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LDモジュールの内部構造を見てみよう

LDモジュールの内部構造を見てみよう

電子と光の半導体製品の多くは外部環境から保護するために、金属や樹脂製のパッケージに組み込まれます。パッケージは複数のピンやリードを持ち、内部で半導体チップや他の素子とワイヤ接続されています。半導体レーザ(LD)や半導体光増幅器(SOA)などの光半導体では、パッケージから光を入出力するために窓も必要となります。光モジュールは光半導体チップがパッケージ化され、通電により光を取り出せるような形態を指します。

照明用LEDの光はパッケージに取り付けられた透明な窓から空間へ放出されます。しかし、ほとんどの通信用光モジュールでは半導体チップから出た光がパッケージに取り付けられた光ファイバを通して外へ取り出されます。このような光ファイバ付きのモジュールはピグテール型と呼ばれます。

バタフライモジュールの外観
図1 バタフライモジュールの外観

モジュールの構造

代表的なピグテール型光モジュールであるバタフライモジュールについて説明します。バタフライモジュールは四角い金属パッケージの両側面にリードが並び、もう一つの側面に光ファイバが固定された形状をしています。図1に示すように両側に配置された各7本リードの形状からバタフライ型と呼ばれています。最も一般的なファブリ-ペロー(Fabry-Perot)LDを搭載したバタフライモジュールを例に、内部構造を見てみましょう。

バタフライモジュールの内部構造
図2 バタフライモジュールの内部構造

まず主要な構成部品について説明します。

(1) LDチップ

LDチップ端面には高出力化のために前方端面に低反射膜が、後方端面には高反射膜が形成されています。LDチップはAlN(窒化アルミニウム)等のキャリアブロックにはんだ付けされたチップオンキャリア(CoC)の状態で取り扱われます。すべてのLDチップはモジュール搭載前に特性チェックと通電試験が実施されます。

(2) レンズ

レーザ光はLDの1カ所から拡散しながら出力されるため、光ファイバのコア部分に効率よく集光させるためには高性能なレンズが必要となります。

(3) アイソレータ

LDから出た光が光ファイバを通して出力する時に、逆に外部からの迷光や反射光が光ファイバを通ってLDへ入射される可能性があります。これらの光はLDの動作不安定を引き起こす場合があります。光アイソレータは順方向にのみ光を通し、逆方向の光は遮断するような特性があり、光モジュールでは一般的に使用されています。

(4) 受光器(PD)

LDの後方端面出力をPDの電流を観測することで、LDの光出力変動をチェックすることができます。PD電流をモニタしてファイバ出力が一定になるようにLDの駆動電流を制御するAPC(Automatic Power Control)駆動をすることもできます。

(5) TEC(Thermo Electric Cooler)

2種類の異なる金属に直列に電流を流すと、流れる電流の向きによって熱を一方向に伝える性質があります。LDチップの発熱をパッケージの外へ放出したり、周囲温度が極端に低い時はLDチップを温めたりすることができます。

TEC(Thermo Electric Cooler)

(6) サーミスタ

サーミスタは温度によって抵抗値が変化する電子部品で、LDの温度を検出するために設置されます。

これらの部材ははんだで固定され、各部品の端子とリード間を金ワイヤで配線、乾燥窒素を充填後、カバーを溶接して気密封止されます。LD光はレンズ、光アイソレータ、およびパッケージに設置されたサファイアガラスの窓を通過し、光ファイバ中を通って外部へ出力されます。このとき光出力が最大になるよう、光ファイバを精密に位置調整してパッケージに溶接固定されます。

モジュール設計のポイント

ピグテール型光モジュールの設計は、主に2つの視点が考慮されています。一つはチップ出力をできるだけたくさん外へ取り出すためのファイバ結合効率です。結合のカギとなるレンズ系は各社で独自の方法が用いられています。当社では図2で示す通りシンプルな1枚レンズ構成を採用しています。LD光を平行光に変えるレンズと再びファイバに集光する2枚系構成を用いることも可能です。また、レンズの代わりにファイバの先端をレンズ状に加工して直接ファイバ結合することもできます。各方式には一長一短があり、各社でそれぞれの方式が採用されています。

もう一つの視点は放熱設計です。LDは温度が高くなると出力が下がり、同時に中心波長が長波長へ移動する性質があります。環境条件に影響されず安定して動作させるためには、LD温度を一定に保たなければなりません。LD近くに設置されたサーミスタの抵抗に応じてTEC電流を制御することで、安定した光出力が得られます。光出力が大きい製品では、消費電力も大きくなります。LDの素子特性はもちろん、TECの選定や各部品の配置などの放熱設計は消費電力に大きく影響します。当社はシングルモードファイバ出力650mWにおよぶ世界最高クラスの高出力レーザの製品化に成功しています。


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