アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、マルチレイヤネットワークテストプラットフォーム CMA5000a用UTAモジュールの機能を強化。新たなオプションソフトウェアである「5610-116-UTA フロー別統計情報」(以下Channel Stats:チャネルスタッツ)を、2月15日から販売いたします。
CMA5000aはモジュール形式の測定プラットフォームであり、UTAモジュールを搭載することにより、
10ギガビットイーサネット[※1]の構築・保守で必要とされる測定が行えます。
今回開発したチャネルスタッツは、上記UTAモジュールのオプションソフトウェアです。本オプションを追加したUTAモジュールをCMA5000aに実装することにより、10ギガビットイーサネットで伝送される信号の帯域占有状況やエラー情報、
スループット[※2]などを検知し、統計情報として本体画面に表示できます。これにより、10ギガビットイーサネット上で発生している通信速度の低下や接続不良など、各種通信障害の原因をリアルタイムで発見できます。
従来、上記通信障害の原因を発見するためには、複数のハードウェアを搭載した計測器を用いてすべての信号を取り込み、解析することが必要でした。
今回、CMA5000aで10ギガビットイーサネット信号の検知、統計情報表示を可能としたことから、これまで使用されてきた計測器に比べ、設備導入コストを約1/3に削減できます。さらに、リアルタイムで通信障害の原因を確認できることから、解析作業が不要となります。
また、CMA5000aはポータブルタイプの計測器です。伝送装置が設置されている通信事業者の局舎に容易に持ち運べ、10ギガビットイーサネットの円滑な運用に貢献いたします。
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[開発の背景]
通信ネットワークのブロードバンド化が加速し、10ギガビットイーサネットの普及が拡大しています。
通信事業者は、高品質なサービスの提供に注力していますが、映像配信、TV会議などマルチメディアコンテンツの拡大に伴い、ネットワーク上を流れるデータ量が増大しており、通信速度の低下やネットワークへの接続不良といった障害が発生するケースが多くなっています。
そこでアンリツは、マルチレイヤネットワークテストプラットフォームCMA5000a用UTAモジュールのオプションソフトウェアとして、新たに、「チャネルスタッツ」を開発しました。
本オプションを追加したUTAモジュールをCMA5000aに実装することにより、10ギガビットイーサネットで伝送される信号の帯域占有状況やエラー情報、スループットなどを検知し、統計情報として本体画面に表示できます。これまで使用されてきた計測器に比べ、設備導入コストを約1/3に削減できるとともに、別途必要とされていた解析作業を行うことなく、通信障害の原因を確認できることから、10ギガビットイーサネットの円滑な運用に貢献いたします。
[製品概要]
「5610-116-UTA フロー別統計情報」(Channel Stats: チャネルスタッツ)は、マルチレイヤネットワークテストプラットフォーム CMA5000a用UTAモジュールのオプションソフトウェアです。
本ソフトウェアを追加したUTAモジュールをCMA5000aに実装することにより、10ギガビットイーサネット上で伝送される種々の信号を統計情報として本体画面に表示可能。通信速度の低下や接続不良など、各種通信障害の原因を容易に発見できます。
[主な特長]
■ 設備導入コスト削減
10ギガビットイーサネットの統計情報表示機能を搭載したCMA5000aは、約450万円で提供しています。従来、用いられてきた計測器の約1/3の価格で購入でき、設備導入コスト削減に貢献いたします。
■ 統計情報表示で障害原因を容易に発見
10ギガビットイーサネット上で伝送される信号をVLAN ID[※3]、 TCPポート番号[※4]等ごとに自動的に振り分け、各信号の帯域占有状況やエラー情報、スループットなど35種類の統計情報として表示できます。これにより、ネットワークで発生している通信障害の原因を容易に発見できます。
■ 作業時間短縮
従来の計測器による作業では、取り込んだすべての信号を別途解析する必要がありました。チャネルスタッツを用いた場合、リアルタイムで通信障害の原因を確認できることから、解析に要する時間が不要となります。
■ 優れた機動性
本体となるCMA5000aは、ポータブルタイプの計測器です。これまで使用されてきた据え置き型の計測器では、使用困難な場所にも簡易に持ち運べ、10ギガビットイーサネットの保守を効率よく行えます。
マルチレイヤネットワークテストプラットフォーム CMA5000a:
CMA5000aは、モジュール形式を採用したポータブルタイプの測定プラットフォームです。10ギガビットのイーサネットやSDH/SONET[※5]、OTN[※6]、WDM[※7]ネットワーク、光ファイバなどに対応した測定モジュールを用意しており、1台の計測器で、さまざまな通信ネットワークの構築・保守現場で要求される評価が行えます。 |
[対象市場・用途]
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対象市場
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通信事業者、通信設備メーカー、ネットワーク構築・保守会社
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用途
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10ギガビットイーサネットの構築・保守
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[ ※用語解説 ]
[※1] 10ギガビットイーサネット
イーサネットは、世界中で利用されているLAN(Local Area Network)規格。10ギガビットイーサネットでは、1秒間に100億(10ギガ)ビットのデータを伝送できる。
[※2] スループット
ネットワークや伝送装置がエラーなしで処理できる最大伝送速度。
[※3] VLAN ID
VLANグループ毎に割り振られる識別番号。VLANは、組織の構成などに応じて、ネットワークを分割できる技術。
[※4] TCP ポート番号
ネットワークのトランスポート層であるTCP (Transmission Control Protocol)で用いられる通信の識別番号。
[※5] SDH/SONET: Synchronous Digital Hierarchy / Synchronous Optical NETwork
階層多重方式デジタル伝送システムの国際基準。
[※6] OTN:Optical Transport Network
ITU-T(国際電気通信連合の電気通信標準化部門)にて標準化されている光伝送技術。FEC(Forward Error Correction)と呼ばれる強力なエラー検出・訂正機能を備えており、伝送中のデータにエラーが生じても、受信側でそのエラーを検出し、修正することが可能。
[※7] WDM:Wavelength Division Multiplexing
複数の信号をそれぞれ異なる波長で多重化し一括伝送することで、伝送容量を増やす方式。