サプライチェーンマネジメント
方針
アンリツグループは、2005年に制定した資材調達基本方針、アンリツグループCSR調達ガイドライン、アンリツグループグローバルグリーン調達ガイドラインおよびアンリツグループ人権方針に基づき、人権、労働・安全衛生、環境、公正取引、倫理に配慮したサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
調達活動において、サプライヤーをサステナビリティ方針で掲げている社会課題の解決にともに取り組むパートナーと位置付け、相互信頼に基づく関係を通じて、持続可能な社会の実現と相互の成長を目指します。
| 資材調達基本方針 |
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サプライヤーへのお願い事項
アンリツグループでは、「資材調達基本方針」を具体的に推進するため、全サプライヤーに対して次の「お願い事項」を直接伝え、サプライチェーン全体での活動へのご協力をお願いしています。
| お願い事項 |
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体制
アンリツグループは、SCM総括役員がグローバルな資材調達の責任を負い、資材調達業務の集中と分散の最適化による調達体制を構築しています。
主な調達拠点である日本、米国、中国では現地調達を基本とする一方、部品採用においては評価基準をグローバルで統一し、各拠点が認定した部品の相互活用を可能にしています。
目標
中期経営計画「GLP2026」
資材調達におけるGLP2026では下記目標を設定しています。
| 目標 | 2025年度実績 |
|---|---|
| サプライチェーン・デューデリジェンスの強化:年10社以上 | 12社実施 |
| CSR調達に係るサプライヤーへの情報発信:3回/年、教育2回/年以上 | 情報発信:3 回/年 教育:1回/年 |
| グリーン調達のさらなる推進のため、環境パートナー企業認定数の増加を図るとともに、環境に関わる教育を通じて、アンリツ起点の環境に配慮したサプライチェーンを構築する | GLP2026の目標5社に対して6社実施 |
取り組み・活動実績
リスクマネジメント
アンリツグループは、サプライチェーンにおける事業継続および環境・社会リスクを重要な経営リスクと位置付け、SCM総括役員が管理責任を負っています。サプライチェーンリスクについては、地政学的リスク、自然災害等による供給途絶リスクに加え、サプライヤーに起因する環境負荷や人権問題などを対象としています。特定したリスクについては対応策を策定し、定期的に進捗を評価し、防止・低減を図っています。取締役会は、サプライチェーンに関する重要リスクの対応状況について報告を受け、必要に応じて対策の見直しを指示しています。
アンリツグループCSR調達ガイドライン
アンリツグループは、サプライチェーンのCSR調達推進を目的に「アンリツグループCSR調達ガイドライン」を策定しています。本ガイドラインは、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「責任ある企業行動ガイドライン」に準拠しています。
サプライヤーに対しては、上期・下期に実施する方針説明会において、調達を取り巻く環境の変化や資材調達基本方針に基づくCSR調達、環境対応、コンプライアンスへの取り組みなどについて説明し、2025年度は191社が参加しました。また、新たなサプライヤーとの契約時には、CSR調達の推進に対する同意書の提出を要請しており、2025年度の新規取引先からの同意書取得率は100%でした。
グリーン調達活動
アンリツグループは、1999年度に「グリーン調達ガイドライン」を定め、環境に配慮した部品や材料を優先的に調達してきました。2016年度から「アンリツグループグローバルグリーン調達ガイドライン」に改め、海外の生産拠点も準拠しています。欧州のRoHS指令やREACH規則に代表される化学物質規制は、各国・地域で強化され、対象物質や要求事項も継続的に見直されています。アンリツグループは、こうした法律の要求に対応するため、ガイドラインを随時見直し、サプライヤーへの要求事項として展開しています。アンリツグループは、サプライヤーからの購入品(部品・材料)について、chemSHERPA※を用いた含有化学物質調査を実施するとともに、環境パートナー企業認定制度を設け信頼性の向上に努めています。
また、本ガイドラインでは、気候変動への対応を含む環境課題への取り組みもサプライヤーへ要請しています。温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2、Scope3)の把握および削減、省エネルギーの推進に加え、パリ協定と整合した1.5℃目標の設定を推奨しています。主要サプライヤーに対しては温室効果ガス排出量の調査および情報提供を依頼し、サプライチェーン全体での排出量削減に取り組んでいます。
※chemSHERPA:経済産業省が主導して開発された製品含有化学物質情報伝達スキーム
サプライチェーン・デューデリジェンス
■ CSR調達調査
アンリツ(株)は、新規サプライヤーに対して、与信管理、品質管理・環境管理調査を行っています。既存のサプライヤーに対しては、アンリツグループCSR調達ガイドラインへの取り組み状況のアンケート調査と、その回答に基づいて選定したサプライヤーの現地調査を行っています。2023年度からは人権リスクアセスメントで備えるべき人権リスクがあるとされた中国、タイの生産拠点の調達先を対象に加えました。
CSR調達調査では、「法令遵守・国際規範の尊重」「人権・労働」「安全衛生」「環境」「公正取引・倫理」「品質・安全性」「情報セキュリティ」「事業継続計画」の取り組みを評価します。人権侵害や法令違反など重大なリスクが発覚した場合、是正計画の策定と実施を要求しています。是正措置の実施状況をモニタリングし、1年以内の是正完了を原則としています。
2025年度は、過去1年間に一定の取引金額のあったサプライヤー317社を対象にアンケートを実施し、312社から回答を得ました(回答率98.4%)。回答内容をスコア化し、進捗をモニタリングするとともに、現地調査対象選定の材料としています。
CSR 調達調査の結果
| 項目 | 単位 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 実施社数 | 社 | 317 | 339 | 399 | 422 | 418 |
| 回答社数 | 312 | 335 | 356 | 363 | 372 | |
| 未回答社数 | 5 | 4 | 43 | 59 | 46 | |
| 回答率 | % | 98.4 | 98.8 | 89.2 | 86.0 | 88.9 |
■ サプライヤーの現地調査
アンリツ(株)は、2025年度に日本・中国・タイのサプライヤー12社に対して現地調査を行いました。これにより、GLP2026の2025年度目標を達成しました。いずれのサプライヤーも重大なリスクは確認されませんでした。これまで実施した調査では、コンプライアンスに違反しているサプライヤーはありませんでした。
2026年度は、国内11社、海外4社の現地調査を予定しています。
現地調査実施社数
| 対象地域 | 単位 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 国内 | 社 | 9 | 6 | 4 | 3 | 3 |
| 海外 | 3 | 4 | 4 | 3 | 3 | |
| 計 | 12 | 10 | 8 | 6 | 6 |
■ 現代奴隷法への対応
アンリツグループは、「英国現代奴隷法」「豪州現代奴隷法」およびカナダの「サプライチェーンにおける強制労働および児童労働に関する法律」が求める開示要件を踏まえ、サプライチェーンにおける強制労働・児童労働などのリスクに関する方針、体制および取り組みを統一ステートメントとして開示しています。
Anritsu Group Statement on Modern Slavery, Forced Labour and Child Labour
アンリツグループ 現代奴隷・強制労働・児童労働に係るステートメント (仮訳)
■ 責任ある鉱物調達
アンリツグループは、責任ある鉱物調達を推進するため、2022年度にOECDデューデリジェンス・ガイダンスに則り、「資材調達基本方針」「アンリツグループCSR調達ガイドライン」に責任ある鉱物調達の項目を追加しました。
2024年度から、国際的な業界団体であるResponsible Minerals Initiativeが提供する調査報告テンプレート(CMRT:紛争鉱物用、EMRT:コバルトなどの鉱物用)を使用し、主要製品に関わるサプライヤーを対象に責任ある鉱物調達調査を開始しました。
2025年度は96社を対象に実施し、調査の結果、約69%のサプライヤーから回答を得ることができました。調査結果を踏まえ、サプライチェーン上のリスクの有無を確認し、紛争地域および高リスク地域を起源とする鉱物の使用が認められた取引業者3社に対しリスクの低いサプライチェーンへの切り替えを要請するなど、是正処置を行いました。
購買担当者の研修
資材調達本部では、アンリツグループの調達担当者へCSR調達方針の周知徹底を図ることをCSR調達活動の基本としています。半期毎の方針説明会および年2回の取引先さま情報交換会の場で、資材調達部門長から啓発を行っています。
関係法令で特に重要となる中小受託取引適正化法(旧下請法)については、対象基準の変更(資本金に加え、従業員数)、価格交渉の厳格化(取引業者から価格交渉の要請があれば対応が法律上必須)、金型・治具管理費用負担の明確化などが新たに法令化されたことに対する教育を実施しました。人権・労働・環境への取り組みに関するケーススタディについてディスカッションを行うなどCSR調達活動への理解促進を図っています。
新たに配属された担当者に対しては、CSR調達をはじめ、環境、関連法規の研修を実施した上で、サプライチェーン全体でCSR調達を推進する重要性が認識できるよう、OJTを実施しています。
サプライヤーとのパートナーシップ
グローバル推奨サプライヤー制度
アンリツグループは、グローバル推奨サプライヤー制度を設け、グループ全体で取引できるサプライヤーを認定しています。これにより、調達活動の効率化を図るとともに、サプライヤーと開発ロードマップや技術的課題を共有することで、製品の開発から市場投入までの時間短縮を図っています。
グローバル推奨サプライヤーは、主要部材の納入の有無、品質・コスト・納期・技術サポートなどの協力度を基準に選定しており、これまで12社を認定しています。
「パートナーシップ構築宣言」に参加
アンリツ(株)は、内閣府や中小企業庁などが推進している「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し、パートナーシップ構築宣言を策定・公表しています。これは、サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携、公平・適正な商取引の遵守に取り組むことを企業が宣言するものです。
アンリツ(株)は、本宣言における独自の取り組みとして、以下を明示しています。
- 共通受発注ITシステムの運用により、アンリツ(株)だけでなくサプライヤーにも業務効率化を推進する
- サプライヤー向けにグリーン調達ガイドラインの配付や、環境規制に関する動向説明会を開催し、RoHS規制をはじめとする環境関連の法規制にサプライチェーン全体で協働して取り組む
- サプライチェーン全体での健康経営推進に取り組む
サプライヤーによる製品展示会の開催
アンリツ(株)は、サプライヤーの製品や技術をアンリツグループのエンジニアに紹介し、情報交換を行う製品展示会を毎年開催しています。2025年度は、2日間で計60社のサプライヤーが出展しました。技術交流セミナーを開催し、4社のサプライヤーがソリューション提案や最新の技術動向を紹介しました。
環境パートナー企業認定制度
アンリツ(株)は、環境パートナー企業認定制度を設け、環境への取り組みを評価し、優良なサプライヤーを認定しています。評価は製品含有化学物質管理に焦点を当て、管理状況を上位からABCの三段階で評価し、AおよびBランクのサプライヤーを環境パートナー企業と認定しています。改善の余地のあるサプライヤーには、製品含有化学物質に関する情報提供や管理手法のアドバイスを行っています。
2025年度は6社に対して個別の活動を実施し、いずれのサプライヤーもランクアップしました。
パートナーQU(Quality Up)
アンリツ(株)は、サプライヤーとのコミュニケーションとして、アンリツグループに対する改善案や要望をいただく、パートナーQU活動を推進しています。調達に限らず、営業・技術・製造・サービス・安全衛生・環境・CSRなど幅広い分野での提案を受け付け、業務改善に役立てています。
2025年度は、16件の提案があり、納期改善、コストダウン、品質向上につながっています。
情報交換会によるパートナーシップの強化
アンリツ(株)は、情報交換会を実施し、サプライヤーとのパートナーシップ強化につなげています。2025年度は191社のサプライヤーに対して、アンリツグループの事業方針や取り組みを紹介し、CSR調達推進を要請しました。環境規制法令や税法・外為法のポイントも説明しています。
2026年1月の取引先さま懇親会では、161社のサプライヤーに対し、改めて「パートナーシップ構築宣言」への理解と協力を要請しました。
サプライヤーとの健全な関係維持
アンリツグループは、「アンリツグループ企業行動憲章」「アンリツグループ行動規範」「資材調達基本方針」に、資材調達業務のコンプライアンスを定めています。「接待や贈答を受けない」「インサイダー情報による株式の売買は行わない」などの行動規範を遵守し、サプライヤーとの公正かつ透明性のある取引を行っています。