5Gアンテナの性能評価用にアンリツのMT8000A/MT8821Cを三菱マテリアルが採用
2020/10/22
無線製品のアンテナ設計に関するソリューションサービスに貢献
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、擬似基地局機能を持つラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000Aおよびラジオ コミュニケーション アナライザ MT8821Cが、5Gアンテナの無線通信性能を測定するOTA[※1]評価設備として、三菱マテリアル株式会社高機能製品カンパニーに採用されたことをお知らせいたします。
三菱マテリアル社は2020年8月、アンテナ供給メーカーとして初めて、5G(FR1[※2]/Sub-6)に対応する無線製品のアンテナ設計ソリューションサービスを開始しました。当社製品とBluetest社のリバブレーションチャンバーを組み合わせることにより、5GのOTA試験による無線通信性能の測定を実現しています。
5Gの普及により無線端末の小型化、高機能化はさらに加速し、アンテナ設計の高度化が進むことが予想されます。また、通信性能に影響を及ぼす要因も増えると予想されることから、モデムチップやアンテナから構成される無線端末の接続安定性を担保するOTA試験は、最終的な顧客満足度に大きく影響する製品品質の指標となります。
アンリツは計測ソリューションプロバイダーとして、4G/LTE以来、三菱マテリアル社のアンテナ設計開発や品質向上に向けた評価測定をサポートしてきました。5G製品を開発するための柔軟なテストプラットフォーム提供、検証サポートを通じて、5Gサービスの普及発展に貢献いたします。
参考:三菱マテリアル社 アンテナメーカー初 5G用アンテナ設計のソリューションサービスを開始
製品概要
ラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000Aは、スマートフォンやタブレット、IoTモジュールなど、通信端末(UE)の開発用測定器です。5Gの擬似基地局機能を有しており、5Gで使用されるFR1(Sub6GHz帯)とFR2(ミリ波帯)の両帯域に1台で対応します。また、OTAチャンバーと組み合わせることで、呼接続によるミリ波帯のRF測定や、ビームフォーミング試験に対応します。
ラジオ コミュニケーション アナライザ MT8821Cは、スマートフォンやタブレット、IoTモジュールなど、通信端末(UE)の開発用測定器です。4G/LTEの擬似基地局機能を有しており、LTE-Advancedから3G/2Gまでの通信方式に1台で対応し、RF調整、検証から機能試験まで、さまざまな測定をより効率よく行えます。
MT8000AとMT8821Cを組み合わせることにより、NSA[※3]構成の5G呼接続とOTA試験を含む各種RF測定を実施することができます。
MT8000Aについてもっと詳しく
MT8821Cについてもっと詳しく
用語解説
- [※1] OTA
- OTAはOver The Airの略。空間を介して電波の送受信を行い、無線機の性能を測定するため、外来の電波を遮断する構造の暗箱であるOTAチャンバーの使用が推奨される。
- [※2] FR1
- 3GPPに定義された5G NRで運用される7.125GHz以下の周波数帯。
- [※3] NSA
- NSA(ノンスタンドアローンモード)は、4Gと5Gを合わせて使う方式。主に基地局との制御情報のやりとりは4G、データ送受信に4Gと5Gの両方を使う。