無線LANの法的規制試験の最新動向
無線LANデバイス数の拡大や、世界各国における無線LANの6 GHz帯使用に向けた法整備化に伴い、各種認証試験や規格の改定、新規策定が進んでいます。主要な無線LANの法的規制試験の動向について紹介します。
FCCの47 CFR(Code of Federal Regulations)part15 Subpart Eについて
北米では、FCCによって無線LANデバイスは下図のように区分され、その区分ごとの要求と制限が規定されています。AFC(Auto Frequency Coordination)は2021年11月時点で制度化に至っていないため、AFC機能不要な区分のデバイスから認証が始まっています。5.925-7.125 GHz周波数帯では次の表に記載されているように区分された試験が2020年からすでに施行されています。*
以下の表は、認証が始まっているデバイスの無線信号品質にかかわる要求をFCCの規格より抜粋しています。
以下の表は、AFC運用が前提となるデバイスに対する要求です。
ETSIのEN 303 687 6GHz帯法的規制試験について
ETSIでは6 GHz帯をサポートする無線機器に対する試験規格がEN303 687として作成が始まっています。
2021年11月時点でEN303 687の規格はStable draft versionとなります。一般的にStable draft versionから正式リリースまでの期間に試験内容が大きく変わる事はありませんが、その内容は公表されていません。そして2021年11月時点で最終版の承認は2021年12月07日が予定されていてます。その後2021年12月に最終版がMature DraftとしてECと関連組織へ配布されることが予定されています。*
施行(公開)は2022年11月22日として計画されています。この日程は少し先のことのように感じるかもしれませんが、設備・試験環境等の準備期間としては決して長い期間ではありません。
6 GHz帯対応試験の準備はできておりますでしょうか?
6 GHz帯の試験項目は公開されていませんが、2.4 GHz/5 GHz帯で制定されている試験と似たような項目になるのではないかと予想されます。両バンドの試験規格同様にReceiver Blockingが定められた場合、簡単にPacket Error Rate(PER)測定が行えるWLAN測定器を使用することにより、非常に効率よく性能評価がおこなえます。
- RF testing for 2.4GHz-band:EN 300 328 4.3.2.11 Receiver Blocking
- RF testing for 5GHz-band:EN 300 893 4.2.8 Receiver Blocking
ETSIのEN 301 489-17 – EMC/イミュニティ試験について
またETSIでは、EMC規格であるETSI EN 301 489-17が2020年9月に更新され、Immunity試験でPER測定が追加、2022年に施行が予定されています。
本施行に伴い、完成品である無線LAN機器に対してPER測定が求められるため、完成品に対し効率よくPER測定をできる試験環境が必要になります。
アンリツ ワイヤレス・コネクティビティテストセット MT8862A(以下、MT8862A)は、完成品状態の無線LAN製品の送信&受信性能を評価する測定器です。
Immunity試験で求められるPER測定を簡単に試験できるほか、試験規格の測定手順に従った各種パラメータの設定に対応しています。
主要国・地域での法的規制試験の内容、試験項目、その測定方法については以下資料をご参照ください。
Download Leaflet & Guide
ETSI EN 301 489-17のImmunity試験に対応
無線LAN機器のPER測定に
内容
- ETSI EN 301 489-17に追加されたPER測定の概要
- Immunity試験の手順 および MT8862A設定概要
- CEマーキングで必要とされるPER測定
無線LAN 製品評価ガイド
~認証取得編~
内容
- 無線LAN 機器の規格と認証
- 日本・米国・EU 間での電波利用規定の相違
- 規制認証の試験項目
*ETSI Work Programing:Work Programme - Work Item Detailed Report (etsi.org)
*FCC Officeof Engineering and Technology : https://apps.fcc.gov/oetcf/kdb/forms/FTSSearchResultPage.cfm?id=277034&switch=P
その他ワイヤレスLAN設計ガイドはこちら >