6Gに向けた取り組み 100GHz超ミリ波設計技術の獲得
6Gでは現在の10倍の通信速度を実現する100GHz超のミリ波帯無線通信が重要になります。このための計測器を構成するためには増幅器などの能動素子だけではなく、フィルタなどの受動素子が不可欠です。アンリツでは高性能なミリ波計測器の設計基盤となる広帯域・低損失な受動回路の研究を進めています。


広帯域・低損失な測定系の実現
高速化・大容量化の流れ
近年、デジタル信号処理とデバイス技術の向上による超多値変調方式によって、移動体無線通信などの高速化・大容量化が実現されてきました。伝送容量の拡大に対して、変調多値数の増加による効果は対数的ですが、帯域幅の拡大は直接的に結びつきます(シャノンの通信路符号化定理)。既に、変調多値数の増加を妥当なコストで実現することが困難になりつつあり、更なる容量拡大を達成するためには、より広い帯域幅が使える高周波数帯を使うことが合理的な選択肢となっています。
100GHz超のミリ波利用
より広い周波数帯域を確保するため、センチメートル波帯(7G~20GHz)やミリ波帯(30G~300GHz)*1の利用が検討されています。そのための通信機器に使用される増幅器などの能動素子についても性能向上が進められています。
計測器への期待
高度化する通信機器の開発を進めるためには、それに先駆けた計測器の提供が必要とされます。また、ミリ波帯で広い帯域を使用する通信機器の特性を評価するために、計測機器にはそれを上回る広帯域・高感度の特性が求められます。
能動素子の性能を損なわない広帯域・低損失な測定系の実現
高性能な計測器を実現するためには、使用される能動素子の性能に加えて、その性能を損なわないように広帯域・低損失な測定系を実装・構築することが必須です。そのために受動回路設計は非常に重要な要素であり、基盤技術として蓄積すべき研究アイテムと言えます。
目指すもの
高性能なミリ波測定器提供のための自在な設計技術の蓄積
- 高性能の追求(広帯域化、低損失化、多機能化など)
- 汎用的な設計ガイドラインの整備など設計ノウハウの構築
- 製造性を考慮したシンプルな実現形態(簡素化、高信頼性、加工誤差耐性の向上など)
独自のミリ波設計技術
広帯域チョーク構造
導波管スイッチの可動部/固定部の間には隙間があります。電磁波の漏れを広帯域に抑圧すると構造として対向面に設けた楕円状の溝(チョーク)が有効であることを実証しました。

フィルタの寸法誤差感度解析
ミリ波では加工誤差による特性のズレが顕著になります。アイリス結合型導波管フィルタについて寸法誤差に低感度な構造として厚さ1/4波長の容量性窓が有効であることを数値解析で示しました。

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