環境担当役員メッセージ
2025年度の振り返り
2025年度は、2024年からスタートした新たな環境施策である資源循環(サーキュラーエコノミー)を、構想から実装へと進めた一年でした。とりわけ大きな前進となったのが、GLP2026のサステナビリティ目標である「資源循環に対応した製品をリリースする」取り組みです。使用済みのPQA製品から回収したステンレスを再資源化し、再び自らの製品へ活用するサプライチェーンを構築し、循環型のものづくりを具体化する基盤を整えました。また、食堂の廃油のSAF(持続可能な航空燃料)への活用、機密書類の再資源化、食品ごみのバイオ発電利用など、事業活動によって生じる廃棄物の資源循環も進んでいます。これらは、環境負荷低減を日々の業務に組み込み、環境価値と事業活動を結びつける実践と捉えています。
サプライチェーンとグローバル連携について
事業拡大に伴い、環境経営をさらに前進させる上での課題も明確になってきています。特に大きいのは、サプライチェーン全体での連携強化です。調達網が広がる中、温室効果ガス排出量、とりわけScope3の把握や削減を進めるためには、取引先との対話と協働が不可欠です。しかし、取引先ごとに企業規模や体制整備状況が異なり、足並みを揃えることは容易ではありません。アンリツグループ内の活動においても、国や地域によって環境への意識や制度、文化的背景には差があります。そのため画一的な方法を求めるのではなく、グループとして共有すべき理念や目標を明確にしながら、各地域の実情に即して実行力を高めていくことが重要だと考えています。環境活動は一社の中だけで完結するものではありません。だからこそ、取引先や関係会社との対話を重ねて理解の裾野を広げていくことが、サプライチェーン全体での活動推進には欠かせません。
2026年度に注力する課題
2026年度は、これまで整えてきた基盤を着実な成果へとつなげる年と位置付けています。私たちが重視しているのは、事業活動に根差した本質的な取り組みとして環境施策を定着させ、継続的な改善につなげることです。アンリツの自ら汗をかき実効性のある取り組みを続けていく姿勢は、今後も変わりません。
2026年度は2つの課題に注力します。一つ目は資源循環の成果創出です。これまで構築してきたスキームを実際の事業活動の中で機能させ、回収と再資源化・再利用の循環を拡大していきます。二つ目は生物多様性への理解促進です。生物多様性は、陸・海洋・淡水・大気という全ての自然領域に関わる重大なテーマです。しかし、この壮大なスケール感のせいか、事業活動との接点を従業員がイメージしづらい傾向にあります。そのため教育や情報発信を通じて段階的に理解を深めながら、活動を日々の業務の中に組み込んでいくことを目指しています。
ステークホルダーのみなさまへ
アンリツグループが2030年度売上高2,000億円を目指す中で、環境分野は単なる負荷低減活動にとどまらず、顧客や投資家、地域社会からの信頼を支える経営基盤として、その重要性は一層高まっています。今後、M&Aをはじめとする事業拡大が進む中では、環境デューデリジェンスの重要性もさらに高まるものと認識しています。2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、中長期の移行計画を具体的に示し、着実に実行していくことが不可欠です。今後も透明性の高い情報開示とステークホルダーのみなさまとの対話を重ねながら、環境活動を推進し、人と地球にやさしい未来づくりに貢献してまいります。