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波長掃引光源に関してお客様からよくある質問をFAQとしてまとめました。
ベンチトップタイプとビルトインタイプの違いについて教えてください。
光学的/電気的性能は、どちらのタイプも同じです。ベンチトップタイプから筐体、空冷ファンおよびコネクタ口等を外して、組込に適した形状としたものがビルトインタイプとなります。ビルトインタイプをご利用の場合、設置環境に応じた空冷手段をご用意いただく必要があります。
どのような仕組みで波長を掃引しているのでしょうか。
当社の波長掃引光源は、外部共振器型でリットマン配置を採用しております。
掃引の仕組みについて詳しく知りたい方は、「波長掃引光源テクニカルノート」をご参照ください。
波長掃引をON/OFFする機能はありますか。ある波長で掃引を停止することができますか。
当社の波長掃引光源は、スキャニングミラーの共振運動を利用して常時波長を掃引しています。このため、波長掃引を停止して特定の波長に固定することはできません。
波長掃引光源のエタロン信号は、何に用いることができるのでしょうか。
エタロン信号は、出力光の波長を算出するための基準信号として使用することができます。
波長掃引光源のトリガ信号は、何に用いることができるのでしょうか。
トリガ信号は、お客様の計測システムでのデータ取得タイミングを同期するための信号として使用できます。このトリガ信号は、波長掃引のタイミングに合わせて波長値で任意に設定することができます。
波長掃引光源のUSB端子は、何に用いることができるのでしょうか。
光源側のUSB端子とPC側のUSB端子とを接続して専用ソフトウェアを使用することで、波長掃引幅の設定や波長に応じたトリガ信号の位置の設定ができます。また、光源が正常状態であるのか、異常状態であるのかなどの状態監視を行うことができます。
掃引周波数はどの程度の個体差がありますか。
波長掃引に用いるスキャニングミラーの製作精度により、掃引周波数はAQA5500P/AQA5500Dでは1250±50 Hz、AQB5500P/AQB5500Dでは150±20 Hzの範囲で個体差があります。
掃引周波数の経時変化はありますか。
当社の波長掃引光源はスキャニングミラーの共振を利用して波長を掃引しているため掃引周波数は安定しており、経時変化はありません。
波長範囲を更に広げることはできますか。
現在ラインアップされているAQA5500P/AQA5500Dの波長掃引幅は最大110 nm、AQB5500P/AQB5500Dでは最大70 nmであり、これ以上広げることはできません。
波長範囲拡大の必要がございましたら、お問い合わせ窓口よりご連絡ください。
波長掃引を正弦波ではなく、ノコギリ波状や三角波状などに変更することはできますか。
当社の波長掃引光源は、スキャニングミラーの連続的な回転運動を利用して波長を正弦波状に掃引しております。そのため、ノコギリ波状や三角波状などに変更することはできません。
掃引周波数を更に上げることはできますか。
掃引周波数は、スキャニングミラー固有の共振周波数で決定されるため変更できません。ただし、波長掃引は1周期の間に短波から長波へ変化し再び短波へ戻るため、この両方向の掃引を利用すれば2倍の波長掃引ができます。最も掃引周波数が高い機種は、AQA5500P/AQA5500Dの1250 Hzであり、両方向の掃引を利用することで倍の2500 Hzでご利用いただくことができます。
高速掃引についてご相談がございましたら、お問い合わせ窓口よりご連絡ください。
ADB5500P/ADB5500Dの掃引周波数は150 Hzですが、もっと低い周波数に落とせませんか。
掃引周波数は、スキャニングミラー固有の共振周波数で決定されるため変更できません。最も掃引周波数が低い機種は、AQB5500P/AQB5500Dの150 Hzとなります。
低速掃引についてご相談がございましたら、お問い合わせ窓口よりご連絡ください。
波長掃引幅を変更した場合、掃引中心波長は変化しますか。
波長掃引幅に応じて、掃引中心波長は若干シフトいたします。例えば、最も大きく変更した場合の例として、AQA5500P/AQA5500Dの波長掃引幅を110 nmから30 nmに変更した場合、掃引中心波長は約1 nmシフトします。
出力光のコヒーレンス長は、どの程度でしょうか。
掃引周波数150HzのAQB5500P/AQB5500Dにて、波長掃引幅を25 nmに設定した時の光干渉実験では、100 m以上のコヒーレンス長を確認しています。コヒーレンス長と掃引速度は反比例の関係にあり、例えば掃引幅を1/2に狭めて掃引速度を1/2にするとコヒーレンス長は約2倍に伸びます。このように設定によってコヒーレンス長は大きく変化するため、コヒーレンス長は参考値として扱い、仕様化はしておりません。
コヒーレンス長について詳しく知りたい方は、アンリツテクニカル No.92「高コヒーレンス波長掃引光源」をご参照ください。