アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、マルチレイヤネットワークテストプラットフォーム CMA5000a用UTAモジュールの機能を強化。新たに、高機能な10ギガビットイーサネット[※1]で使用される伝送機器の測定を可能とする「5610-114-UTA 多段VLAN」と「5610-115-UTA マルチストリーム」を開発。12月18日から販売を開始いたします。
CMA5000aは、モジュール形式を採用したポータブルタイプの測定プラットフォームであり、UTAモジュールを搭載することにより、10ギガビットのイーサネットの構築・保守で必要とされる測定が行えます。
今回、本UTAモジュールのイーサネット測定機能を強化。新たに、多段VLAN[※2]とQoS[※3]ごとの帯域制御[※4]機能を有する10ギガビットイーサネットに対応したオプションソフトウェア「5610-114-UTA 多段VLAN」と「5610-115-UTA マルチストリーム」を開発いたしました。
本ソフトウェアを追加したUTAモジュールをCMA5000aに実装することにより、上記高機能 10ギガビットイーサネットシステムの良否判定や障害解析に必要なVLAN設定やテストストリーム[※5]の発生、テストストリームごとの解析などが行えます。
CMA5000aはポータブルタイプの計測器であり、測定現場に簡易に持ち運べることから、10ギガビットイーサネットの構築・保守で必要な測定作業が効率よく行えます。
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[開発の背景]
映像配信、TV会議などマルチメディアコンテンツの拡大に伴い、通信ネットワークのブロードバンド化が加速しています。
こうしたなか、組織構成などに応じてネットワークを分割し、多拠点のVLANを相互につないで運用できる多段VLANと通信品質を確保するためのQoS機能を用いた高機能10ギガビットイーサネットの普及が活発化しています。
アンリツは従来からマルチレイヤネットワークテストプラットフォーム CMA5000aの提供を通して、各種10ギガビットネットワークの構築・保守を支援してまいりました。
今回、上記市場動向を踏まえ、CMA5000aの10ギガビットイーサネット測定機能を強化。新たに、UTAモジュールのオプションソフトウェアとして、多段VLANオプションとマルチテストストリームオプションを開発いたしました。
新開発のオプションを追加したUTAモジュールをCMA5000aに実装することにより、高機能10ギガビットイーサネットの構築・保守で必要な測定作業が効率よく行えます。
[製品概要]
「5610-114-UTA 多段VLAN」と「5610-115-UTA マルチストリーム」は、マルチレイヤネットワークテストプラットフォーム CMA5000aで10ギガビットイーサネットの測定を可能とするUTAモジュールのオプションソフトウェアです。
本ソフトウェアを追加したUTAモジュールをCMA5000aに実装することにより、多段VLANやQoSごとの帯域制御機能を有する高機能10ギガビットイーサネットの測定に対応可能。良否判定や障害解析に必要なVLAN設定やテストストリームの発生、テストストリームごとの解析など、高機能10ギガビットイーサネットの構築・保守に必要な測定作業が行えます。
[主な特長]
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5610-114-UTA 多段VLAN
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UTAモジュールのオプションハードウェアです。本オプションを追加したUTAモジュールをCMA5000aに実装することにより、VLANを最大3段まで設定でき、テストストリームの解析が行えます。
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5610-115-UTA マルチストリーム
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UTAモジュールのオプションハードウェアです。本オプションを追加したUTAモジュールをCMA5000aに実装することにより、送信元・送信先アドレスやVLANのTPID[※6]、プライオリティ情報など8種類のテストストリームを発生させ、ストリームごとの帯域や遅延時間、ジッタ[※7]を個別に測定できます。
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マルチレイヤネットワークテストプラットフォーム CMA5000a:
CMA5000aは、モジュール形式を採用したポータブルタイプの測定プラットフォームです。10ギガビットのイーサネットやSDH/SONET[※8]、OTN[※9]に対応したUTAモジュール、WDM[※10]ネットワーク用OSA[※11]モジュール、光ファイバ用PMD[※12]モジュール、CD[※13]モジュール、OTDR[※14]モジュール、端面顕微鏡モジュールなどの測定モジュールを用意しており、1台の計測器で、さまざまな通信ネットワークの構築・保守現場で要求される評価が行えます。 |
[対象市場・用途]
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対象市場
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通信事業者、通信設備メーカー、ネットワーク構築・保守会社
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用途
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10ギガビットイーサネットの構築・保守
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[ ※用語解説 ]
[※1] 10ギガビットイーサネット
イーサネットは、世界中で利用されているLAN(Local Area Network)規格。10ギガビットイーサネットでは、1秒間に100億(10ギガ)ビットのデータを伝送できる。
[※2] 多段VLAN: 多段Virtual Local Area Network
VLANは、組織の構成などに応じて、ネットワークを分割できる技術。多拠点の顧客のVLAN情報を相互につなげられるようにしたものが、多段VLANである。
[※3] QoS: Quality of Service
インターネットに代表されるコンピュータネットワーク上の通信において、運ばれるデータの内容に応じて、扱いに差をつけること。例えば、IP電話では通話が、動画配信では映像が優先して伝送される。
[※4] 帯域制御
QoSの一つ。インターネット回線で使用する帯域の限定や最低伝送レートの値を設定すること。
[※5] テストストリーム
伝送機器を評価する際に用いられる一般的なテスト用のフレームのこと。
[※6] TPID: Tag Protocol Identifier (タグプロトコル識別子)
VLANタグ・ヘッダーの最初の2オクテット(8ビット単位の情報)を指す。
[※7] ジッタ
電気信号を伝送する場合、経路特性や外部環境などの影響を受け、信号の伝達時間が変化する。こうした遅延時間の揺らぎをジッタと呼ぶ。
[※8] SDH/SONET: Synchronous Digital Hierarchy / Synchronous Optical NETwork
階層多重方式デジタル伝送システムの国際基準。
[※9] OTN: Optical Transport Network
ITU-T(国際電気通信連合の電気通信標準化部門)にて標準化されている光伝送技術。FEC(Forward Error Correction)と呼ばれる強力なエラー検出・訂正機能を備えており、伝送中のデータにエラーが生じても、受信側でそのエラーを検出し、修正することが可能。
[※10] WDM: Wavelength Division Multiplexing
複数の信号をそれぞれ異なる波長で多重化し一括伝送することで、伝送容量を増やす方式。
[※11] OSA: Optical Spectrum Analyzer (光スペクトラムアナライザ)
光伝送装置の発光スペクトラムの測定、光増幅器や光受動部品の波長特性の測定に用いられる測定器。
[※12] PMD: Polarization Mode Dispersion (偏波モード分散)
光ファイバ中の光の伝播速度が偏波状態により異なる現象。光ファイバが真円でないことや曲げなどの応力によって起こる。光伝送品質劣化の要因となる。
[※13] CD: Chromatic Dispersion (波長分散)
光ファイバ中の光の伝搬速度が波長によって異なる現象。屈折率の波長特性および光ファイバの構造によって起きる。光伝送品質劣化の要因となる。
[※14] OTDR: Optical Time Domain Reflectometer (光パルス試験器)
光ファイバに光パルスを入射しファイバ内で生じる散乱光、反射光を解析することで光ファイバの破断点、損失などを測定する測定器。