業界初 マルチベンダのオシロスコープをサポートしたPCI Expressテストソリューションを実現
2018/06/04
Granite River Labs社およびTeledyne LeCroy社と協業した自動試験により作業負担を大幅に軽減
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、シグナルクオリティアナライザ-R MP1900Aシリーズで、Granite River Labs(GRL)社、およびTeledyne LeCroy社と協業し、コンプライアンステスト[※1]ソリューションを開発。2018年6月5日から米国で開催されるPCI-SIG Developers Conference 2018に出展いたします。
本テストソリューションは、MP1900Aとお客さま所有のオシロスコープをGRL社およびTeledyne LeCroy社のオートメーションソフトウェアから制御することにより、PCI Express[※2]に対応したトランスミッタとレシーバの評価ができます。
オシロスコープ業界主要3社の製品とMP1900Aが接続でき、PCI Express規格に対応したデバイスの評価で必要とされる複雑なレシーバテストが自動で行えます。これにより、従来は手動で10時間要していた作業がほぼなくなり、テストエンジニアの作業負担を大幅に軽減できます。

開発の背景
次世代PCI Express規格では、伝送速度がPCI Express Gen4で16GT/s、PCI Express Gen5で32GT/sまで高速化しており、主にデータセンタ向けの伝送装置、サーバ、ストレージなどの内部インターフェースとして普及が始まっています。
これにともない、次世代PCI Express規格の評価用ビットエラー測定器(BERT)とオシロスコープのニーズが高まっていますが、従来は同じ測定器ベンダから調達するしか選択肢がありませんでした。また、試験を行う場合、手動で10時間要することも課題となっていました。
このため、BERT、オシロスコープともに、より高品質なものを選び、再現性の高い評価を効率よく行えるソリューションが求められていました。
そこで、アンリツはこのニーズに応えるため、GRL社およびTeledyne LeCroy社と協業。優れた基本性能(低残留ジッタ[※3]/ノイズ、高入力感度など)を有し、PCI Express Gen5の伝送速度まで対応しているBERTであるMP1900Aと、GRL社およびTeledyne LeCroy社のオートメーションソフトウェアを組み合わせたテストソリューションを開発しました。
本テストソリューションは、主要3社のオシロスコープに対応していることから、同じベンダで揃える制限を取り除けます。また、レシーバテストの自動化も実現しており、PCI Express規格の評価工数を大幅に軽減できます。
テストソリューション概要
本テストソリューションは、MP1900AとオシロスコープをGRL社およびTeledyne LeCroy社のオートメーションソフトウェアから制御することにより、次世代PCI Express規格の複雑なトランスミッタとレシーバの両方のテストを自動化し、簡単かつ再現性に優れた検証を効率よく行えます。
MP1900Aは広帯域なBERTであり、PCI Expressだけでなく400 GbEなどの高速シリアルインターフェースの評価に適した高品質波形、高入力感度性能を有し、再現性の高いテストを行えます。次世代規格(PCI Express/PAM4[※4])に対応可能な拡張性を有し、コストパフォーマンスに優れています。
GRL社およびTeledyne LeCroy社のオートメーションソフトウェアは、主要3社のオシロスコープに対応しているため、お客さま所有のオシロスコープをそのまま使用することができ、アップグレードや買い替えなどの設備投資を抑制できます。
GRL社およびTeledyne LeCroy社のオートメーションソフトウェアの特長
- 自動化によりテストエンジニアの作業負担を軽減
- PCI Express規格に対応したデバイスの複雑なレシーバテストを自動化することにより、従来は手動で10時間要していた作業がほぼなくなり、テストエンジニアの作業負担を軽減できます。また、PDFフォーマットのレポート機能を備えており、測定結果の収集作業を効率よく行えます。
- 優れた操作性
- 測定条件の設定とテスト実行をシンプルに行うことができるインタフェースにより、操作性を向上できます。
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用語解説
- [※1]コンプライアンステスト
- 規格適合性を評価するための試験。
- [※2]PCI Express
- コンピュータと周辺機器を接続するためのバス規格の一つ。
- [※3]残留ジッタ
- ジッタ無変調時において、熱雑音などの影響により測定機器自体が発生するジッタ量。
- [※4]PAM4
- PAM(Pulse Amplitude Modulation)は、電圧の振幅(パルスの高さ)を変化させて制御する伝送方式。PAM4では、1タイムスロットの中に4レベルで2ビットの情報を伝達できる。