超高速電子デバイス製品ができるまで
超高速電子デバイス製品は、設計~製造、出荷検査までの多くのプロセスが自社内で行われます。今回は、製造プロセスにスポットをあててご紹介します。
当社では、化合物半導体であるGaAs(ガリウムヒ素)またはInP(インジウムリン)をベースとした超高速MMIC(モノリシック・マイクロ波集積回路)を専用のクリーンルームで製造しています。

図1 MMICを製造するクリーンルーム
製造プロセスの概要
① 微細パターン形成
MMICの高速性を確保するために必要な微細パターンは、ステッパ(縮小投影露光機)を用いたフォトリソグラフィー技術により形成します。

図2 ステッパを用いた微細パターンの形成
② パターン加工
フォトリソグラフィーにより形成した微細レジストパターンを用いて、絶縁膜、金属膜などを必要な形状に加工します。

図3 パターン加工
このようなプロセスを数十回繰り返し、能動素子であるトランジスタとパッシブ素子である抵抗体、MIM(Metal Insulator Metal)キャパシタなどとこれらを接続する配線を形成することにより、ウエハ上に超高速MMICを作製します。

図4 MMICの断面模式図(例)
③ 研磨、裏面加工、ウエハ検査、ダイシング、個別検査等を経て、ICチップが出来上がります。

図5 完成したウエハと切り出したICチップ
④ モジュール実装、特性検査、出荷
自動ダイボンディング装置、自動ワイヤボンディング装置などを用いて、チップ化したICと周辺部品を専用パッケージに実装し、扱いやすいモジュールの形に組み上げます。その後、アンリツの最新計測器等を用いて、高周波特性などの厳密な特性検査を行い、合格した製品をお客様に納入します。

図6 自動ダイボンディング装置

図7 高周波特性検査装置

図8 完成した高周波モジュール(写真はAH54192A 差動リニアアンプ)
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