世界最小クラスの200/400 GbE対応リニアドライバの量産を開始
2017/09/15
光トランシーバの小型化に貢献
アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、200/400 GbE対応光トランシーバに実装されるリニアドライバ[※1]では世界最小クラスとなる「リニアドライバ AG2P65P」を開発し、9月25日から量産出荷いたします。
AG2P65Pは、200/400 GbEのPAM4[※2]信号に対応した電界吸収型変調器集積レーザ(EML)[※3]を駆動できます。高速電子デバイス・光デバイスで蓄積してきた半導体製造技術を基盤に、4 mm×7 mmのパッケージにバイアスティ[※4]を内蔵する技術を確立し、実装面積で従来比50%を実現しました。
これにより、CFP8[※5]やQSFP28-DD/QSFP56[※6]などの光トランシーバへの組み込みを可能としました。
リニアドライバには、200/400 GbEへの対応や消費電力を抑制するための小型化が求められていました。アンリツは、AG2P65Pによりこの要求に応え、ネットワークのさらなる高速化に貢献いたします。
本製品は、スウェーデン、ヨーテボリ市にて開催されるECOC2017(9月18日-20日)の当社ブース(#304)で展示いたします。
[開発の背景]
データ通信トラフィックの増大により、サーバーやネットワーク機器の通信速度のさらなる高速化が進展しています。
これにともない、次世代イーサネット規格の200/400 GbEでは、2bit(4値)信号により単位時間当たりの伝送量を増加させるPAM4方式の採用が決定しています。このため、PAM4信号を忠実に増幅するリニアドライバが必要となります。
また、CFP8やQSFPはデータセンターなどで多数使用されるため、小型で低消費電力のリニアドライバが求められていました。しかし、従来のリニアドライバはバイアスティの実装に大きな面積が必要であることが、障壁となっていました。
アンリツは、リニアドライバ AG2P65Pによりこの課題を解決し、CFP8やQSFPへの搭載を可能としました。
[製品概要]
リニアドライバ AG2P65Pは、200/400 GbEのPAM4信号に対応したEML用リニアドライバです。世界最小クラスの4 mm×7 mmパッケージに、4チャネルのドライバとバイアスティを内蔵しています。
また、28Gのボーレートによる高速データ伝送と1チャネルあたり0.3 W以下の低消費電力を実現しています。

400 GbE用トランシーバ構成例
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[対象市場・用途]
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対象市場
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光トランシーバメーカー
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用途
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200/400 GbE用光トランシーバ(CFP8, QSFP28-DD, QSFP56など)への実装
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[※用語解説]
[※1]リニアドライバ
光変調器を駆動するための増幅器。多値変調方式では「0」と「1」の2値だけではなく、その中間の値も忠実に増幅する必要があるため線形性が高められている。
[※2]PAM4
PAMはPulse Amplitude Modulationの略で、振幅変調により伝送容量を向上させる方式。PAM4は4値での振幅変調方式。
[※3]電界吸収型変調器集積レーザ(EML)
長距離光ファイバ伝送に用いられる光源を内蔵した電気-光変換デバイスの一つ。
[※4]バイアスティ
高周波信号に影響を与えずにデバイスにバイアスを供給するための、キャパシタとインダクタからなるパッシブデバイス。
[※5]CFP8
400 GbEに対応した光トランシーバ フォームファクタの一つ。
[※6]QSFP28-DD/QSFP56
200 GbEに対応した光トランシーバ フォームファクタ。