Japan
SOA(半導体光増幅器)に関してお客様からよくある質問をFAQとしてまとめました。
SOAは半導体レーザ同様1.2 µm~1.6 µmの広い波長帯域で製造可能でしょうか。
理論上ではInP基板上で1.2 µm~1.6 µmの発光層を製造可能ですが、偏波無依存型のSOAの場合は1.2 µm~1.6 µmよりも長波長側が狭くなります。
モジュールタイプではなぜ入力側にアイソレータが内蔵されているのでしょうか。
プリアンプへの適用例ではSOAの入力側はファイバ網システム側であることから、迷光混入を避けるためです。
BOAとSOAの違いは何でしょうか。
SOAは偏波無依存型の光増幅器となりますが、BOAは単一の偏波を増幅する偏波依存型のBooster Optical Amplifierの意味で、主に光源の出力増幅用として使用され、最大出力が重視されます。
低偏波依存性をどのような方法で実現していますか。
SOA活性層の水平方向に適切な引張歪を加えることで、PDGの低減を達成しました。
SOA端面のARコートはどの程度の反射率が求められますか。また反射率を上げSOAが共振すると、どのような影響がありますか。
ARコート自体の反射率は約0.2%以下です。反射率が上がるとASEスペクトラムや利得リップルが上昇し、最終的には発振に至ります。
SOAの応答速度はEDFAと比較してどのくらいですか。
応答速度はSOAの電流をパルス駆動した時の利得応答時間です。SOAはEDFAと比較して応答速度が非常に速く、40 dB以上の高い消光比を持つ光ゲートスイッチとしてご利用いただくことが可能です。
ASEスペクトルのリップルはどの程度ですか。
SOAのASEスペクトルのリップルは1 dB以下、実力としては0.5 dB程度です。
SOAへの入力光の入射角度が変化した場合、PDG(偏波依存利得)は変化しますか。
入射角度が大きい場合はPDGが変化する可能性はありますが、大きすぎるとSOA素子との光結合効率が悪化します。従って実用的な角度変化程度ではPDGへの影響はありません。
飽和特性の評価においてSOAの出力側にバンドパスフィルタを使っていますか。
バンドパスフィルタは使用しておりません。
小型パッケージ製品はQSFPに搭載できますか。
小型パッケージはCFP/CFP2には搭載可能でしたが、QSFPへのモジュール搭載はスペース的に困難なため、チップオンキャリア製品への移行をお勧めしています。
SOAは400GEに適用できますか。
LR4などの短距離伝送用としてはSOA導入のメリットが低いと思われます。しかし、40/80 kmなどの長距離用では実績があります。
複数入力アプリケーションでは各波長ごとにSOAが必要になるのでしょうか。
100GBASE-ER4での応用例など、一般的に1つのSOAで複数波長を一括増幅します。
SOA+PINによる構成はAPDに比べてどんなメリットがありますか。
SOAは利得が大きく、APDより伝送距離延長効果が期待できます。