GCFがアンリツのME7834NRを、5G NR用テストプラットフォームとして登録
2018/08/30
5Gの早期商用サービス開始をサポート
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、5G NRモバイルデバイステストプラットフォームME7834NRが、GCF[※1]により、5G NR[※2]端末用テストプラットフォームとして登録されたことをお知らせいたします。
ME7834NRは、現在開発を進めている5G NR端末用テストプラットフォームです。プロトコルコンフォーマンス試験[※3]と事業者受入試験[※4]をサポートします。GCFにおいて、5G NRのテストプラットフォームTP251として登録されたことにより、3GPPで規定された5Gのプロトコル試験での端末認証、さらにはPTCRB[※5]の認証にも使用いただける予定です。
また、併せて開発を進めているOTAチャンバ[※6]とRFコンバータを組み合わせることで、Sub-6GHz[※7]およびミリ波を含む3GPPで規定される5G周波数帯域をカバーします。
アンリツは、今後もME7834NRの開発に注力し、最新の5G NR通信の早期商用サービス開始に寄与します。
製品概要
5G NRモバイルデバイステストプラットフォームME7834NRは、5G NRにおけるスタンドアローンモード/ノンスタンドアローンモード(Standalone mode; SA/Non-Standalone mode; NSA)[※8]双方で、3GPP TS 38.523[※9]で規定されるプロトコル試験、主要通信事業者の受入試験に対応予定です。
また、5G用に新しく設計したOTAチャンバRFコンバータを組み合わせることで、5Gで使用されるSub-6GHzおよびミリ波を含む周波数帯域をカバーします。
ME7834NRは、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-A Pro、および従来のW-CDMAのプロトコルコンフォーマンス試験と事業者受入試験に対応したME7834LAを元に開発しています。このテストシステムをお持ちのお客様は実証済みのLTE-A試験環境を活用しながら、スムーズに5G対応システムにアップグレードすることができます。
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用語解説
- [※1] GCF
- Global Certification Forumの略称。携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験基準を定めている団体。GCFにより承認された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
- [※2] 5G NR
- 5G New Radio のこと。LTE-Advanced Proまでの4Gに対し、さらに高速大容量、多接続、低遅延を目指した第5世代移動通信システム (5G) 独自の新しい無線通信方式という意味を表す。
- [※3] プロトコルコンフォーマンス試験(Protocol Conformance Test; PCT)
- 通信ネットワークでの携帯端末と基地局間の通信手順が、3GPP規格に適合していることを確認するための試験。
- [※4] 事業者受入試験(Carrier Acceptance Test; CAT)
- モバイルネットワーク事業者(キャリア)が自社ネットワークで接続する端末を受け入れる際に、3GPP規格に基づき制定されたキャリア独自の要件や仕様を満たしているかを確認するための試験。
- [※5] PTCRB
- PCS Type Certification Review Boardの略称。携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験の基準を定めている団体。北米で運用されている周波数帯を対象としている。PTCRBにより認証された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
- [※6] OTAチャンバ
- OTAはOver The Airの略。空間を介して電波の送受信を行い、無線機の性能を測定するため、外来の電波を遮断し、内部では電波の反射を防ぐ構造の暗箱。
- [※7] Sub-6GHz
- 第5世代移動通信システム(5G NR)で定義される周波数帯域6GHz以下から52.6GHzにおいて、6GHz以下の周波数帯を示す。
- [※8] スタンドアローンモード/ノンスタンドアローンモード
- スタンドアローンモード(Standalone mode; SA)は、データ送受信、基地局との制御情報のやりとりの双方に5Gを使う方式。ノンスタンドアローンモード(Non-Standalone mode; NSA)は、4Gと5Gを合わせて使う方式。主に基地局との制御情報のやりとりは4G、データ送受信に5Gを使う。
- [※9] 3GPP TS 38.523
- 5G端末の通信手順に関する要求事項や、試験などを規定した3GPPの規格。