中国移動が採用したInter-RATコンフォーマンス試験システムの受注開始
2010/06/28
TD-SCDMA Inter-RAT Protocol Conformance Test system ME78070A
アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、TD-SCDMA Inter-RAT Protocol Conformance Test system ME78070Aの受注を7月1日から開始します。
ME78070Aは、
TD-SCDMA[※1]ネットワークと
GSM[※2]ネットワークとの
Inter-RAT Handover[※3]動作における
プロトコルコンフォーマンス試験[※4]を実現できる業界初のシステムです。
ME78070Aは、TD-SCDMA方式携帯電話サービスを提供している中国移動が、受け入れ試験用として採用を決定しています。
携帯端末メーカーは本試験システムを導入することにより、中国移動の受け入れ試験と同一の環境で、TD-SCDMA方式携帯端末のInter-RAT Handover試験が可能。事前に合否が判断できることから、携帯端末の開発・
手戻り[※5]コスト削減、受け入れ検査前の品質向上に貢献いたします。
アンリツはME78070Aの受注を開始することで、中国移動はじめ関連企業の皆さまの要求に応え、TD-SCDMA方式のさらなる発展に貢献いたします。
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[受注開始の背景]
世界最大の携帯電話加入者数を有する中国では、2009年1月から第3世代携帯電話サービスのライセンスが、中国移動(China Mobile)、中国聯通(China Unicom)、中国電信(China Telecom)の3つの通信事業者に交付されました。
中国が推進しているTD-SCDMA方式は、中国最大手の移動体通信事業社である中国移動が提供しています。中国移動はTD-SCDMAネットワークの建設を進めていますが、効率よく中国全土をカバーするために、既設のGSMネットワークでもTD-SCDMA携帯端末を利用できるInter-RAT Handoverを取り入れています。
そこで、アンリツはこれまで蓄積してきたTD-SCDMA測定技術、GSM測定技術を基盤にしたTD-SCDMA Inter-RAT Protocol Conformance Test system ME78070Aを中国移動に提案。受け入れ試験システムとして採用が決定したことから、携帯端末メーカー向けに本ME78070Aの受注を開始することにしました。
携帯端末メーカーは本試験システムを導入することにより、中国移動の受け入れ試験と同一の環境で、TD-SCDMA方式携帯端末のInter-RAT Handover試験を行え、事前に合否を判断できます。
[製品概要]
TD-SCDMA Inter-RAT Protocol Conformance Test system ME78070Aは、TD-SCDMA/GSM Inter-RAT Handoverに対応した試験システムです。
ME78070Aを使用することにより、3GPP[※6]、中国移動が認証した54項目のテストケースにおいて、TD-SCDMA/GSMデュアルモード端末のInter-RAT動作が評価できます。
ME78070Aは、中国移動がTD-SCDMA携帯端末の受け入れ試験用システムとして、採用することを決定しています。したがって、TD-SCDMA端末の開発・製造企業は、ME78070Aを導入することにより、中国移動の受け入れ試験と同一の環境で、TD-SCDMA方式携帯端末のInter-RAT Handover試験が可能。事前に合否が判断できることから、携帯端末の開発・手戻りコスト削減、受け入れ検査前の品質向上に貢献いたします。
[営業情報]
- 対象顧客 : 携帯電話端末メーカー、チップセットメーカー、通信事業者、テストハウス
- 受注開始日: 2010年7月1日
[ ※用語解説 ]
[※1] TD-SCDMA: Time Division Synchronous Code Division Multiple Access
中国が推進している第3世代携帯電話方式。中国移動が2009年から商用サービスを開始している。
[※2] GSM:Global System for Mobile Communications
第2世代携帯電話方式の一つ。デジタル携帯電話では、世界最大の加入者数を有している。
[※3] Inter-RAT Handover
異なる通信方式間でのハンドオーバ(通信切り替え)の総称。ここではTD-SCDMA方式とGSM方式間のハンドオーバを示す。
[※4] プロトコルコンフォーマンス試験
携帯端末と基地局間の通信手順が、3GPP規格に適合していることを確認するための試験。
[※5] 手戻り
開発作業が進んでから、前の工程をやり直すこと。コスト増大の要因になる。
[※6] 3GPP: 3rd Generation Partnership Project
第3世代携帯電話方式の標準規格を策定している国際団体。