アンリツが5G RFコンフォーマンステストでGCFの端末認証開始基準を達成
2019/05/29
New Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NRがGCFの5G認証試験で業界をリード
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、当社のNew Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NRが5G NRのRFコンフォーマンステスト[※1]において、GCF[※2]が規定する5G端末の認証開始基準を達成したことをお知らせいたします。
GCFでは、携帯端末の商用化に必要な認証試験の基準を定め、5G端末の認証開始の条件として、コンフォーマンステストシステムが、規格適合試験に必要なテストケースの50%以上、または80%以上の認証を取得していることが必要であると規定しています*。
ME7873NRは、2019年5月22日に5G NR Sub-6GHz ノンスタンドアローンモード(NSA)[※3]のRFコンフォーマンス試験にて、GCFが5G端末の認証開始に必要なテストケース数のGCF認証を取得しました。対象の周波数バンドは、日本、韓国、中国で使用される予定のものです。今回認証開始基準を達成したRFコンフォーマンス試験は、端末のRFの送受信性能を測定する基本試験であり、5G対応端末を早期に市場投入するうえで重要な試験項目です。これにより、ME7873NRで5G RF試験のGCF認証が可能となり、5Gの早期実用化、サービス開始に貢献できます。
アンリツは、5G NR Sub-6GHzのノンスタンドアローンモード(NSA)だけでなく、スタンドアローンモード(SA)[※4]を含めた5G NR Sub-6GHz試験全体での認証取得数促進に取り組んでいきます。また、今後開始が予定されているミリ波試験の認証も取得し、2019年以降急速に立ち上がる5Gモバイルネットワークの商用サービスや、5G対応端末の早期市場投入に貢献していきます。
*周波数バンドやテスト種別により開始基準値に違いがあります。
製品概要
New Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NRは、3GPP TS38.521/TS38.533[※5]で規定される5G NRのRF試験/RRM試験[※6]に対応する自動試験システムです。5G NRのスタンドアローンモード(SA)/ノンスタンドアローンモード(NSA)双方での試験に対応します。また、5G用OTA(CATR)チャンバ[※7]であるCATR Anechoic Chamber MA8172Aと組み合わせて、5Gで使用されるSub-6GHz帯、ミリ波帯の周波数帯域におけるOTA環境での試験に対応します。
測定要件に応じてフレキシブルにシステムを構成できます。またLTE、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-A Pro、および従来のW-CDMAのRF試験および事業者受入試験に対応したME7873LAから5G対応システムへのアップグレードが可能であり、お客さまのニーズに応じたRF試験システムを構築できます。
ME7873NRについてもっと詳しく
MA8172Aについてもっと詳しく
用語解説
- [※1] RFコンフォーマンステスト
- 携帯端末の送受信特性、パフォーマンスなどが3GPP規格に適合していることを確認するための試験。
- [※2] GCF
- Global Certification Forumの略称。携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験基準を定めている団体。GCFにより承認された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
- [※3] ノンスタンドアローンモード(Non-Standalone mode; NSA)
- 4G回線でC-Plane(Control Plane:制御信号)通信を行い、5G回線でU-Plane(User Plane:ユーザーデータ信号)に特化して通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。
- [※4] スタンドアローンモード(Standalone mode; SA)
- NSAとは異なり、4G回線との相互接続はせず、5G回線のみでU-Plane、C-Planeの両方の通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。
- [※5] 3GPP TS38.521/TS38.533
- 3GPPの技術仕様で、5Gデバイスの無線特性試験に関する規格。TS38.521が送受信、TS38.533がRadio Resource Management(RRM)に関する規格。
- [※6] RRM試験
- RRMはRadio Resource Managementの略。基地局と携帯端末間の無線リソース制御、例えば隣接基地局間のハンドオーバなどが正しく動作しているかを確認するための試験。
- [※7] OTA(CATR)チャンバ
- OTAはOver the Air、CATRはCompact Antenna Test Rangeの略。空間を介して電波の送受信を行い、無線機の性能を測定するため、外来の電波を遮断し、内部では電波の反射を防ぐ構造の暗箱。MA8172Aは3GPPで規定されるCATR方式に対応している。