BV台湾社がアンリツの5G NRテストソリューションを採用
2020/02/07
協業により5G通信サービスの早期普及に貢献
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、台湾のBureau Veritas Customer Products Service division, Electrical & Electronic, Automotive, Wireless(E.A.W.)Business Line(以下、BV台湾社)が、5G NRモバイルデバイステストプラットフォーム ME7834NR、RF/RRMコンフォーマンステスト向けのNew Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NR、およびラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000Aを採用したことをお知らせいたします。
Bureau Veritas社は世界有数の試験、検査および認証などのサービスを提供する機関であり、BV台湾社はGCFやPTCRBなどの専門的な携帯端末認証サービスを提供しています。
BV台湾社は、ME7834NRとME7873NRを使用して、5G NR端末のGCF[※1]/PTCRB[※2]認証取得に必要なプロトコルコンフォーマンス試験[※3]、FR1(Sub-6GHz帯)とFR2(ミリ波帯)双方のRF/RRMコンフォーマンス試験[※4]サービスを提供します。
加えて、MT8000Aを用いてケーブル接続とOver The Airの両環境における安定したテストシステムを構築し、5G NR端末の検証サービスも提供します。
アンリツとBureau Veritas社は、今後も協業により高品質で安定したテストソリューションを市場に投入し、5G NRサービスの早期普及に貢献いたします。
製品概要
5G NR モバイルデバイステストプラットフォーム ME7834NR
ME7834NRは、5G NRにおけるスタンドアローンモード(SA)[※5]/ノンスタンドアローンモード(NSA)[※6]双方で、3GPP TS 38.523で規定されるプロトコルコンフォーマンス試験、主要通信事業者の受入試験に対応しています。
また、5G用に新しく設計したOTAチャンバとRFコンバータを組み合わせることで、5Gで使用されるFR1(Sub-6GHz帯)およびFR2(ミリ波帯)を含む幅広い周波数帯域で試験が行えます。
ME7834NRは、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-A Pro、およびW-CDMA方式のプロトコルコンフォーマンス試験と事業者受入試験に対応したME7834LAをベースに開発しています。このテストシステムをすでに導入されているお客さまは実証済みのLTE-A試験環境を活用しながら、スムーズに5G対応システムにアップグレードすることができます。
ME7834NRについてもっと詳しく
New Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NR
ME7873NRは、3GPP TS 38.521/TS 38.533で規定される5G NRのRF試験/RRM試験に対応する自動試験システムです。
5G NRにおけるスタンドアローンモード(SA)/ノンスタンドアローンモード(NSA)双方に対応します。また、5G用OTA(CATR)チャンバであるCATR Anechoic Chamber MA8172Aと組み合わせることで、3GPPのFR1(Sub-6GHz帯)だけでなく、FR2(ミリ波帯)を含む5Gで使用される周波数帯域をカバーします。柔軟にシステムを構成できることから、お客さまは目的に合わせてME7873NRをカスタマイズできます。
ME7873NRは、LTE-Advanced RFコンフォーマンステストシステム ME7873LAからのアップグレードが可能であり、費用対効果の高いRFテストシステムを構築できます。
ME7873NRについてもっと詳しく
ラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000A
MT8000Aは、RF試験、プロトコル試験、ビーム検証[※7]およびビーム特性評価を1台でサポートできるプラットフォームです。
600MHz、2.5GHz、3.5GHz、4.5GHzなどのFR1(Sub-6GHz帯)や、28GHz、39GHzなどのFR2(ミリ波帯)をカバーしており、5Gサービスで利用される幅広い周波数帯で試験が行えます。
また、様々な試験パラメータの設定が可能なソフトウェアなど、操作性に優れたユーザインタフェースを提供しており、柔軟で効率的な試験環境を構築できます。
MT8000Aについてもっと詳しく
用語解説
- [※1] GCF
- GCFはGlobal Certification Forumの略。携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験基準を定めている団体。GCFにより承認された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
- [※2] PTCRB
- PTCRBは、PCS Type Certification Review Boardの略。GCF同様、携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験の基準を定めている団体。北米で運用されている周波数帯を対象としている。PTCRBにより承認された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
- [※3] プロトコルコンフォーマンス試験
- 携帯端末と基地局間の通信手順が、標準規格に適合していることを確認するための試験。
- [※4] RF/RRMコンフォーマンス試験
- RFはRadio Frequencyの略。携帯端末の送受信特性、パフォーマンスなどが3GPP規格に適合していることを確認するための試験。RRMはRadio Resource Managementの略。基地局と携帯端末間の無線リソース制御、例えば隣接基地局間のハンドオーバなどが正しく動作しているかを確認するための試験。
- [※5] スタンドアローンモード
- 5G回線のみでU-Plane、C-Planeの両方の通信を行うネットワーク。
- [※6] ノンスタンドアローンモード
- 既存の4G回線と相互接続し、4G回線でC-Plane(Control Plane:制御信号)通信を行い、5G回線でU-Plane(User plane:ユーザーデータ信号)に特化して通信を行うネットワーク。
- [※7] ビーム検証
- 5Gではビームフォーミングという、複数の素子を持ったアンテナを用いて、場所による電波の強度を動的に制御する技術が使われ、これにより電波空間や電力を効率的に利用できる。ビーム検証は、この動的制御が正しく行われているかを測定すること。