アンリツ株式会社(社長 橋本裕一)は、通信ネットワーク用測定器(トランスポートテスタ)であるネットワークマスタプロ MT1000Aの機能を拡張。新たに、MT1000Aのソフトウェアオプションとしてファイバチャネル[※1]試験機能と通信ネットワークの診断機能を開発。10月29日から販売いたします。
MT1000Aは、1.5 Mbps[※2]から10 Gbps[※3]までの通信ネットワークのBER測定[※4]、スループット測定[※5]、遅延測定を可能とするトランスポートテスタです。
通信ネットワークはOTN[※6]、イーサネット[※7]、SDH/SONET[※8]、PDH/DSn[※9]、ファイバチャネルから構成されています。
従来のMT1000Aは、OTNからPDH/DSnまで対応していましたが、今回新たにファイバチャネル試験を可能としました。また、併せて開発したネットワーク診断機能では、ネットワーク上で発生するエラーや帯域占有状況の確認、ネットワーク攻撃の検知などが行えます。
本ソフトウェアオプションを追加することにより、1台のMT1000Aで、最新の光通信規格であるOTNやファイバチャネルと既存のディジタル/IP通信規格であるイーサネット、SDH/SONET、PDH/DSnから構成される通信ネットワークの評価、運用状況の診断が行えます。
[開発の背景]
通信ネットワークは、既存のイーサネットやSDH/SONET、PDH/DSnに、最新の光技術であるOTNやファイバチャネルが統合されています。
このため、通信ネットワークの開通・保守では、上記すべての規格の評価を可能とするトランスポートテスタが必要とされています。
また、通信事業者ではユーザーエクスペリエンス向上に向け、迅速なトラブルシューティングが課題となっています。
アンリツは2014年7月に、OTNやイーサネット、SONET/SDH、PDH/DSの評価に対応したネットワークマスタプロMT1000Aの販売を開始しています。
さらに今回、MT1000Aの機能を拡張し、新たにファイバチャネルの試験機能を追加するとともに、通信ネットワークの運用状況の診断を可能としました。
[製品概要]
ネットワークマスタプロMT1000Aは、1.5 Mbpsから10 Gbpsまでの通信ネットワークのBER測定、スループット測定が行えるトランスポートテスタです。
今回MT1000Aの機能拡張を図り、新たにソフトウェアオプションであるファイバチャネル試験と通信ネットワークの診断機能を追加しました。これにより、1台のMT1000Aで、最新の光通信規格であるOTNやファイバチャネルと既存のディジタル/IP通信規格であるイーサネット、SDH/SONET、PDH/DSnから構成される通信ネットワークの評価、運用状況の診断が行えます。
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[ ソリューションのご紹介 ]
[主な特長]
■1台で通信ネットワークの評価が可能
MT1000Aは、OTN、イーサネット、SDH/SONET、PDH/DSn、ファイバチャネルに対応しています。これにより、1台のMT1000Aで、最新の光通信規格から既存のディジタル通信規格から構成される通信ネットワークのBER測定、スループット測定、遅延測定が行えます。
■通信ネットワークの運用状況診断が可能
MT1000Aは、通信ネットワークの診断機能を搭載しています。これにより、ネットワーク上で発生するエラーや帯域占有状況の確認、ネットワーク攻撃の検知、イーサネット信号/IP信号の診断など可能。通信ネットワークのトラブルシューティングが効率よく行えます。
■クライアント信号でのOTN評価が可能
OTNは、クライアント信号[※10]と呼ばれるイーサネット信号やSDH/SONET信号、ファイバチャネル信号が伝送される通信システムです。MT1000Aは、上記クライアント信号を内部で生成し、OTN回線上で試験が行えます。これにより、実運用とほぼ同様の環境でのOTNの評価が可能となり、通信障害発生時の原因がOTN、イーサネット、もしくはSDH/SONETであるかの検証が容易に行えます。
■優れた携行性・操作性
MT1000Aは、小型かつ軽量でバッテリ駆動を実現しており、測定場所となる通信事業者の局舎に簡単に持ち運べます。また、視認性に優れた9インチの大型カラー液晶、タッチパネル操作、遠隔地からインターネットを経由してのリモート操作、2回線の独立同時試験などを実現しており、通信ネットワークの開通・保守における検証作業が効率よく行えます。
■用途に応じた機能拡張が可能
MT1000Aは、通信システムや通信速度の種別をオプション化し、ソフトウェアで提供しています。これにより、イーサネット構成に別途、OTN構成を追加するなど、機能拡張がソフトウェアの追加のみで行えます。
[対象市場・用途]
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対象市場
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通信ネットワークの開通・保守・トラブルシューティング
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用途
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高速シリアル伝送用デバイスの研究・開発
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[ 用語解説]
[※1] ファイバチャネル
コンピュータと外部記憶装置間でデータ転送するための伝送規格。
[※2] 1.5 Mbps:1.5 Mega bit per second
Mbpsは、データ伝送速度の単位。1.5 Mbpsは、1秒間に150万ビットのデータを伝送できる。
[※3] 10 Gbps:10 Giga bit per second
Gbpsはデータ伝送速度の単位。10 Gbpsは、1秒間に100億ビットのデータを伝送できる。
[※4] BER測定:Bit Error Rate測定
信号に含まれるビットエラーの割合を測定すること。
[※5] スループット測定
単位時間当たりのネットワークのデータ転送能力を測定すること。
[※6] OTN:Optical Transport Network
光伝送技術の国際標準規格。強力なエラー検出・訂正機能と柔軟なフレーム構造を備えており、光ネットワークに広く利用される。
[※7] イーサネット
コンピュータネットワークの規格のひとつ。1秒間に送れる信号の数(ビットレート)により、イーサネット(1秒間に1000 万ビット= 10 M ビット/秒)、ファストイーサネット(1秒間に1億ビット = 100 M ビット/秒)、ギガビットイーサネット(1秒間に10億 ビット = 1 Gビット/秒)、10 ギガビットイーサネット(1秒間に100 億ビット = 10 G ビット/秒)などがある。
[※8] SDH/SONET:Synchronous Digital Hierarchy / Synchronous Optical NETwork
SDHは、国際的に統一されたディジタル伝送規格。SONETは、米国にて規定されたディジタル伝送規格であり、SDH とSONETは、相互接続できる。
[※9] PDH/DSn:Plesiochronous Digital Hierarchy / Digital Signal level n
SDH/SONETが勧告されるより以前に日本、北米、ヨーロッパで採用されていたディジタル伝送規格。
[※10] クライアント信号
OTN上では、イーサネット信号、SDH/SONET信号、ファイバチャネル信号などさまざまな信号が伝送される。これらの信号の総称がクライアント信号である。