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SLD (Super-Luminescent Diode) Light Sources

光センシング デバイス

SLD光源(スーパールミネッセントダイオード)
概要
[技術セミナー動画] 光センシングに最適なSLD~なぜ今注目されるのか!~

[技術セミナー動画] 光センシングに最適なSLD~なぜ今注目されるのか!~   NEW
SLDの特長や発光原理などの基礎からアプリケーションの応用例まで詳しくご紹介します。

SLD光源(スーパールミネッセントダイオード)とは

概要

SLD光源(スーパールミネッセントダイオード/ Super Luminescent Diode: SLED)は、レーザダイオード並みの出力パワーと、LED (Light Emitting Diode)並みの広いスペクトル幅、低コヒーレンス性を兼ね備えた光源です。レーザダイオードと同等の狭い活性層で発光するため、光ファイバとの結合に優れており、LDとLEDの中間的な特性を持っています。

下記に、SLDとLDおよびLEDの特徴比較や、SLDのスペクトル例を示します。

項目 Laser Diode SLD Light Emitting Diode
発光状態 発光状態:Laser Diode
端面の反射率
R1 < R2
発光状態:SLD
両端面
無反射コーティング
発光状態:LED
放出光 誘導放出光 増幅された自然放出光 自然放出光
スペクトル幅 スペクトル幅:Laser Diode
数nm以下
スペクトル幅:SLD
10~50nm
スペクトル幅:LED
~100nm
コヒーレンス長 数10cm~数m 40~50µm ~20µm
光出力 数100mW ~10mW 数mW
ファイバ結合性 ×

SLDのスペクトル例
SLDのスペクトル例
(スペクトル幅: 14nm、ガウシアン型)
SLDのスペクトル例
SLDのスペクトル例
(スペクトル幅: 50nm、フラットトップ型)

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光デバイス講座;SLDとは? LDやLEDとの違いは?>

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用途

OCT(Optical Coherence Tomography/ 光コヒーレンストモグラフィ:光干渉断層計)

OCTとは、光干渉断層像 (Optical Coherence Tomography)の略であり、光の干渉現象を利用して物体の表面の粗さや生体の断層イメージを精密に計測し、非破壊、非接触で確認できる技術です。X線と比較すると、X線の分解能が0.1~1mmであるのに対し、OCTは数マイクロメートルの分解能を実現できる上、被爆の心配がないため、医療用途に多く利用されています。

干渉計の基本的な構造は下図のとおりです。

OCTの基本構造
OCTの基本構造

OCTの光源には、SLD光源が最適です。SLD光源はASE光源のように自然放出光を出射するため、スペクトラム幅が広く、低コヒーレンス性(低可干渉性)を実現します。また、スペクトラム幅が広いことにより、高い測定分解能、特に正確なイメージングを可能にします。

産業用OCT

  • 素材製品の不良・不具合検査:鉄板、フィルムなどの厚み・表面粗さ計測。加工時のバリ、キズの確認
  • 半導体の不良・不具合検査:レジスト薄膜の均一性、エッチング加工の導波路高さ、クリームはんだや接着剤の高さの確認

医療用OCT

  • 眼科OCT:眼底の断面構造、網膜検査、眼軸長測定
  • 血管内OCT:IVUS(血管内超音波法:Intravascular Ultrasound)よりも高解像度な断層撮影

原子間力顕微鏡(AFM: Atomic Force Microscope)

原子間力顕微鏡は、走査型プローブ顕微鏡 (Scanning Probe Microscope: SPM) の一種であり、物質の表面をなぞるように指針を動かし、指針と物質の間に働く原子間力を検出して物質表面を画像化する顕微鏡です。走査型プローブ顕微鏡は光学顕微鏡に比べて空間分解能が非常に高く、表面の凸凹を原子レベルで確認できます。加えて、走査型プローブ顕微鏡の一種である原子間力顕微鏡は、絶縁性の物質でも測定できるという特徴を持ちます。

指針が取り付けられたカンチレバーの裏側へSLDから光を照射し、反射したレーザ光を位置センサで確認することで、指針の動きを正確に捉え、nmオーダーの高い精度で物質の表面を観測できます。

原子間力顕微鏡のセンサ部
原子間力顕微鏡のセンサ部

光ファイバジャイロ(光ファイバジャイロスコープ/ FOG: Fiber Optic Gyroscope)

ジャイロとは、装置がどれくらい回転したかという角速度を検知する技術で、動いている装置の位置が正確にわかります。回転機械式ジャイロ、振動式ジャイロ、光学式ジャイロ などさまざまな方式がありますが、光学式ジャイロはサニャック効果を利用しており、原理的には地球の自転の100分の1ほど遅い回転速度も検知が可能で、可動部がなく長寿命であることから航空機などに使用されています。

光学式ジャイロには、リングレーザジャイロや光ファイバジャイロがありますが、ここでは光ファイバジャイロの原理を説明します。

光ファイバジャイロは、サニャック効果を利用し、ループ状の光路に時計回りと反時計回りに分岐して入射した光の、互いの伝番時間の差から角速度を検知します。装置が回転していない場合、時計回り、反時計回りに光路を通過した光は同時に元の位置に戻ってきます。装置が回転している場合、光は同時に元の位置に戻らず到着時間に差が生じます。この伝播時間の差から角速度を求めることで、装置の向きがわかります。

光ファイバジャイロ用の光源としては、SLD光源が最適です。SLD光源はASE光源のような自然放出光のため、低コヒーレンス(低可干渉性)を実現しております。低コヒーレンス性は双方向の光の干渉によるノイズを抑えるため、より正確に回転速度を検知できます。

光ファイバジャイロの原理
光ファイバジャイロの原理

エンコーダ

エンコーダは、情報を符号化(エンコード)する装置です。回転する物体の位置変化をセンサで確認し、位置情報として符号化するロータリーエンコーダや、直線上の位置変化を符号化するリニアエンコーダを指すのが一般的です。

光学式の場合、微細加工されたホログラム格子に光を反射させて得られる干渉信号をさらに電気的に細分割することにより超高分解能と高速応答を実現しています。

SLD光源は波長帯域が広く、低コヒーレンスな光を出力するため計測時の干渉ノイズを抑圧できます。このため高分解能なエンコーダには最適です。また、シングルモードファイバ出力のSLDを利用することで、光源と高温となる測定部を分離することができます。

光学式リニアエンコーダ(反射式)
光学式リニアエンコーダ(反射式)

その他

  • 変位計測(精密計測, 変位量測定):光干渉光量変化・PSD(光位置検出センサ)などを用いて変位量や高さを計測
  • レーザスケール
  • 電流センサ

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ラインナップ
カテゴリ 形名 パッケージ形状 光出力 [mW] 中心波長 [nm] スペクトル幅 [nm]
0.8 µm SLD AS8K215GY30Mpdf CAN 5 830 15
AS8E210GP30Mpdf 円筒 1 830 15
AS8B115GT30Mpdf バタフライ 5 830 14
AS8B115LT40MApdf バタフライ 5 840 50
1.31 µm SLD AS3E113HJ10Mpdf 円筒 3 1,310 53
AS3B119GM10Mpdf バタフライ 15 1,310 55
1.55 µm SLD AS5B125EM50Mpdf バタフライ 25 1,550 60
AS5B310KM50M  NEW
pdf
バタフライ 3 typ.
(電流規定:IF=200 mAにて)
1,550 60 typ.
(電流規定:IF=200 mAにて)
AS5B320EM50M  NEW
pdf
バタフライ 25 typ.
(電流規定:IF=500 mAにて)
1,550 55 typ.
(電流規定:IF=500 mAにて)
1.65 µm SLD AS6B118GM50Mpdf バタフライ 10 1,650 70

ドライブ回路付きSLDユニット
カテゴリ 形名 パッケージ 光出力 [mW] 中心波長 [nm] スペクトル幅 [nm]
0.88 µm SLD AM8P8006SL45Gpdf ドライブ回路内蔵 7 max. 880 50
ライブラリ
ホワイトペーパー:低コヒーレンスと高出力でセンシング市場に最適なスーパールミネッセントダイオード

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ビデオ
センシング&デバイス事業

センシング&デバイス事業
センシング&デバイス事業の紹介ビデオです。

ドライブ回路付きSLDユニット_AM8P8006SL45G

ドライブ回路付きSLDユニット_AM8P8006SL45G
眼科OCT装置向けドライブ回路付小型SLDユニット​

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