1310nm高温動作タイプ半導体光増幅器の販売を開始
2022/09/20
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、光通信用に使用される1310nm高温動作タイプ半導体光増幅器 AA3T115FYBを開発し、9月20日から販売いたします。
今回商品化した半導体光増幅器(SOA[※1])は、45℃の高温で高利得、低偏波依存利得が得られることが特長です。窒化アルミニウム製小型キャリアに搭載されたチップキャリアタイプの製品で、シリコンプラットフォーム等とともに光集積することで小型の光トランシーバ[※2]を構成することができます。
アンリツは長年培った光源技術を基に開発した製品を広く提供していくことで、光通信の発展に貢献してまいります。
開発の背景
飛躍的な成長が続くデータセンターネットワーク、および受動部品で構成された経済的な光アクセス通信網であるPON(Passive Optical Network)システムにおいて、トランシーバモジュールは機器間を繋ぐ重要なコンポーネンツとして広く使用されています。一方で、ネットワークトラフィック急増に伴う消費電力急増が危惧されており、これらのシステムの環境負荷低減が社会的要請となっています。光トランシーバで伝送距離延長化のために採用される光増幅器にも、低消費電力を望む声が高まっています。
アンリツはこうしたニーズに応えるべく、通信市場で蓄積した光デバイス技術を基に、このたび高温動作タイプのSOAを開発しました。
製品概要
SOAチップを窒化アルミニウム製小型キャリアにマウントしたチップキャリアタイプの製品で、光集積回路への組込み用に適しています。動作温度45℃、中心波長1310nmにおいて17dBの高利得、1.5dBの低偏波依存利得(typ.)を実現し、省電力化に貢献いたします。
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対象市場・用途
- 対象市場
- 光通信機器メーカーなど
- 用途
- 光トランシーバ
用語解説
- [※1] SOA(Semiconductor Optical Amplifier/半導体光増幅器)
- 半導体レーザの両端に反射防止処理をするなどして共振を抑圧し、外部からの光を増幅するようにした光半導体素子。ファイバ増幅器に比較して小型で消費電力に優れる。偏波依存性が大きい問題があったが、近年では改善されてきたため使用例が急速に増えた。
- [※2] 光トランシーバ
- 光と電気の間で信号を相互に変換するためのデバイスで、パッケージサイズ、伝送速度、光ファイバ、および伝送距離の違いなどにより様々な種類がある。