SATIMO社がラジオコミュニケーションアナライザMT8820Cを採用
2011/06/20
SATIMO社が、同社のLTE試験システム用計測器として、ラジオコミュニケーションアナライザMT8820Cを採用
アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、SATIMO社(フランス)が、同社のLTE試験システム用計測器として、ラジオコミュニケーションアナライザMT8820Cを採用したことをお知らせいたします。
SATIMO社は、Microwave Visionグループの中核企業であり、無線通信分野における試験サービスを提供しています。
LTEは、現行の第3世代移動通信サービスの5倍から10倍の速度でデータ通信を可能とする高速移動通信技術であり、日本、アメリカでは本格的な商用サービスが開始されています。
また、急激に普及しているスマートフォン、タブレット端末への搭載も加速することが見込まれています。
こうした市場動向を受け、SATIMO社ではLTE関連ビジネスの拡大を図っており、このたびLTE試験システム用計測器として、アンリツのMT8820Cを採用しました。
SATIMO社は、同社のSAM OTAパフォーマンステストソフトウェアとMV-ScanTMマルチプローブソリューションおよびMT8820Cを組み合わせることで、LTE携帯端末試験システムを構築。MIMO OTA試験[※1]をはじめ各種試験サービス実施し、LTE携帯端末がCTIA規格[※2]など国際標準規格に準拠していることを認証します。
SATIMO社 Application Director、Nicolas Gross氏
「SATIMO社は、アンリツとの協業によりお客様に高付加価値のソリューションを提供できます。当社が特許を取得したMV-ScanTMマルチプローブソリューションをアンリツのMT8820Cと組み合わせることにより、MIMO OTA試験など各種LTE 試験を迅速に行なえます」 |
[MT8820C製品概要]
ラジオコミュニケーションアナライザは、LTE、W-CDMA/HSPA、CDMA2000 /CDMA2000 1xEV-DO Revision A、TD-SCDMA、GSM/GPRS/E-GPRS方式に対応した計測器です。擬似基地局機能を搭載しており、携帯端末・チップセット評価で必要とされるRF送受信試験[※3]、呼接続試験[※4]が1台の計測器で行えます。また、最大100Mbps[※5]というIPデータレートの受信スループット試験[※6]を2x2 MIMO[※7]環境下で行えるオプションも用意しており、LTE携帯端末の試験サービスで必要とされる機能を有しています。
[MT8820C 製品情報]
SATIMO社について
SATIMO社は、は無線通信、自動車、防衛、航空宇宙分野の試験システム、アンテナ計測、モデリングの世界的企業であるMicrowave Visionグループに属しています。主に無線通信分野で各種試験サービスを携帯端末・チップセットメーカーなどに提供しています。特にOTA試験で強みを有しており、CTIAが要求しているTIS[※8]測定方法に対応しています。
[ ※用語解説]
[※1] MIMO OTA試験
MIMOは、Multi Input Multi Outputの略称。送受信ともに複数のアンテナを持ち、同一周波数軸上でデータの送受信を行う無線通信技術。OTAは、Over The Airの略称。空間を伝播している電波を指す。MIMO OTA試験は、MIMO環境下で空間を伝播する電波の品質を試験すること。
[※2] CTIA
CTIAは、Cellar Telecommunication and Internet Associationsの略称。無線通信関連の事業者、メーカー、サービス提供業者等で構成される非営利の国際団体。
[※3] RF送受信試験
RFは、Radio Frequencyの略称。携帯電話端末の送信特性や受信特性が、3GPP規格に適合していることを確認するための試験。
[※4] 呼接続試験
携帯端末のRF送受信試験を擬似基地局と通信している状態で行う試験。
[※5] Mbps:Mega bits per second
通信速度の単位。1Mbpsは、1秒間に100万ビットのデータを伝送できる。
[※6] 受信スループット試験
携帯電話端末が基地局からのデータを受信する際のデータ転送速度を測定するための試験。
[※7] 2x2 MIMO:2x2 Multi Input Multi Output
送受信アンテナを各2本づつ使用し、同一周波数軸上でデータを送受信する無線通信技術。
[※8] TIS:Total Isotropic Sensitivity
総等方性感度。携帯端末への着信信号の検出性能を示す。