Sub-6GHz帯 SA キャリアアグリゲーション試験の3GPP承認を達成
2020/05/27
5G プロトコルコンフォーマンステストで世界初
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、5G NR プロトコルコンフォーマンステスト[※1]において当社の5G NR モバイルデバイステストプラットフォーム ME7834NRが、世界初となるSub-6GHz帯(FR1)スタンドアローン(SA)モード[※2]におけるキャリアアグリゲーション[※3]試験の3GPP承認を取得したことをお知らせいたします。この試験は3GPP TS38.523[※4]に基づいており、FR1の3GPP RAN5ワーキンググループ[※5]によって承認されました。
また、FR1 ノンスタンドアローン(NSA)モード[※6]のキャリアアグリゲーション試験においても3GPPより承認を取得しました。これらのテストケースはすべて、アンリツのME7834NRで試験できます。
RAN5によるプロトコルコンフォーマンステストの検証は、認証機関であるGCF(Global Certification Forum)[※7]およびPTCRB(PCS Type Certification Review Board)[※8]によるテスト検証の前提条件であるため、重要なマイルストーンです。
今回の成果により、5Gサービスにおける、Sub-6GHz帯でのキャリアアグリゲーション機能の普及に向けて大きく前進しました。5G NRデバイス開発者は、ME7834NRを使用することで、設計した製品が3GPP規格に準拠しているかを検証し、デバイスの性能をより確実に確保することができます。
製品概要
5G NR モバイルデバイステストプラットフォーム ME7834NR
ME7834NRは、5G NRにおけるスタンドアローンモード(SA)/ノンスタンドアローンモード(NSA)双方で、3GPP TS 38.523で規定されるプロトコルコンフォーマンス試験、主要通信事業者の受入試験[※9]に対応しています。
また、GCFとPTCRBにおいて、5G NRテストプラットフォームTP251で登録されており、それぞれの端末認証に使用することができます。
5G用に新しく設計したOTAチャンバーとRFコンバーターを組み合わせることで、5Gで使用されるFR1(Sub-6GHz帯)およびFR2(ミリ波帯)を含む周波数帯域をカバーします。
ME7834NRは、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-A Pro、およびW-CDMAのプロトコルコンフォーマンス試験と事業者受入試験に対応したME7834LAを元に開発しています。
このテストシステムをすでに導入されているお客さまは、実証済みのLTE-A試験環境を活用しながら、スムーズに5G対応システムにアップグレードすることができます。
ME7834NRについてもっと詳しく
用語解説
- [※1] プロトコルコンフォーマンステスト(Protocol Conformance Test; PCT)
- 通信ネットワークでの携帯端末と基地局間の通信手順が、3GPP規格に適合していることを確認するための試験。
- [※2] スタンドアローン(SA)モード
- スタンドアローンモードは、データ送受信、基地局との制御情報のやりとりの双方に5Gを使う方式。
- [※3] キャリアアグリゲーション
- 複数の周波数帯を組み合わせ、より広い帯域幅(電波の周波数の範囲)を仮想的に作り出すことが可能となる技術。無線通信システムでは、帯域幅が広いほど高速に大容量のデータを伝送できる。
- [※4] 3GPP TS38.523
- 3GPPの技術仕様で、5Gデバイスのプロトコルコンフォーマンス試験に関する規格。
- [※5] 3GPP RAN5ワーキンググループ
- 3GPPの技術仕様をまとめるグループのうち、モバイル端末のコンフォーマンス試験に関するワーキンググループ。
- [※6] ノンスタンドアローン(NSA)モード
- ノンスタンドアローンモードは、4Gと5Gを合わせて使う方式。主に基地局との制御情報のやりとりは4G、データ送受信に4Gと5Gの両方を使う。
- [※7] GCF(Global Certification Forum)
- GCFはGlobal Certification Forumの略。携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験基準を定めている団体。GCFにより承認された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
- [※8] PTCRB(PCS Type Certification Review Board)
- PTCRBは、PCS Type Certification Review Boardの略。GCF同様、携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験の基準を定めている団体。北米で運用されている周波数帯を対象としている。
- [※9] 事業者受入試験(Carrier Acceptance Test; CAT)
- モバイルネットワーク事業者(キャリア)が自社ネットワークで接続する端末を受け入れる際に、3GPP規格に基づき制定されたキャリア独自の要件や仕様を満たしているかを確認するための試験。