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トップマネジメントメッセージ

代表取締役 社長 グループCEO 濱田 宏一
代表取締役 社長 グループCEO
濱田 宏一

事業およびESGへの取り組みを両輪に、“共に持続可能な未来へ”

アンリツグループは、サステナビリティ経営を通じて、未来の社会づくりへの貢献を目指しています。「事業を通じて解決する社会課題」「社会の要請に応える課題(ESG)」への取り組みを両輪に、ステークホルダーの皆さまとともに、安全・安心で豊かなグローバル社会の発展に貢献いたします。

社会にとって必要な会社、役立つ会社を目指す

新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ危機など、社会のサステナビリティが脅かされる事案が相次いでいます。SDGsの達成年は2030年ですが、その根底が脅かされる状況に社会が変化してしまっています。

こうした中でもアンリツが貢献できる社会課題の解決に向け、2022年4月から私自身がサステナビリティ・環境総括役員を務めて推進する体制としました。経営理念で掲げる「誠と和と意欲」の下、サステナビリティ方針を実践し、社会にとって必要な会社、より良い未来を創るために役立つ会社として、安全・安心で豊かなグローバル社会の実現に貢献してまいります。

社会からの要請に誠実に取り組む

ESG課題への対応は、環境や社会への悪影響を最小限に抑え、全ての人が生き生きと働き、暮らせる社会につながるものと捉えており、2021年に策定した中期経営計画GLP2023でサステナビリティ目標を掲げています。

ESG活動において最も注力しているのが気候変動対策です。アンリツは、再生可能エネルギー(再エネ)自家発電・自家消費に取り組む「Anritsu Climate Change Action PGRE 30」により、消費電力の削減に直接つながる活動を行っています。再エネ発電を増やす努力を企業の「自分ごと」として取り組み、引き続き推進します。

PGRE 30は主要拠点で太陽光自家発電を行うものであり、2021年度の自家発電比率はGLP2023の目標である13%以上となる16.8%となりました。しかし、地球温暖化が深刻化していることを踏まえてさらに取り組みを強化し、2050年までにカーボンニュートラルを実現すべく、SBT認定のCO2排出量削減目標を強化する計画を策定します。また、アンリツグループの年間電力消費量(約30GWh)はRE100の参加要件を満たす規模ではありませんが、カーボンニュートラル実現を推進している他の枠組みに参加いたします。

社会領域では人財の多様性、サプライチェーンにおける人権尊重などをサステナビリティ目標に掲げています。ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進して、女性幹部職比率15%以上(グローバル)を達成したいと考えています。

女性幹部職拡充の方策として、技術系の女性を核とした新卒採用や中途採用の強化、柔軟に働ける制度の充実などに取り組んでいます。加えて、男性社員の意識改革や育児休職をためらうことなく取得できる風土づくりも重要であり、この点にも力を入れていきます。

多様性はイノベーションを生み出し、会社の成長の原動力となるものです。将来的には、性別、国籍を問わずさまざまな価値観や考え方、経験をもった人財が意思決定の中核にいる会社にしていきたいと考えています。社員が安全で健康で生き生きと働き、個性と能力を発揮できる健康経営を推進してまいります。

サステナビリティ目標の達成は、役員賞与算定の指標としています。これは、サステナビリティへの取り組みを人事部門や環境部門など関連の強い部門だけに限定するのではなく、全ての役員が各々の所管する活動において責任をもって取り組んでいかなければならないという私の強い意志の表れです。

事業を通じて社会課題解決に貢献する領域を広げる

事業における取り組みの核となるものが、アンリツのコンピテンシーである「はかる」技術です。情報通信システムの進化は、常に社会革新を生み出し、豊かさ、発展をもたらしてきました。コロナ禍においても、人と人をつなぐ役割を担ったのは情報通信ネットワークでした。アンリツも緊急事態宣言中は最大8割の社員が在宅勤務を行った通り、テレワークは接触機会の減少に有効であり、感染拡大を防止するという面でも役立ちました。

アンリツの通信計測ソリューションは、スマートフォンや通信端末、データセンターなどの開発・製造・保守で接続品質を保証する役割を担い、情報通信システムの進化・発展を支えています。また、「はかる」技術を食品生産分野にも展開しています。食品業界のお客さまに異物混入防止や原材料の過不足のない生産とその管理を自動化できるソリューションを提供し、食料資源の有効活用、安全・安心な食品の流通、食品ロスの低減に貢献しています。

情報通信システムの進化を支える、暮らしの安全と安心を守る。この取り組みは今後もアンリツのコアとなるものです。これに加え、新たな貢献領域を設定しました。それが、「ローカル5G」「EV、電池」「光センシング」「医療・医薬品」です。

4つの新領域を重点的に開拓

なかでも「EV、電池」はアンリツにとって新たな事業領域であり、事業を通じて環境分野の社会課題解決に直接的に貢献できる初めての事業となります。この事業領域に参入するため、2022年1月に(株)高砂製作所のM&Aを行い、グループに加わってもらいました。同社は、より高性能でエネルギー効率の良いEVの研究開発をサポートする試験装置を提供しています。この事業を大きく成長させて、カーボンニュートラル社会の実現に大きな貢献をしたいと考えています。

社員全員で取り組むため、事業やESG対応にSDGsのゴールを組み込む

アンリツはグループ全体でSDGsのゴール9番への貢献を掲げ、「持続可能な社会の建設に関わる産業の創造とイノベーションを促進していく」ことを目指しています。その上で、GLP2023において各事業部門、コーポレート部門、グループ会社が各々の視点で目指す未来社会を描き、その実現に向けてSDGsのゴールを組み込んだ計画を立てて取り組んでいます。各々の取り組みについては事業部門、コーポレート部門、グループ会社がメンバーであるサステナビリティ推進会議で進捗を確認し、実務的にPDCAを回しています。進捗に関しては経営戦略会議や取締役会で監督の下、サステナビリティ方針に沿って企業価値向上につながるようにしていきます。

日本政府が打ち出した「デジタル田園都市国家構想」は、行政手続きや教育、医療のオンライン化、自動車の自動運転などにより、地方にいても大都市と同じような働き方や生活を実現するものであり、SDGsのいくつものゴールにつながっています。この取り組みで欠かせないものが5G、クラウドコンピューティングから生み出されるデジタルトランスフォーメーション(DX)となっています。

アンリツは、光/デジタル通信、モバイル通信の黎明期から、端末や装置が規格通りに動作し、つながるかを試験できる測定器や通信システムに組み込まれるデバイスを世界各国の通信事業者、メーカーなどに提供しています。5Gのさらなる技術革新やその先の6Gでも測定技術は必須であり、より良い未来社会づくりに大きな貢献ができる分野ですので、アンリツの事業活動にどうか、ご期待ください。