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人権の尊重

世界人権宣言から75年あまりが経過しました。しかし、現在も世界の多くの人々の人権が脅かされています。

アンリツグループは、ESGの社会分野において「人権の尊重」と「多様性の推進」をマテリアリティとしています。グローバルな企業活動に関わる全てのステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づくアンリツグループ人権方針を定めています。国内の法令や慣習のみならず、国際的な基準や考え方に基づいた人権尊重に責任を持って取り組んでいきます。

 

方針

アンリツグループは、サステナビリティ方針やアンリツグループ行動規範などで人権尊重の姿勢を示していますが、近年重要性が高まっている人権に配慮した活動をさらに推進するため、2022年12月にアンリツグループ人権方針を制定しました。本方針は、アンリツグループの事業活動に関わる全ての人の人権を尊重することを明示したアンリツグループの人権尊重の取り組みの最上位となるもので、外部専門機関からの助言を取り入れ、取締役会の決議を経て制定されました。国際規範への準拠や人権デューデリジェンスの実施、法令遵守、苦情処理体制の整備など、本方針で掲げる取り組みを誠実に遂行し、アンリツグループの事業に関わる全てのステークホルダーの人権を尊重します。

本方針では、国際労働機関(ILO)の中核的労働基準をはじめとする国際規範を支持・尊重しています。アンリツグループでは、その一つである「雇用と職業における差別の排除」の考え方に基づき、人種、国籍、宗教、信条、性別、性的指向、性自認、性表現、年齢、身分、心身障がい等に関わるいかなる差別も禁止しています。

 

体制

アンリツグループの人権尊重は、取締役会の監督の下、グループCEOが責任を持ち、各担当役員が関連分野について推進する体制となっています。

人権に関する諸課題への具体的な取り組み状況・課題は、コンプライアンス担当役員が委員長を務める企業倫理推進委員会が集約し、アンリツグループ内の倫理法令遵守の状況を年に1回、取締役会へ報告しています。

人権推進体制図

取り組み・活動実績

人権リスクのマネジメント

アンリツグループは、ステークホルダーへの人権リスクを事業継続や企業価値に影響を及ぼす重要な経営課題と認識しています。そこで、人権リスクを個別のリスクではなく、リスクマネジメントで定める事業活動に関わる7つの主要リスクすべてに内在する横断的リスクとして位置づけています。当該リスクは、取締役会の監督の下、各リスク管理責任者がリスクアセスメントおよび内部統制の整備・運用を通じて管理しています。また、人権デューデリジェンスを実施し、人権への負の影響の特定・防止・軽減・是正に取り組んでいます。

これらの管理状況は経営戦略会議に報告され、同会議での審議を経て必要に応じて取締役会へ報告されることで、全社的なリスクマネジメントの枠組みの中で統合的に管理しています。

 

リスクマネジメントの詳細はこちら

人権デューデリジェンスの推進

アンリツグループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」が企業に対して求める人権尊重の責任を果たすために、2022年12月にアンリツグループ人権方針を制定しました。これに続き、私たちの事業活動が与える人権に対する負の影響を特定・評価し、さらに防止・軽減、対処方法を説明するために、人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、継続的に運用することに取り組んでいます。また、広範なステークホルダーに対する苦情処理システムを準備し、人権デューデリジェンスで特定されなかった個人の人権被害の救済に対処する体制を整えています。

以下の図は、当社における人権デューデリジェンス、ステークホルダー・エンゲージメントおよび苦情処理メカニズムの全体像を示したものです。

人権デューデリジェンス

■人権への負の影響の特定、分析、評価

当社は2023年1月から5月にかけて、NPO法人経済人コー円卓会議(CRT)日本委員会のご協力の下、人権デューデリジェンスの最初のステップとして人権リスクアセスメントを実施し、優先的に取り組む人権課題を特定するための判断材料として、備えるべき人権リスクを抽出しました。

人権リスクアセスメントは、CRT日本委員会のグローバル人権リスクデータベースに基づくカントリーリスク情報と当社の売上高、調達額、従業員数などの事業情報を基にしたデスクトップ調査と、当社とCRT日本委員会のメンバーが参加して実施したワークショップにより進められました。

 

人権リスクアセスメントの対象範囲

  • 国・地域:アンリツグループの事業拠点がある以下 24 の国・地域
    日本、ブラジル、カナダ、メキシコ、アメリカ、オーストリア、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ルーマニア、スロバキア、スウェーデン、イギリス、オーストラリア、中国、インド、韓国、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム
  • 事業:アンリツグループの全事業
    通信計測事業、PQA事業、環境計測事業、センシング&デバイス事業

 

人権リスクの評価軸

  • ライツホルダー(人権への負の影響を受ける可能性のある当事者)
    • 労働者・従業員(アンリツグループ、サプライヤー、ビジネスパートナー)
    • 製品・サービスの消費者、利用者
    • コミュニティの住民、一般市民
  • 人権指標:国際規範に挙げられた人権のうち、ビジネスとの関連が深い以下21の人権指標
    適正賃金(生活賃金、同一労働同一賃金)、労働時間、差別的慣行、労働安全衛生、結社の自由と団体交渉権、強制労働、児童労働、若年労働者の権利、移民労働者の権利、現代奴隷、人身取引、土地及び居住の権利、保安慣行、先住民・少数民族の権利、マイノリティの権利、性的マイノリティの権利、女性の権利、プライバシーの権利、表現の自由、救済へのアクセス、人権侵害への加担
  • バリューチェーン
    事業プロセスの各段階および影響が生じる範囲で評価
    • 事業プロセス: 開発-調達-製造-物流-販売-使用-廃棄
    • 影響が生じる範囲
      • サプライヤーをはじめとしたビジネスパートナー、アンリツグループ
      • 製品・サービスを利用するユーザー

 

備えるべき人権リスクの抽出

事業拠点が所在する国・地域の人権リスクと、事業に付随する人権リスクから、備えるべき人権リスクを抽出しました。

 デスクトップ調査+ワークショップ → 備えるべき人権リスク抽出
(デスクトップ調査=カントリーリスク評価+事業リスク評価)

 

■デスクトップ調査

  • カントリーリスク評価
    アンリツグループの事業拠点がある24の国・地域を対象に、国別・人権指標別の人権リスクレベルをグローバル人権リスクデータベースから4段階で評価しました。 対象となる24の国・地域のうち、人権リスクが高い国 (リスクレベル3以上) は次の7ヵ国となりました。
    ブラジル、メキシコ、中国、インド、フィリピン、タイ、ベトナム
  • 事業リスク評価
    • カントリーリスクが高い7ヵ国のうち、売上高、調達額、従業員数の観点から事業規模が大きい操業国※である中国、インド、タイ、フィリピンの4ヵ国を、備えるべき人権リスクが高い国として特定しました。
    • 上記4ヵ国に関して、従業員関連、調達関連の内訳データにより、労働者・従業員に関する人権リスク、サプライチェーンに関する人権リスクを評価しました。加えて製品による加担に関する人権リスクも評価しました。
    • 日本国内アンリツグループの外国人労働者に関する人権リスクを評価しました。
    • 事業リスク評価に際しては、CRT日本委員会主催のステークホルダーエンゲージメントプログラム「業界毎に重要な人権課題」 を考慮しています。

            ※売上高、調達額、従業員数のいずれかが合計値の1%を超える操業国

 

  • ワークショップ
    人権課題に係る社内関連部署のメンバーによるワークショップを実施し、事業に関連する具体的な人権リスク要素を抽出し、マネジメントの状況について整理しました。
  • 備えるべき人権リスク
    デスクトップ調査とワークショップを通じた、カントリーリスク評価および事業リスク評価に基づき、ライツホルダー、人権指標、バリューチェーンの3つの軸で評価した結果、次の5つの備えるべき人権リスクが抽出されました。
    • 部品・機器調達先サプライチェーン上の人権侵害
    • 製品の使用・廃棄段階における目的外利用
    • 外国人労働者の人権侵害
    • 職場における多様性の受容不足
    • 労働環境や働き方の変化への対応不足

 

優先的に取り組む人権課題とその進捗

人権リスクアセスメントから抽出した備えるべき人権リスクに対し、人権への影響度と会社との関連性の視点から、リスク管理部門と関連リスクオーナーが評価を行いました。その結果、次の3つを優先的に取り組む人権課題として特定しました。各課題の概要、影響を受けるライツホルダー、関連する人権指標、該当するバリューチェーンと防止・軽減に向けた対応は次の通りです。

 

■課題1:部品・機器調達先の労働環境調査の推進

  • 人権課題の概要
    事業リスク評価から、人権リスクが高く調達額が大きい中国とタイの生産拠点に関して、サプライヤーの人権尊重の状況を追加調査しました。今回の調査では顕在的な人権リスクは確認されませんでしたが、これら拠点のサプライチェーン上の鉱物の採掘・精錬現場や製造現場での児童労働や強制労働といった人権リスクに備えるべきと評価されたため、優先的に取り組む人権課題としました。
  • 影響を受けるライツホルダー
    サプライヤーの労働者
  • 関連する人権指標
    強制労働、児童労働、現代奴隷、人身取引、人権侵害への加担(さまざまな人権指標に関連する可能性あり)
  • 該当するバリューチェーン
    主に、紛争鉱物や人権リスクが高い国に関連するサプライチェーン(調達)
  • 防止・軽減に向けた対応
    これまでも主要生産拠点では、近年取引のある全サプライヤーに対して、人権尊重をはじめとしたCSR調達の取り組みを展開してきました。この取り組みを、今回課題に掲げられた生産拠点についても展開し、調達プロセスに人権に関する管理・確認を行う手続きを組み入れ、リスクが顕在化しないよう努めます。また、万一人権侵害への加担が発生した時には、迅速に対応できるよう、サプライヤーを含めた幅広いステークホルダーに対応し得る苦情処理体制を備えていきます。
  • 進捗と今後の対応
    中国・タイの主要生産拠点に関連するサプライヤーを対象に人権尊重の状況を追加調査するとともに、サプライチェーン全体での人権尊重の重要性と取り組みを要請しました。調査の結果、重大な人権侵害は確認されませんでしたが、鉱物採掘・精錬工程等における潜在的な人権リスクについては引き続き留意が必要であると認識しています。今後も調達プロセスにおける人権確認・管理を継続するとともに、苦情処理メカニズムを含む対応体制の実効性向上に取り組みます。

課題1関連ページ:サプライチェーンマネジメント

 

■課題2:職場における多様性の受容

  • 人権課題の概要
    多様性受容に向かう世界的な潮流により、差別やハラスメントに対する法規制や社会的批判が厳しさを増す中、外国籍従業員に対するコミュニケーションギャップや、LGBTQの方々への対応、信条や信教の価値観の違いを尊重し受け容れる体制の整備といった観点から、人権リスクに備えるべきと評価されたため、優先的に取り組む人権課題としました。
  • 影響を受けるライツホルダー
    アンリツグループ従業員
  • 関連する人権指標
    差別的慣行、移民労働者の権利、マイノリティの権利、性的マイノリティの権利、女性の権利、救済へのアクセス
  • 該当するバリューチェーン
    アンリツグループのオペレーション全般(開発-調達-製造-物流-販売)
  • 防止・軽減に向けた対応
    これまでも階層別の人権研修やアンガーマネジメント、アンコンシャスバイアスについての研修、LGBTQをテーマとした講演会の実施、LGBTQに対応できる相談窓口、多目的トイレの設置など多様性を受容する取り組みを進めてきました。今後は、これまでの取り組みに加えて、方針・管理体制のグローバル展開、国際的な視点を含めた非差別、多様性受容をテーマとする研修や講演会の実施、利用しやすい苦情処理メカニズムの整備を進めていきます。
  • 進捗と今後の対応
    階層別人権研修やアンコンシャスバイアス研修、LGBTQに関する講演会・上映会の実施、相談窓口の設置、多目的トイレの整備などを進めてきました。継続的な教育・啓発により理解促進の基盤は整いつつありますが、価値観の多様化や社会的要請の変化を踏まえ、さらなる意識向上が引き続き課題です。今後も非差別や多様性受容に関する教育・啓発を継続するとともに、相談しやすい苦情処理メカニズムの整備・改善を進めます。

課題2関連ページ:多様性の推進

 

■課題3:労働環境や働き方の変化への対応

  • 人権課題の概要
    近年日本企業では、リモートワークの普及や両立支援制度の拡充などにより柔軟な働き方が求められる反面、従来の硬直的な勤務制度が、サービス残業の助長や業務負荷の偏りにつながる事例が報告されています。長時間労働は、健康被害や精神疾患などの直接の原因になることに加え、十分な報酬を伴わない労働という形で適正賃金や同一価値労働同一賃金の問題にも関係することから、労働環境や働き方の変化への対応について人権リスクに備える必要があると評価されたため、優先的に取り組む人権課題としました。
  • 影響を受けるライツホルダー
    アンリツグループ従業員
  • 関連する人権指標
    労働時間、労働安全衛生、適正賃金、差別的慣行
  • 該当するバリューチェーン
    アンリツグループのオペレーション全般(開発-調達-製造-物流-販売)
  • 防止・軽減に向けた対応
    これまでも経営トップから働き方改革に関するメッセージの発信、時間外労働のモニタリング、長時間残業者への特別健康診断の実施など、長時間残業やサービス残業の抑制に努めてきました。今後は、これまでの取り組みに加えて、従業員の『自己成長し、事業や社会に貢献したい』という意欲を支援するため、従業員の裁量権を増やすことでさらなる働きがいの向上を目指し、従業員とのエンゲージメントをより高めながら、労働環境や働き方の変化に対応していきます。
  • 進捗と今後の対応
    経営トップによる働き方改革に関するメッセージ発信に加え、フレックスタイム制の中抜けや年次休暇の時間単位取得の導入、時間外労働のモニタリングなどを実施してきました。長時間労働の抑制や健康確保に向けた取り組みは継続されており、働き方の選択肢も拡充しています。一方で、業務負荷の偏在や制度を利用しやすい職場風土づくりは引き続き課題です。今後も業務配分やマネジメントの改善を進めるとともに、従業員が安心して制度を活用できる環境づくりに取り組みます。

課題3関連ページ:働きやすい環境づくり

人権尊重の指針の周知

アンリツグループは人権方針をウェブサイトで公表するとともに、従業員向けには、社内報やケーススタディを通じて人権尊重の理解向上を図りました。 サプライヤー向けには、情報交換会の場で人権方針と人権尊重の取り組みを説明し、理解と賛同を要請しました。

人権方針制定から3年が経過したことを受け、2025年12月から2026年1月にかけて、国内グループ従業員を対象に、人権方針を改めて確認する機会を設けました。

毎年4月に実施している企業倫理推進強化週間において、人権の尊重を含む全従業員がとるべき行動の指針を定めた「アンリツグループ行動規範」のeラーニングを実施し、遵守を誓約する確認書の提出を求めています。2025年度の提出率は、国内グループ100%、海外グループ100%でした。

 

アンリツグループ行動規範 確認書の提出率

範囲 単位 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度
国内グループ % 100.0 100.0 100.0 100.0 99.8
海外グループ % 100.0 100.0 100.0 99.4 100.0

啓発活動の実施

 

■階層別研修

国内グループの新入社員、新任管理職への研修を毎年実施し、人権尊重の重要性を考える機会としています。

 

階層別研修の結果

項目 範囲 対象 集計区分 単位 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度
人権・ダイバーシティ 国内グループ 新入社員 受講者数 人 53 41 55 52 52
受講率 % 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
労務管理・人権・ダイバーシティ推進 新任管理職 受講者数 人 30 24 18 20 26
受講率 % 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

 

■従業員の意識啓発

国内グループでは、2025年度の活動として「ハラスメントの撲滅」をテーマに、次の取り組みを行いました。

 

〈ケーススタディ「就活ハラスメント、採用担当以外は関係ない?」の提供〉

就職活動におけるハラスメントに対する理解を深めることを目的として、ケーススタディを発行しました。実際に起こり得る場面をもとにした事例を通じて、採用担当者に限らず、社員一人ひとりが関わる可能性のある課題であることを認識し、企業として求められる適切な対応について考える機会を提供しました。

 

〈インシビリティ防止研修の実施〉

インシビリティ(無意識の無礼・不適切な言動)への理解を深めることを目的とした研修を全従業員向けに実施しました。職場で起こり得る具体的な事例を用いたケーススタディを通じて、ハラスメントに至らない言動であっても、相手や職場環境に与える影響について考える機会を提供しました。 また、適切なコミュニケーションやマネジメント行動のあり方について理解を深め、心理的安全性の高い職場づくりに向けた意識向上を図りました。

 

■性の多様性への理解促進月間

アンリツグループが優先的に取り組む人権課題のひとつ「職場における多様性の受容」に関する取り組みとして、国内グループでは2025年10月から11月にかけて「性の多様性への理解推進月間」を設定し、次の項目を実施しました。

  • 性の多様性への理解を高めるeラーニング「動画で学ぶ性の多様性の理解」
  • 映画「息子と呼ぶ日まで」上映会&トークショー
  • 10月の二つの記念日「国際カミングアウトデー(National Coming Out Day)」「スピリットデー(Spirit Day)」に関する情報発信

苦情処理体制の整備

アンリツグループは、アンリツグループ人権方針で掲げている苦情処理体制を構築するために、あらゆるステークホルダーが人権に関する相談、苦情の申し立てを行うことができる「人権に関するお問い合わせフォーム」をウェブサイトに掲載しています。苦情・通報は匿名でも可能で、秘密保持と関係者の利益の保護を徹底します。これらの苦情・通報は、人権デューデリジェンスの一環として適切に把握・検討され、必要に応じて是正・再発防止措置や救済につながる対応が行われています。

人権リスクへの早期対応を図る体制を整備することで、人権侵害の発生防止および負の影響の軽減に努めています。2025年度は3件の問い合わせがありましたが、人権に関連してアンリツグループが対応すべきと判断されるものはありませんでした。

 

人権に関するお問い合わせフォームはこちら

児童労働および強制労働の禁止

アンリツグループは、国際労働機関(ILO)の中核的労働基準を支持・尊重し、すべての人の尊厳を尊重する観点から、児童労働および強制労働を認めません。これらの原則は、アンリツグループ人権方針およびアンリツグループ企業行動憲章において明記しています。

児童労働については、各国・地域の法令および国際的な基準に基づく最低就業年齢を遵守しています。強制労働については、人身取引、債務労働、奴隷的拘束、威迫または強制による労働など、本人の自由意思に基づかないあらゆる形態の労働を禁止しています。

この原則は、アンリツグループの事業活動全体に適用されるとともに、サプライチェーンにおける重要な人権課題の一つとして認識しています。人権デューデリジェンスを通じて、児童労働および強制労働に関するリスクの特定・評価・防止・軽減に取り組み、取引先に対しても同様の取り組みを求めています。

また、これらの問題が確認された場合には、関係者の人権の回復を最優先に、是正および再発防止に向けた適切な対応を行います。

サプライチェーン上の人権課題への対応

アンリツグループは資材調達基本方針、アンリツグループCSR調達ガイドラインを通じて、現代奴隷法や責任ある鉱物調達への対応を含めた人権尊重の取り組みをサプライヤーに要請しています。各社の状況については、CSR調達調査で「強制的な労働の禁止」「児童労働の禁止」「若年労働者への配慮」「労働時間への配慮」「適切な賃金と手当」「非人道的な扱いの禁止」「差別の禁止」「結社の自由、団体交渉権」を確認しています。2025年度は(株)高砂製作所およびPQA事業の海外生産拠点を含めた調査展開に注力しました。現地調査は、日本・中国・タイの計12社を対象に実施し、いずれも人権・労働、安全衛生について重大なリスクはありませんでした。これらの調査結果は、「英国現代奴隷法」「豪州現代奴隷法」およびカナダの「サプライチェーンにおける強制労働および児童労働に関する法律」に対応した統一ステートメントで開示しています。

 

サプライチェーンマネジメントの取り組みはこちら

結社の自由と団体交渉権

アンリツグループは人権方針に「結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認」を支持・尊重することを明記しています。

アンリツ(株)、アンリツカスタマーサポート(株)、アンリツインフィビス(株)、アンリツデバイス(株)、(株)高砂製作所、(株)鶴岡高砂製作所では、従業員による労働組合が結成されており、労働条件に関する正式な労働協約が締結されています。労働組合の組合員は正規従業員(管理職を除く)で構成されており、健全な労使関係の構築を目的として、会社と労働組合それぞれの代表による定期的な対話が行われています。

これらの労使協議では、賃金や労働時間といった労働条件に加え、人材育成やキャリア形成に関する制度運用、教育機会の提供、公正な評価のあり方などについても意見交換が行われています。また、差別やハラスメントの防止に関しては、職場環境の課題や制度・運用面での改善点を共有し、必要に応じて個別の労使協議等を通じて対応策を検討・実施しています。これらの過程で提起された課題については、継続的に対処されています。

一方、労働組合が結成されていないグループ会社においても、会社代表と労働者代表による定期的な協議の場を設け、労働条件や働き方、キャリア形成、ハラスメント防止を含む職場環境の改善に関する意見交換を行うことで、友好で建設的な労使関係の維持・向上に努めています。

 

国内グループ 6社の労働組合組織率 ※1

所属会社 単位 組合組織率※2
アンリツ(株) % 79.5
アンリツカスタマーサポート(株) 87.3
アンリツインフィビス(株) 91.9
アンリツデバイス(株) 97.6
(株)高砂製作所 70.6
(株)鶴岡高砂製作所 80.6

※1 2026 年 3 月末時点
※2 労働組合組織率=組合員数÷正規従業員数 (正規従業員は管理職を含む)

適正な賃金の管理

アンリツグループは、各国の労働関連法令および労使間の協定に基づき、適切な賃金、諸手当、賞与、退職金などを就業規則等に定めています。

最低賃金、法令給付、時間外労働などに関するすべての賃金関連法令を国ごとに定めて遵守し、決められた支払い期間と時期に、給与明細を通じて従業員に通知したうえで直接給付しています。国内グループの初任給は男女で同一の金額を設定しており、各地域の最低賃金を十分に上回る水準としています。

また、国内グループにおける賃金改定については、労働組合が結成されている会社では、毎年の春季交渉において、労働組合からの要求を起点に、会社からの提案、複数回にわたる労使交渉・協議を重ね、合意形成を図っています。一方、労働組合が結成されていない会社においても、労働者代表との協議や意見交換の場を設け、賃金水準や改定内容について説明・対話を行ったうえで決定しています。

賃金水準の検討にあたっては、マルチステークホルダー方針および関連法令の趣旨を踏まえ、従業員の能力や成果、会社の業績に加え、物価動向や生活賃金を考慮し、労働組合との対話を通じて適切に設定しています。また、同一労働同一賃金の原則に基づき、不合理な待遇差の解消に努めています。

現代奴隷・強制労働・児童労働への対応

英国/豪州「現代奴隷法」、カナダ「サプライチェーンにおける強制労働および児童労働に関する法律」(アンリツ株式会社、Anritsu EMEA GmbH、Anritsu EMEA Limited、Anritsu Pty Ltd)

※弊社では、2026年より英国、オーストラリアおよびカナダの各法令を満たす統一ステートメントの形式を採用しています。

  • Anritsu Group Statement on Modern Slavery, Forced Labour and Child Labour
  • アンリツグループ 現代奴隷・強制労働・児童労働に係るステートメント (仮訳)

 

英国/豪州現代奴隷法(アンリツ株式会社、Anritsu EMEA GmbH、Anritsu EMEA Limited、Anritsu Pty Ltd)

※弊社では、2020年から2025年まで英国とオーストラリア両国の法令を満たす統一ステートメントの形式を採用しています。

 

英国現代奴隷法(アンリツ株式会社、Anritsu EMEA Limited)

 

カリフォルニア州サプライチェーン透明法(Anritsu Company)

以下のお住まいの国をご確認の上、最寄りのイベント、連絡先情報、特別キャンペーンをご覧ください。
Japan