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LTEモバイルバックホール用計測器導入コストを約1/5に削減

2010/11/12
ネットワークマスタMT9090A機能強化

ネットワークマスタ MT9090A

 

アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、ネットワークマスタMT9090Aシリーズ用ギガビットイーサネットモジュールMU909060Aの機能を強化。新たにLTE[※1]サービスのモバイルバックホール[※2]、家庭、企業内のブロードバンド回線として普及しているギガビットイーサネット[※3]の構築・保守コスト削減を可能とする4種類のオプションソフトウェアを開発。11月12日から販売いたします。

今回開発したソフトウェアは、「多段VLAN MU909060A1/A2/A3-003」、「MPLS MU909060A1/A2/A3-004」、「リモートGUI MU909060A1/A2/A3-005」、「フロー別拡張統計情報MU909060A1/A2/A3-006」です。

上記ソフトウェアをインストールしたMU909060AをMT9090Aに装着することで、ギガビットイーサネットで普及している最大3段のVLAN[※4]MPLS[※5]などの評価が行えます。さらに、帯域占有状況やエラー情報、スループット[※6]などの検知・モニターが可能。通信障害の原因をリアルタイムで発見できます。

従来、ギガビットイーサネットの評価では、信号を取り込むための装置、解析用計測器を用意する必要があり、高額な設備コストが発生していました。今回、MT9090Aのギガビットイーサネット測定機能を強化したことにより、1台の計測器で信号取り込みから解析、モニターが行えます。本MT9090Aは、約74万円という低価格で提供しており、ギガビットイーサネットの評価用計測器の導入コストを約1/5に削減できます。

アンリツは、MT9090Aのギガビットイーサネット測定機能を強化したことにより、家庭や企業内に加え、LTEサービスのモバイルバックホールとして普及が拡大しているギガビットイーサネットの品質向上、円滑な運用に貢献いたします。

[ この製品をもっと詳しく ]

[開発の背景]

ギガビットイーサネットは家庭や企業内のブロードバンド回線として利用されているとともに、LTE基地局とコアネットワークを結ぶモバイルバックホールにおいても普及が加速しています。

通信事業者は、高品質なサービスを提供するために、ギガビットイーサネットの円滑な開通や迅速な障害対応に注力していますが、ネットワーク上を流れるデータ量が増大しており、通信速度の低下やネットワークへの接続不良といった障害が発生するケースが多くなっています。

このため、ギガビットイーサネットの開通試験や保守作業を低コストで効率よく行える計測器へのニーズが高まっていました。

そこでアンリツは、ネットワークマスタMT9090Aシリーズのギガビットイーサネット測定機能を強化し、新たに4種類のソフトウェアを開発。1台のMT9090Aで、ギガビットイーサネットの各種測定、リアルタイムな障害原因の発見などを可能としました。


[製品概要]

今回開発した4種類のソフトウェアは、ネットワークマスタMT9090Aシリーズ用ギガビットイーサネットモジュールMU909060Aのオプションソフトウェアです。

上記ソフトウェアをインストールしたMU909060AをMT9090Aに装着することで、ギガビットイーサネットで普及している最大3段のVLAN測定、MPLS測定などが行えることに加え、帯域占有状況やエラー情報、スループットなどの検知・モニターができ、通信障害の原因をリアルタイムで発見できます。

■ 多段VLAN MU909060A1/A2/A3-003

遠隔オフィス間で利用される最大3段までのVLANネットワークの評価が行えます。


■ MPLS MU909060A1/A2/A3-004

回線の効率活用のために使用されるMPLSラベル付きネットワークの評価が行えます。


■ リモートGUI MU909060A1/A2/A3-005

MT9090Aシリーズをイーサネットでコンピュータに接続し、遠隔操作できます。


■ フロー別拡張統計情報MU909060A1/A2/A3-006

ギガビットイーサネット上で伝送される種々の信号を統計情報として本体画面に表示できます。


[主な特長]

■ コスト削減

従来ギガビットイーサネットの通信障害を発見するためには、別途信号を取り込むための装置、解析用計測器を用意する必要があり、高額な設備コストが発生していました。本強化機能を搭載したMT9090Aは約74万円という低価格でありながら、信号取り込みから解析、モニターが1台の計測器で可能。計測器の導入コストを約1/5に削減できます。

■ 障害原因の発見をリアルタイムで実現

MT9090Aにギガビットイーサネット信号の状態を統計情報として表示できる機能を追加したことにより、通信速度低下や接続不良など、各種通信障害の原因をリアルタイムで発見できます。別途行われていた信号解析が不要となり、作業時間を短縮できます。

■ 優れた携行性

本体となるMT9090Aは、小型・軽量(190 x 96 x 48 mm、約800 g)の計測器です。屋外、屋内を問わず、測定現場に簡単に持ち運べ、障害発生時の緊急対応に最適です。



ネットワークマスタMT9090Aシリーズ
MT9090Aシリーズは、モジュール形式を採用したポケットサイズの測定プラットフォームです。10/100メガビットから1ギガビットイーサネット、FTTH用ドロップケーブル、光ファイバ、CWDM[※7]ネットワークなどに対応した測定モジュールを用意しており、1台の計測器で、さまざまな通信ネットワークの構築・保守現場で要求される評価が行えます。

[対象市場・用途]

対象市場

通信事業者、通信設備メーカー、ネットワーク構築・保守会社

用途

ギガビットイーサネットの構築・保守


[ ※用語解説 ]

[※1] LTE: Long Term Evolution
現行の第3世代移動無線通信サービスの5倍から10倍の速度でデータ通信を可能とする高速移動通信サービス。日本、アメリカでは2012年末のサービス開始が予定されている。

[※2] モバイルバックホール
複数の基地局を収容し、コアネットワークに接続する回線。有線で行われ、近年ではイーサネット化が進展している。

[※3] ギガビットイーサネット
イーサネットは、世界中で利用されているLAN(Local Area Network)規格。ギガビットイーサネットでは、1秒間に10億(1ギガ)ビットのデータを伝送できる。

[※4] VLAN: Virtual LAN
LANを利用するメンバーをグループ化して、グループごとに仮想的なLANを構築する技術。

[※5] MPLS: Multi - Protocol Label Switching
IPパケットに識別用のラベルを付加し、パケット交換速度の改善、経路指定、ユーザごとのパケット識別を可能とする技術。

[※6] スループット
ネットワークや伝送装置がエラーなしで処理できる最大伝送速度。

[※7] CWDM: Coarse Wavelength Division Multiplexing
20 nmの波長間隔で最大18波長の多重化を可能とする通信方式。増幅器が不要であり、高速伝送システムを安価に構築することができる。

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