最大20回線の10GbE伝送装置の評価を低コストで実現
2009/02/23
データクオリティアナライザ MD1230B機能強化
10ギガビットイーサネットモジュール MU120138A
アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、データクオリティアナライザ MD1230B用10ギガビットイーサネットモジュールの多ポート化、低価格化を図り、新たに10ギガビットイーサネットモジュール MU120138Aを開発。平成21年2月23日から販売を開始いたします。
MU120138Aは、10ギガビットイーサネット[※1](10 GbE)に対応した測定ポート(データの入出力口)を備えています。MU120138Aを実装したMD1230Bに10 GbE伝送装置を接続することにより、QoS[※2]検証、パフォーマンス測定などが行えます。
これまで提供していた10 GbEモジュールの測定ポートを増やし、2ポートから4ポート化するとともに、モジュール自体を省スペース化したことから、従来は2セットしか実装できなかったモジュールを5セットまで使用可能。これにより、最大20回線を収容できる10 GbE伝送装置の評価が、1台のMD1230Bで行えます。さらに、ポート単価を約1/2に抑えたことにより、低コストで測定環境を構築できます。また省電力設計により、消費電力も約1/3に削減(20ポート測定時)しました。
アンリツは、MU120138Aの販売を開始することにより、10 GbEで使用される伝送装置の開発・製造コスト削減と省電力化に貢献いたします。
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[開発の背景]
大容量データサービスの拡大に伴い、これまで基幹網で使用されてきた10 GbEがアクセス網でも構築されるようになっています。また、FTTHにおいても、10GE-PON[※3]の研究・開発が進められているなど、加入者へ高速大容量通信網を提供するための取り組みが加速しています。通常これらのシステムで使用される伝送装置は、複数の回線を収容していることから、開発・製造用計測器では多ポート対応が必要とされています。
そこでアンリツは、新たに10ギガビットイーサネットモジュール MU120138Aを開発。これまで提供していた10 GbEモジュールの多ポート化と低価格化を実現いたしまた。MU120138Aを使用することにより、1台のMD1230Bで最大20回線を収容できる10 GbE伝送装置の測定が低コストで行えます。
[製品概要]
10ギガビットイーサネットモジュール MU120138Aは、データクオリティアナライザ MD1230B用のモジュールです。本モジュールをMD1230Bに実装することで、多ポート化が進んでいる10GbE伝送装置のQoS検証やパフォーマンス測定、各種ネットワークサービスのモニタ・解析が1台のMD1230Bで行えます。
データクオリティアナライザ MD1230B:
10 Mbit/s~10 Gbit/sまでのビットレートに対応したIP/Ethernet用測定器。1台で、IP/Ethernet伝送装置の負荷試験とIPネットワークのモニタリングが可能。プラグインユニット構成であり、用途に応じた試験環境を構築できます。
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[主な特長]
■ 最大20ポートでの10 GbE測定を実現
MU120138Aは入出力インターフェースとして、1モジュールあたり4つの測定ポートを装備しています。5セットのモジュールをMD1230Bに実装でき、最大20ポートでの測定が行えます。
■ 優れたコストパフォーマンス
MU120138Aは、4ポート化とコストダウンにより、従来モジュールに比べ約1/2のポート単価を実現しました。これまでのポート単価は350万円でしたが、MU120138Aは150万円のポート単価で導入可能。多ポート試験システムを低コストで構築できます。
■ 省電力設計
MU120138Aは、20ポート測定時の消費電力を従来にくらべ約1/3に削減ました。開発・製造現場での省電力化により、グリーンITに貢献いたします。
■ レイヤ1[※4]測定を実現
MU120138Aは、市販のIP/イーサネット計測器では困難なレイヤ1の障害も検出可能。
伝送装置間の相互接続性検証に最適です。
■ サービスごとのQoS測定が可能
MU120138Aは最大255のサービスが混在したネットワークにおいて、それぞれのサービスごとにQoS測定が行えます。IP電話や有料映像配信サービスなどを優先制御する通信システムの伝送品質試験に最適です。
[対象市場・用途]
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対象市場
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伝送装置メーカー、通信事業者
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用途
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10 GbE対応伝送装置、10GE-PON用伝送装置の開発・製造
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[ ※用語解説 ]
[※1] 10ギガビットイーサネット
通信速度10 GbpsのEthernet規格のこと。10 Gbpsとは、1秒間に100億ビットのデータを伝送できる速度を意味する。現在実用で使われているイーサネットインタフェースの中で最も高速なインタフェース。
[※2] QoS: Quality of Service
ネットワーク上で、ある特定の通信のための帯域を予約し、一定の通信速度を保証する技術。サービス品質とも呼ばれる。
[※3] 10GE-PON: 10 Gigabit Ethernet - Passive Optical Network
PONは、光スプリッタ(光カプラ)と呼ばれる光受動素子で1本の光ケーブルを分岐させて、複数のユーザで共有するネットワーク。10GE-PONは、最大10Gbpsの伝送速度を実現するもの。
[※4] レイヤ1
OSI参照モデルの第1層に位置し、ネットワークの物理的な接続・伝送方式を定めたもの。
なお、OSI参照モデルは、異機種間のデータ通信を実現するために通信機能を7階層(レイヤ)に分割し、階層ごとの機能を標準化したもの。