5G NRのGCF/PTCRB RFコンフォーマンステストでBureau Veritasと協業
2019/07/12
5Gサービスの早期立ち上げのため、New Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NRの認証取得を促進
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、5G NRのGCF[※1]/PTCRB[※2] RFコンフォーマンステスト[※3]において、台湾のBureau Veritas Consumer Products Services Division, Electrical & Electronic Business Line(以下、BV台湾)と協業することをお知らせいたします。
本協業によりBV台湾は、アンリツのNew Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NRを使用し、5G NRのGCFおよびPTCRB認証取得に必要なRF/RRMコンフォーマンステストサービスを提供します。
Bureau Veritas社は世界有数の試験、検査および認証などのサービスを提供する機関であり、BV台湾はGCFやPTCRBなどの専門的な携帯端末認証サービスを提供しています。BV台湾によるNew Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NRの採用で、アンリツは5G NR RF/RRMテストにおけるGCFおよびPTCRBでのテストプラットフォームバリデーション[※4]を加速させます。
ME7873NRは、5G NR用RFテストプラットフォームです。RFコンフォーマンステスト(RFCT)に対応し、GCFおよびPTCRBに5G NRテストプラットフォームTP250として登録されています。携帯端末の認証用に設計されており、3GPP準拠の5G RF試験やGCF/PTCRB認証に使用できます。
アンリツは、新世代のセルラーネットワークである5Gに向け、安定した高品質のコンフォーマンステストシステムを市場に投入し、5G NRコンフォーマンステスト市場の成長と5G NR通信サービスの早期立ち上がりを促進するために、Bureau Veritas社をはじめ、さまざまな試験認証機関と協力していきます。
製品概要
New Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NRは、3GPP TS38.521/TS38.533[※5]で規定される5G NRのRF試験/RRM試験[※6]に対応する自動試験システムです。5G NRにおけるスタンドアローンモード(SA)[※7]/ノンスタンドアローンモード(NSA)[※8]双方に対応します。また、5G用OTA(CATR)チャンバ[※9]であるCATR Anechoic Chamber MA8172Aと組み合わせることで、Sub-6GHz帯だけでなく、ミリ波を含む5Gで使用される周波数帯域をカバーします。
LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-A Pro、および従来のW-CDMAのRF試験および事業者受入試験に対応したME7873LAから5G対応システムへのアップグレードが可能であり、お客さまの測定要件に応じたRF試験システムをフレキシブルに構築できます。
ME7873NRについてもっと詳しく
MA8172Aについてもっと詳しく
用語解説
- [※1] GCF
- Global Certification Forumの略称。携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験基準を定めている団体。GCFにより承認された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
- [※2] PTCRB
- PCS Type Certification Review Boardの略称。GCF同様、携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験の基準を定めている団体。北米で運用されている周波数帯を対象としている。PTCRBにより認証された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
- [※3] RFコンフォーマンステスト
- 携帯端末の送受信特性、パフォーマンスなどが3GPP規格に適合していることを確認するための試験。
- [※4] テストプラットフォームバリデーション
- 対象となるテストプラットフォームが、規格に準拠した測定を行っているか、適切な第三者が妥当性を確認、検証し、登録する仕組み。
- [※5] 3GPP TS38.521/TS38.533
- 3GPPの技術仕様で、5Gデバイスの無線特性試験に関する規格。TS38.521が送受信、TS38.533がRadio Resource Management(RRM)に関する規格。
- [※6] RRM試験
- RRMはRadio Resource Managementの略。基地局と携帯端末間の無線リソース制御、例えば隣接基地局間のハンドオーバなどが正しく動作しているかを確認するための試験。
- [※7] スタンドアローンモード(Standalone mode; SA)
- NSAとは異なり、4G回線との相互接続はせず、5G回線のみでU-Plane、C-Planeの両方の通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。
- [※8] ノンスタンドアローンモード(Non-Standalone mode; NSA)
- 4G回線でC-Plane(Control Plane:制御信号)通信を行い、5G回線でU-Plane(User Plane:ユーザーデータ信号)に特化して通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。
- [※9] OTA(CATR)チャンバ
- OTAはOver the Air、CATRはCompact Antenna Test Rangeの略。空間を介して電波の送受信を行い、無線機の性能を測定するため、外来の電波を遮断し、内部では電波の反射を防ぐ構造の暗箱。3GPPで規定されるCATRに対応している。