業界初 3DL CA試験でGCFの80%認証取得を達成
2016/04/28
LTE-Advanced RFコンフォーマンス試験システム
アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、LTE-Advanced RF コンフォーマンステストシステム ME7873LAが、LTE-Advanced[※1]の主要技術である3ダウンリンク キャリアアグリゲーション(3DL CA)[※2]のRFコンフォーマンス試験[※3]において、業界で初めて80%以上のGCF[※4]認証を取得したことをお知らせいたします。
今回、ME7873LAが取得したGCF認証は、日本、北米、欧州で運用される周波数を対象とした3DL CAに対するものであり、RF試験、RRM試験を合わせて業界最多の認証数を取得しました。特に、3DL CAのRRM試験に対する試験システムとしては、業界唯一の80%以上のテストケース認証を取得した試験システムとなります。
キャリアアグリゲーションは、複数の周波数帯を組み合わせて通信速度を高速化する技術であり、3GPP Release 10[※5]から規格策定されています。現在、2つのダウンリンク信号を組み合わせた2DL CAサービスの導入が世界各国で始まっており、3DL CAについては、北米、韓国、日本をはじめ世界各国で2016年中の導入が計画されています。
LTE-Advanced端末の商用化に際し、GCFおよびPTCRB[※6]が端末認証を行っていますが、GCFは端末認証開始の条件として、LTE-Advanced端末のキャリアアグリゲーション規格適合試験で使用されるテストケースの80%以上でGCF認証を取得することを要求しています。
アンリツは2015年9月、LTE-Advanced RF Conformance Test System ME7873LAにて、業界に先駆けて3DL CAのPTCRB認証を取得しました。
さらに2016年4月に開催されたGCFミーティングにおいて、3DL CAのコンフォーマンス試験対象となるテストケースの80%以上のGCF認証を取得しました。これによりGCFによる端末の認証開始が可能となり、3DL CAの早期実用化、サービス開始に貢献いたします。
アンリツは、今後もLTE-Advancedのコンフォーマンス試験システムの開発に注力し、モバイルブロードバンドサービスのさらなる進化・発展に貢献してまいります。
[製品概要]
LTE-Advanced RF Conformance Test System ME7873LA
ME7873LAは、LTE/LTE-Advanced端末のRF送受信特性やパフォーマンスなどが、3GPP規格に適合していることを確認するためのテストプラットフォームです。
また、ME7873LAは、北米、アジアをはじめ、世界各国の通信事業者の受入試験用テストシステムとしても採用されています。
[用語解説]
[※1] LTE-Advanced
LTE(Long Term Evolution)方式をさらに高速化したものであり、下り4000 Mbps以上/上り1500 Mbps以上の高速通信の実現を目指している移動通信システム。
[※2] 3ダウンリンク キャリアアグリゲーション (3DL CA)
キャリアアグリゲーションは、複数の周波数帯を組み合わせより広い帯域幅(電波の周波数の範囲)を仮想的に作り出すことが可能となる技術。無線通信システムでは、帯域幅が広いほど高速に大容量のデータを伝送できる。
3ダウンリンク キャリアアグリゲーションは、3つの周波数帯を組み合わせるキャリアアグリゲーション。
[※3] RFコンフォーマンス試験
携帯端末の送受信特性、パフォーマンスなどが3GPP規格に適合していることを確認するための試験。
[※4] GCF:Global Certification Forum
携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験基準を定めている団体。GCFにより承認された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
[※5] 3GPP Release 10
3GPPは、高速移動通信方式の標準規格を策定するためのパートナーシップ・プロジェクト。3GPP規格は、リリース順にナンバリングされており、Release 10では、LTE-Advancedに関連する国際標準規格を策定している。
[※6] PTCRB: PCS Type Certification Review Board
携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末認証試験基準を定めている団体。
北米で使用されている周波数帯を対象としている。PTCRBにより認証された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。