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スペクトラムアナライザにオーディオアナライザ機能を搭載

2014/09/30

シグナルアナライザMS2830Aの機能強化

アナログ無線機の送信/受信特性評価を1台で実現

MS2830A-018 オーディオアナライザの販売を開始

スペクトラムアナライザ/シグナルアナライザ MS2830A

 

アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、シグナルアナライザMS2830Aの機能を強化。新たに、アナログ無線機の送信/受信特性評価を可能とする「オーディオアナライザ MS2830A-018」を開発。9月30日から販売を開始します。

MS2830Aはスペクトラムアナライザを基本モデルとする計測器であり、上限周波数(3.6 GHz/6 GHz/13.5 GHz/26.5 GHz/43 GHz)に応じて5機種あります。また、信号発生器、解析ソフトウェアなどのオプションを搭載することで、通信規格・用途に応じて、各種無線通信機器の送信/受信特性評価に必要な機能を実現できます。

今回販売を開始したオーディオアナライザ機能は、3.6 GHz/6 GHz/13.5 GHzモデルのMS2830Aの新しいハードウェアオプションであり、オーディオ信号の解析と出力に対応しています。本機能をアナログ無線機測定構成のMS2830Aに搭載することにより、3.6 GHz/6 GHzモデルのMS2830Aでは、アナログ無線機の送信/受信特性を、MS2830A 1台で評価することができます。また、13.5 GHzモデルのMS2830Aでは、アナログ無線機の送信特性が評価できます。

オーディオ出力機能では、アナログ無線機の各種電波法試験に必要な擬似音声信号を出力でき、占有周波数帯幅測定や、スプリアス発射または不要発射測定が1台のMS2830Aで行えます。

アンリツは、オーディオアナライザMS2830A-018の販売を開始することにより、アナログ無線機の評価の効率化に貢献いたします。

 

[開発の背景]

消防救急無線やタクシー無線などいくつかの分野で無線機のデジタル化が進展している一方、工場やレジャー施設、工事現場など様々な分野でアナログ無線機が業務用の連絡手段として利用されています。

そこでアンリツは、これらアナログ無線機の評価用計測器として利用されているラジオコミュニケーションアナライザMS555A/BとMT2605A/Bの後継機種として、シグナルアナライザMS2830Aで対応を図り、新たにMS2830Aのハードウェアオプションとして、オーディオアナライザMS2830A-018を開発いたしました。

本オプションをアナログ無線機測定構成の3.6 GHz/6 GHzモデルのMS2830Aで利用することにより、アナログ無線機の送信/受信特性を、1台のMS2830Aで評価することができます。さらにオーディオ出力機能では、アナログ無線機の各種電波法試験に必要な擬似音声信号も出力でき、占有周波数帯幅測定や、スプリアス発射または不要発射測定が1台のMS2830Aで行えます。

 

[製品概要]

シグナルアナライザMS2830Aは、各種無線通信機器の開発、製造、保守用計測器であり、上限周波数により5機種(MS2830A-040:3.6 GHz、
MS2830A-041:6 GHz、MS2830A-043:13.5 GHz、MS2830A-044:26.5 GHz、MS2830A-045:43 GHz)あります。

今回開発した「オーディオアナライザMS2830A-018」は、MS2830A-040/041/043用ハードウェアオプションです。

MS2830A-040/041にMS2830A-018と既にオプション販売している内蔵アナログ信号発生器、アナログ測定ソフトウェアを搭載することで、オーディオ信号の入出力が必要なFM/ΦM /AM方式のアナログ無線機の送信/受信特性の評価が1台で可能となります。またMS2830A-043では、
FM/ΦM/AM方式のアナログ無線機の送信特性の評価が可能となります。

<主な測定可能項目(FM方式の無線機の場合)>

・送信試験 

送信パワー、送信周波数、周波数偏移[※1]、マイク入力感度、変調周波数特性[※2]変調ひずみ[※3]変調S/N[※4]トーン周波数[※5]、占有周波数帯幅、スプリアス発射または不要発射(擬似音声出力が可能)

・受信試験

受信感度(SINAD法/NQ法[※6])、通過帯域幅、AFレベル[※7]復調周波数特性[※8]復調ひずみ[※9]復調S/N[※10]スケルチ感度[※11]


[ この製品をもっと詳しく ]

 

[対象市場・用途]

対象市場

無線通信機器メーカー、無線通信機器保守拠点

用途

業務用無線機の開発、製造、保守

 

[ 用語解説]

[※1] 周波数偏移
周波数変調(FM変調)における周波数変化の幅。変調度。

[※2] 変調周波数特性
無線機のマイク入力の周波数特性。

[※3] 変調ひずみ
無線機から送信された無線信号を解析した際に得られる、復調したオーディオ信号のひずみ。

[※4] 変調S/N
無線機から送信された無線信号を解析した際に得られる、復調したオーディオ信号のレベルと雑音の比。

[※5]  トーン周波数
無線機から送信されるトーンスケルチ信号の周波数。(トーンスケルチ信号を送信することで、相手の無線機のスピーカを動作させることができる。)

[※6]  SINAD法/NQ法
無線機の受信感度測定の基準。SINAD法とNQ法があり、無線機のスピーカ端子から出力される雑音やひずみ、オーディオ信号のレベルを元に算出される。

[※7]  AFレベル
無線機のスピーカ端子から出力されるオーディオ信号のレベル。

[※8] 復調周波数特性
無線機のスピーカ端子から出力されるオーディオ信号のレベル。複数の周波数のオーディオ信号で測定する。

[※9] 復調ひずみ
無線機のスピーカ端子から出力されるオーディオ信号のひずみ。

[※10] 復調S/N
無線機のスピーカ端子から出力されるオーディオ信号のレベルと雑音の比。

[※11] スケルチ感度
無線機の受信回路を動作させスピーカから音声が出力されるのに必要な、無線機に入力される電波の強度。

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