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1台の計測器で、公共・業務用無線から衛星・航空宇宙通信まで対応

2009/10/07
MS269xAシリーズの汎用性をさらに拡充
ベクトル変調解析ソフトウェア MX269017A

スペクトラムアナライザ/シグナルアナライザ MS2692A

 

アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、各種デジタル無線機器の送信特性を評価できるベクトル変調解析ソフトウェアMX269017Aを開発。10月7日から販売いたします。

MX269017Aは、汎用計測器として提供しているシグナルアナライザMS269xAシリーズ用ソフトウェアです。

MX269017Aは、社団法人 電波産業会が2008年9月に策定した「ARIB STD-T98 デジタル簡易無線局の無線設備標準規格[※1]」や衛星通信などで採用されているデジタル変調[※2]方式に対応。 MS269xAシリーズに搭載することにより、タクシーや消防、警察などの公共・業務用無線や衛星通信、航空宇宙通信などで使用される各種デジタル無線機器・電子部品の送信特性が評価できます。

また、MS269xAシリーズは、受信特性評価で必要とされる波形生成ソフトウェアとベクトル信号発生器を搭載できます。これらのソフトウェアとハードウェア、そして今回開発したMX269017Aを併せて使用することにより、1台のMS269xAで、送信特性・受信特性評価が可能。各種デジタル無線機器・電子部品の開発・生産効率向上に貢献いたします。


[ この製品をもっと詳しく ]

[開発の背景]

工事現場、イベント運営などで使用される簡易無線や、タクシー、消防・警察無線、衛星通信、航空宇宙通信などでは、秘匿性や周波数利用効率の向上を目的として、アナログからデジタルへ移行しています。

特に、通信・放送における電波の研究開発や標準規格を策定している社団法人 電波産業会(ARIB)が、2008年9月に、デジタル簡易無線局の無線設備における標準規格を策定したことから、一般企業や公的機関において本規格に準拠した無線設備の導入が活発化しています。

このため、この分野で使用される計測器の需要が高まっていました。

そこで、アンリツは、携帯電話システムやカーエレクトロニクスなど幅広い無線通信分野で利用されているMS269xAシリーズの機能を強化。新たに、公共・業務用無線や衛星通信、航空宇宙通信で使用される各種デジタル無線機器・電子部品の送信特性・受信特性評価を可能としました。


[製品概要]

ベクトル変調解析ソフトウェアMX269017Aは、社団法人 電波産業会が2008年9月に策定した「ARIB STD-T98 デジタル簡易無線局の無線設備標準規格」や衛星通信などで採用されているデジタル変調方式に対応したソフトウェアです。

MX269017AをシグナルアナライザMS269xAシリーズに搭載することにより、タクシーや消防、警察などの公共・業務用無線や衛星通信、航空宇宙通信などで使用される各種デジタル無線機器・電子部品の送信特性が評価できます。

また、波形生成ソフトウェアとベクトル信号発生器を併せて使用することにより、1台のMS269xAで送信特性に加え、受信特性も評価できます。


[主な特長]

各種公共・業務用無線標準規格に準拠

 

ベクトル変調解析ソフトウェアMX269017Aは、「ARIB STD-T98 デジタル簡易無線局の無線設備標準規格」をはじめ、「RCR STD-39 狭帯域デジタル通信方式(TDMA)標準規格[※3]」、「ARIB STD-T61 狭帯域デジタル通信方式(SCPC/TDMA)標準規格[※4]」、「ARIB STD-T79 都道府県・市町村デジタル移動通信システム標準規格[※5]」に準拠しており、多様な公共・業務用デジタル無線機器・電子部品を評価できます。


1台で送信特性・受信特性の評価が可能

 

標準モデルのMS269xAシリーズは、送信特性評価を可能としますが、受信特性評価で必要とされるベクトル信号発生器と波形生成ソフトウェアをオプションで搭載できます。これらのオプションと今回開発したMX269017Aを併せて使用することで、送信特性に加え、受信特性評価も可能。各種デジタル無線機器・電子部品の評価が効率よく行えます。


シグナルアナライザ MS269xAシリーズ:


50 Hz~6 GHzの周波数範囲において、優れた総合レベル確度と変調精度、広帯域解析を実現したシグナルアナライザ。広帯域FFT[※6]解析が行えるベクトル・シグナル・アナリシス機能、信号波形をデジタルデータとして取り込めるデジタイズ機能も標準搭載しており、複雑化する次世代ワイヤレス通信システムの研究・開発や、高性能が要求されるデバイス、基地局の性能試験が効率よく行えます。周波数範囲により、3つのモデル(MS2690A:50 Hz~6 GHz、MS2691A:50 Hz~13.5 GHz、MS2692A:50 Hz~26.5 GHz)を用意しており、用途に応じた選択が可能。また、6 GHzまでの周波数をカバーし、RF変調帯域幅120 MHzまでの信号を出力できるベクトル信号発生器MS2690A/MS2691A/MS2692A-020(オプション)を搭載することにより、1台で送受信試験が行えます。


[対象市場・用途]

対象市場

無線機器・デバイスコンポーネントメーカー、大学・研究機関

用途

公共・業務用無線、衛星通信、航空宇宙通信などで使用される無線機器・電子部品の研究開発・製造


[ ※用語解説 ]

[※1] ARIB STD-T98 デジタル簡易無線局の無線設備標準規格
社団法人電波産業会で2008年9月に制定された400MHz帯のデジタル簡易無線局の無線設備に関する規格。官公庁・公共機関や一般企業などで使われる業務用無線として、幅広く採用されることが見込まれている。

[※2] デジタル変調
データ情報を電波に乗せるためのデジタル的な処理。

[※3] RCR STD-39 狭帯域デジタル通信方式(TDMA)標準規格
社団法人電波産業会で1994年に制定された400 MHz帯の狭帯域デジタルの無線設備に関する規格。主に鉄道無線などに使用されている。

[※4] ARIB STD-T61 狭帯域デジタル通信方式(SCPC/TDMA)標準規格
社団法人電波産業会で1999年に制定された150 MHz/400 MHz帯の狭帯域デジタルの無線設備に関する規格。主にタクシー無線などに使用されている。

[※5] ARIB STD-T79 都道府県・市町村デジタル移動通信システム標準規格
社団法人電波産業会で2001年に制定された260MHz帯の狭帯域デジタルの無線設備に関する規格。主に消防無線などに使用されている。

[※6] FFT: Fast Fourier Transform
高速フーリエ変換。フーリエ変換とは信号中に含まれている周波数成分を抽出する処理。

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