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波長掃引光源(Wavelength Swept Light Source)とは
概要
波長掃引光源(Wavelength Swept Light Source、波長掃引レーザ光源、波長スイープ光源)は、波長を連続的に変化させたレーザ光を発生させる光源です。レーザ光のコヒーレンス性(可干渉性)を利用した光計測法のひとつであるOFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)を応用した形状計測や変位計測に適しています。OFDR方式は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式としても広く知られております。
波長掃引光源はセンシング用光源として、精密厚さ計測、振動計測、表面検査、産業用OCT(工業用OCT)といった産業用途、眼科OCTや血管内OCTといった医療用途、大型構造物の変位・ゆらぎ計測などのインフラ/プラント計測用途、測長分野のほか、幅広い分野で活用されています。
アンリツの波長掃引光源は、狭線幅の縦単一モードを連続で、かつモードホップを抑制して波長掃引できるため、高コヒーレンスな波長掃引光が得られます。この波長掃引光源を使用することで、距離範囲を広く、より高精度な計測ができます。
アンリツの波長掃引光源は、高速な波長掃引を実現するMEMSスキャニングミラーを利用できるように、一般的なリットマン配置を独自の光学的配置に改良しました。この光学系では、実効共振器端面からMEMSスキャニングミラーの反射面までで外部共振器が構成されており、この共振器長で決まる複数の縦モードのうち、回折格子の波長選択性で得られた1つのモードのみが選択され、発振するように工夫しています。

アンリツの波長掃引光源の概略図
下図は、MEMSスキャニングミラーの回転に伴う回折格子の波長選択性と、選択された発振モードの変化の様子を模式的に示したものです。

アンリツ製波長掃引光源の発振モードの変化の様子
代表スペック
- 掃引中心波長:1550 nm(1060 nmも対応可ですのでご相談ください)
- 掃引周波数:150 Hz*1または1250 Hz*2
- 波長掃引幅 Δλ:15 nm~70 nm*1または30 nm~110 nm*2
- 平均光出力:≧10 mW
- 発振モード:縦単一かつ位相連続(モードホップフリー)
- コヒーレンス長(参考値):>100 m*1(Δλ =25 nm)、>10 m*2(Δλ =30 nm)
*1:AQB5500P/AQB5500D
*2:AQA5500P/AQA5500D
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用途
精密厚み計測
- 光学部品の厚さ計測:ガラスやレンズなどの透明体の厚さ計測
- フィルムや鉄板の厚さ計測、表面粗さ計測
- 半導体ウェハの厚さ計測
振動計測
- 回転体の振動幅の計測:ドリルや円盤などの偏心や面振れ計測
- 振動体の振幅幅計測および周波数計測:スピーカーなど
表面検査
OCT(Optical Coherence Tomography/ 光コヒーレンストモグラフィー:光干渉断層計)
OCTとは、光の干渉を利用して物体や人体の内部を断層撮影し、さらにビームスキャンすることで、立体的な構造を精密に計測する技術です。近赤外光を利用して、非破壊および非接触で撮影できるのが特長で、薄膜製品の不良・不具合検査や、眼科医療の検査などに使用されています。
産業用OCT
- 樹脂・プラスチック製品の厚さ計測、接着部分の検査
- 半導体ウェハの厚さ計測
医療用OCT
- 眼軸長測定装置(バイオメータ)
- 血管内OCT:IVUS(血管内超音波法:intravascular ultrasound)よりも高解像度な断層撮影
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