欧州eCall認証用PSAP SimulatorとしてMX703330Eが NavCertの認証を取得
2018/03/13
eCall対応車載器の欧州型式認定取得をサポート
アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、eCall Tester MX703330EがEN16454に準拠したeCall[※1]認証試験評価用 PSAP [※2]Simulatorとして、NavCert[※3]の認証を取得したことをお知らせいたします。
本認証の取得により、eCall Tester MX703330EとシグナリングテスタMD8475A/Bを組み合わせたテストシステムで、欧州指令2017/79[※4]の型式認定試験とConformance TestであるEN16454の試験を行えます。
eCallは人命に関わるシステムであることから、欧州政府機関は、eCallを搭載した車両やeCall車載器の型式認定を実施し、通信品質を保証しています。
アンリツはMD8475A/B、MX703330Eにより型式認定取得を支援し、eCallシステムの円滑な導入に貢献いたします。
認証取得の背景
eCallは、事故が発生した際に、PSAPに緊急呼接続を行い、事故情報を音声信号で送信するシステムであり、欧州では2018年3月31日から販売される新車への搭載が義務付けられています。
今後型式認定の取得が増加することが見込まれていますが、その条件として、「CEN EN 16454:2015標準」[※5]に準拠したPSAP Simulatorで試験することを求めています。 アンリツは従来からPSAP SimulatorであるeCall Tester MX703330EとシグナリングテスタMD8475A/Bを組み合わせたテストシステムを提供しています。
今回、欧州政府機関が認定したテストハウスであるNavCertから、MX703330Eが「CEN EN 16454:2015標準」に適合していることを認められました。
これにより、MX703330Eを、型式認定の取得用PSAP Simulatorとして使用できます。
製品概要
eCall Tester MX703330Eは、eCall車載器とPSAP間の通信シーケンスをエミュレートできるソフトウェアです。シグナリングテスタMD8475A/Bは、eCallが運用されるGSM/WCDMAネットワークを擬似的に構築できる基地局シミュレータです。
MX703330E、MD8475A/Bを組み合わせることにより、「CEN EN 16454:2015標準」に準拠した試験が行え、かつeCallの型式認定用システムとして使用できます。
さらに、MX847503A SmartStudio Managerを追加することにより、EN16454と認証試験に必要なMSD[※6]通信試験と音声呼接続の自動化環境が構築できます。各ソフトウェアの設定や試験手順における評価オペレーション上の人的ミスを排除し、eCall評価の効率化に貢献します。
なお、MX703330Eは、ロシアでサービス供与されているERA-GLONASS[※7]システムの評価にも対応しています。
用語解説
- [※1]eCall
- 無線通信ネットワークを用いて、重大な自動車事故の発生時に緊急通報を行うシステム。
事故発生時の緊急対応の迅速化などの効果が期待されている。
- [※2]PSAP
- Public Safety Answering Pointの略称。eCallシステムの緊急連絡センター。
- [※3]NavCert
- 欧州政府機関から認定されたテストハウス。PSAP Simulatorの認定を行っている。
- [※4]欧州指令2017/79
- eCallの型式認定の試験手順を定めた規格。
- [※5]CEN EN 16454:2015標準
- eCallのコンフォーマンステスト(規格適合性試験)規格。
- [※6]MSD
- Minimum Set of Dataの略称。車両情報データの集合。
- [※7]ERA-GLONASS
- eCallと同様にロシア国内で重大な自動車事故の発生時に緊急通報を行うシステム。