5Gモバイルフロントホールの主要テクノロジー「IEEE 1914.3」規格のリリースに貢献
2018/12/03
IEEEがRoE(Radio over Ethernet)のカプセル化およびマッピングに関するIEEE規格「IEEE 1914.3-2018」を承認し、Webサイトで公開
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、5G(第5世代通信システム)モバイルフロントホール[※1]構築に必要な規格開発に参画し、「IEEE 1914.3-2018[※2]」の公開に貢献したことをお知らせいたします。
本規格は、5Gの無線信号と有線インタフェースの親和性を高め、モバイルフロントホールを効率化するための規格であり、2018年10月にIEEEにより新規に公開されました。
アンリツは、IEEE 1914ワーキンググループの一員として、2016年4月の発足時から参加しています。
ワーキンググループには、アンリツだけでなく、AT&T、China Mobile、Comcores、CommScope、FiberHome、Intel、Microchip Technology、MTI、SM Opticsなど、世界のモバイルフロントホール無線機器メーカーのメンバーが参加しています(本規格発表時点)。
アンリツは、今後も本規格の活動を続け、5Gの3大要素である「超高速」「高信頼性・低遅延」「多数同時接続」の実現に貢献いたします。
製品への取り組み
アンリツは2018年5月に、ネットワークマスタ プロ MT1000Aにおいて、IEEE 1914.3およびeCPRI™[※3]の測定を可能としました。PTP(IEEE 1588v2™)[※4]を含むMT1000Aの10G、25G、100Gイーサネット機能は、4Gから5Gへの導入時に、ネットワークをサポートする上で最適なツールです。MT1000Aの詳細は、ネットワークマスタ プロ製品ページでご覧いただけます。
当社のサービスインフラストラクチャーソリューション事業部長である杉田 俊一は次のように述べています。
「アンリツは未来のモバイルフロントホールの形成を支援する、IEEE 1914.3規格のワーキンググループメンバの一員であることを誇りに思っています。本規格に積極的に貢献することで、当社は市場をリードするテクノロジーとお客さまの需要に常に対応する製品開発を行うことができます。これは、アンリツのブランドステートメント『envision : ensure』の中核を成すものです。」
* IEEEは、The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の商標です。
用語解説
- [※1] モバイルフロントホール
- モバイルフロントホールは、無線基地局とアンテナ装置間のネットワーク。5Gの場合、LTEに比べより高速大容量のネットワークが必要となる。
- [※2] IEEE 1914.3-2018
- RoEを使用したイーサネットフレーム上での転送のための無線プロトコルのカプセル化とマッピングを定義しており、5Gフロントホールネットワークの重要な要素となっている。IEEE 1914.3™の採用により、ルーティングされたイーサネットネットワークで、デジタル化された無線データ、CPRI™、I/Qデータ、コントロールチャネルフレームを利用できるようになる。イーサネットをIEEE 1914.3フレームでトランスポート層として利用すると、より優れたリンク能力や転送効率など、フロントホールネットワーク性能が改善することに加え、必要なネットワーク遅延保証を維持することができる。
- [※3] eCPRI
- eCPRIはCPRI Corporation(the Industry Initiative for a Common Public Radio Interface)によるCPRIの仕様。CPRIの仕様は基地局ベンダが主導で確定している。
- [※4] PTP(IEEE 1588v2™)
- Precision Time Protocol Version 2(PTPv2)とも呼ばれるIEEEで策定されたパケットペースの時刻同期方法。マスタークロックから提供される高精度の時刻情報をスレーブ側で解析することで、数マイクロ秒の時刻精度のネットワークを構築できる。