した例では、4回目以降の試験時間が初回の35%~60%程度と大幅に短縮*されています。

*一例であり、すべての端末において、同様な効果を保証するものではありません。
製品の概要
MT8000Aは、RF試験[※4]、プロトコル試験[※5]、アプリケーション動作試験、ビーム検証およびビーム特性評価を1台でサポートできるプラットフォームです。5Gチップセットや端末の開発に必要とされるNSA[※6]およびSAの基地局シミュレーション機能をサポートするほか、600 MHz、2.5 GHz、3.5 GHz、4.5 GHz、6 GHz unlicensed bandなどのFR1周波数から24 GHz、28 GHz、39 GHz、43 GHzなどのFR2周波数まで、5Gサービスで利用される全ての周波数帯に対応します。
MA8172Aは3GPP RF/RRMコンフォーマンステストに準拠したチャンバです。MT8000Aに向けた専用設計がされており、ミリ波5G試験に適したOTAチャンバ[※7]です。
MT8000Aについてもっと詳しく
MA8172Aについてもっと詳しく
用語解説
- [※1] 3D EIS Scan(EIS-CDF)試験
- 3D Effective Isotropic Sensitivity Scanの略。3GPPで規格化されているミリ波端末の全方位受信性能を評価するための試験。
- [※2] FR2
- Frequency Range 2の略。3GPPが定義する5G NRの周波数帯域のうち、24.25 GHz~52.6 GHzのミリ波帯を示す。
- [※3] OTA
- Over the Airの略。ここでは、空間を介して電波の送受信を行い、無線機の性能を試験する状態のこと。
- [※4] RF試験
- 携帯端末の無線送受信特性、パフォーマンスなどを確認するための試験。
- [※5] プロトコル試験
- 携帯端末と基地局間の通信手順が、規格に適合していることを確認するための試験。
- [※6] NSA
- Non-Standaloneの略。4G回線でC-Plane通信を行い、5G回線でU-Planeに特化して通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。
- [※7] OTAチャンバ
- 外来の電波を遮断し、内部では電波の反射を防ぐ構造の無響電波暗室または無響電波暗箱。
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