Connecting the IoT World Testing with Anritsu
近年、AIスピーカー、スマートウォッチ、スマートメータ、監視カメラ、各種センサーによる生産性向上(工場、農業など)などあらゆる分野で、IoTサービスが広がりを見せ、その便利さを体感しており、今後IoTは、ますます私たちの生活に必要不可欠な存在になっていくでしょう。
そして、「高速大容量」、「低遅延」、「多接続」の3大要素を持つ次世代無線通信である5Gの登場により、5Gを活用したIoTは、自動運転(Automotive)、重機の遠隔制御、高精細映像サービス、スポーツイベントの臨場感あふれる体験などのサービス・アプリケーシ ョンへ拡大することが期待されています。
アンリツは、このIoT市場に対して、
- モバイル・ワイヤレスの最先端で培ってきた技術、計測技術や顧客サポート力
- WirelessからWiredまでの幅広く、充実した製品ラインナップ
- そして、次世代通信:5G市場におけるWireless~Wiredまでの計測技術
でお客様のビジネスに貢献します。
5Gの登場で拡大するIoT市場に向けて
アンリツは、最先端の5G Test & Measurement技術を保有し、測定ソリューションを提供する世界的なリーディングカンパニーです。アンリツは、IoTが織りなす世界に注目し、さまざまな無線通信方式に対応したソリューションを提供しているだけでなく、未来へつながるソリューションを提供しています。
はじめに
本ページは、IoT市場で「ビジネスをご検討されているお客様、既に参入されているお客様」に対して、IoT市場の概要~IoT機器・製品の開発・製造で注意するポイントについて記載しています。下記の表をもとに、お客様の目的に応じて、読み進めてください。
お客さまの目的 |
目次 |
新規参入を 検討中 |
無線通信を 検討・選定中 |
品質向上に 取り組みたい |
アンリツを 知りたい |
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広がりを見せるIoT市場
IoTは、自動車分野はもちろん、スマートホーム、スマートビルディング、製造・工場(インダストリ)、医療・ヘルスケア、防犯・セキュリティー、保険、交通、エネルギー、物流、農業、HEMS、スマートメータ(水道、電気、ガス)など、さまざまな分野への利用が期待され、近年、AIスピーカー、スマートウォッチ、スマートメータ、監視カメラ、各種センサーなどさまざまなIoT機器・製品やサービスが登場しています。
また、「高速大容量」、「低遅延」、「多接続」の特徴を持つ次世代無線通信:5Gの登場により、IoTは、更に急速な成長が見込まれる市場です。
このIoT市場において、インターネットに接続する多くのモノ(IoT機器・製品)は、センサーを搭載しており、センサーによって取得した情報は無線通信などを利用し、インターネットを経由して、データセンターに送信され、AIによってデータ分析され、その分析結果はインターネットを介して、IoT機器・製品、スマートフォンなどに通知されます。
身近なところでは、以下のケースがあります。
- AIスピーカーは、無線LAN(Wi-Fi、WLAN)を使用してインターネットに接続し、利用者が聞きたい音楽をインターネットを通して利用者に届けます。このとき、データセンターに蓄積された利用履歴(データベース)をAIで分析し、利用者の趣味にあった音楽を推奨するサービスを行っています。
- スマートウォッチは、Bluetooth®でスマートフォンに接続し、スマートフォンがLTE(4G)などを使用して、インターネットに接続します。スマートウォッチのセンサー情報(歩数、距離、心拍数など)をデータセンターに蓄積します。ダイエットや健康を気にしている人はこのデータを確認することで、生活改善に役立ちます。
IoT市場イメージ

スマートホーム

スマートビルディング

インダストリ(IIoT)

防犯・セキュリティー
Bluetooth® のワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG, Inc.が所有する登録商標であり、アンリツはこれらのマークをライセンスに基づいて使用しています。
IoTで使用される無線通信とその特徴
IoTで利用される無線通信には、LTE Cat-M、NB-IoT、無線LAN (Wi-Fi、WLAN)、Bluetoothなどがあります。IoT機器・製品を開発・製造するお客様は、開発する製品の特徴に応じて、適切な無線通信を選定することが重要です。無線通信を選定する主な要素として、通信距離、消費電力、通信速度のパラメータがあります。たとえば、電池で稼働するIoT機器は、長時間(電池の取り換えなしに、年単位)の稼働が必要となるため、低消費電力が重要なファクタになります。

無線通信ごとの通信距離と消費電流の関係
各通信規格のBluetooth、WLAN、NB-IoTそしてCat-Mの特長と利用例について説明します。
通信規格 |
特徴 |
利用例 |
Bluetooth |
短距離通信、低消費電力、低通信速度という特長があり、スマートフォンなどを経由してインターネットにつながります。 Bluetooth 5.0は、通信距離を従来の4倍。通信容量は従来の8倍。
Bluetooth 5.1は、位置推定を数センチメートルの誤差で可能となり、物流などのさまざまなサービスに使用されることが期待されています。
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- スマートウォッチ
- コードレスイヤホン・ヘッドフォン
- ヘルスケア(血圧計、心拍計)など
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無線LAN(WLAN) |
Bluetoothと比較すると通信速度は速く、高消費電力という特徴があります。 WLAN規格として、802.11 a/b/g/n/ac/axなどがあります。 802.11ac/axからMU-MIMO(Multi User MIMO)が採用。複数のユーザに対して、同時にMIMOが可能となりました。更に11axは高速化に加えて、 OFDMAを採用し、電波使用の効率化を図っています。
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- スマートフォンやパソコン
- AIスピーカー
- 掃除機
- エアコン
- IoT AI ゲートウェイなど
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Cat-M、NB-IoT |
IoT向けに3GPP規格で制定され、携帯電話用基地局との通信を伴います。通信距離が長く、広いエリアをカバーします。 Cat-M、NB-IoTの大きな違いは、ハンドオーバ(IoT機器の移動を伴う使用)です。Cat-Mはハンドオーバに対応しており、スマート自転車などの移動する物に使用されます。移動しない場合でも通信量が多い場合、Cat-Mを使用します。ハンドオーバ未対応のNB-IoTは街灯、水道メータなどの移動しない物に使用されますが、低消費電力実現のために狭帯域で通信量を抑制しています。このため、NB-IoTの通信容量を拡大しつつ低消費電力実現に向けた技術を継承する新しいカテゴリであるCategory NB2(Cat-NB2)が注目されています。
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- 屋外の街灯
- スマートメータ(電気、水道、ガス)
- スマート自転車
- 農場、牧場など
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5G |
3GPPで規定され、「高速大容量」、「低遅延」、「多接続」の特徴を持つ無線通信規格です。世界では、既にサービスを開始した国もあります。従来のスマートフォン、タブレットなどの利用だけでなく、5Gを利用したIoT市場への応用が期待されています。
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最後に、次世代無線通信技術である5Gは、大容量、超高速、低遅延の特徴を持つ無線通信規格であり、自動運転、4K/8K映像伝送、建設機械の遠距離制御など様々な分野での利用が期待されています。
チップセット、通信モジュール
例えば、IoT機器・製品の開発・製造を計画するお客様が自社製品に採用する無線通信規格を決定したあと、どうすれば良いでしょうか?
それは、採用した無線通信規格に対応するチップセット(通信チップ)、通信モジュールを選定することです。
チップセットベンダ |
専門の部品ベンダでCat-M、NB-IoT、 WLAN、Bluetoothなどの通信チップを提供 チップセットを購入した場合は、周辺回路などの回路設計やチップセットの制御用のソフトウェア設計などが必要。また、完成品のチップセットを含めた性能評価が必要。 |
通信モジュールベンダ |
チップセットベンダから通信チップを購入し、モジュール化し、通信モジュールとして提供 通信モジュールベンダが通信チップを制御するための複雑な回路設計、ソフトウェア設計などを行い、モジュ ールとして性能保証。 |
このため、IoT市場にIoT機器・製品を開発・製造するお客様は、通信モジュールを購入し、自社製品に実装することで、比較的容易に製品を市場投入することができます。
通信モジュールを購入する場合、通信モジュールを実装した状態で、完成品の無線評価をしなくて良いのでしょうか?
いいえ。通信モジュールを実装するにあたって、IoT機器・製品ベンダは、「各国の電波法、無線通信規格など」を留意する必要があります。
コラム
IoT AI ゲートウェイとは
最近のIoTゲートウェイは、通信モジュールだけでなく、AIチップ(PCIeなどの高速バスを採用したAIチップ)を搭載したモデル(IoT AI ゲートウェイ)が登場しています。
これは、今後IoTの普及により、さまざまなサービス・アプリケーションがセンサーを使用して大量のデータをインターネットに送信すると、ネットワークやクラウド側に大きな負荷がかかり、処理時間の低下などの問題を引き起こす可能性があります。これを防ぐために、エッジ側にAIチップを搭載し、データ処理することでネットワークの負荷を軽減、処理の高速化を図ります(エッジコンピューティング)。
AIチップを搭載した場合、無線評価に加えて、ハイスピードバスの評価(PAM評価、IF評価)も重要です。
各国の電波法、無線通信規格など
世界各国には、それぞれ電波に関する法律があります。電波を出す製品(電子部品、IoT機器・製品)を開発・製造するメーカは、この法律を守る必要があり、製品を販売するために認可をもらう(認証を取得する)必要があります。また、さまざまな電波に関する規格があり、それぞれの規格を考慮した評価も必要になります。なお、テストハウス、認証機関などは、下記テストを専門に実施している機関です。
5G T&M市場をリードするアンリツの強み
このようなIoT市場背景に対して、アンリツは、以下の強みがあります。
- 3G、4G(NB-IoT、Cat-M)などのCellularからWLAN、BluetoothなどのConnectivityまで幅広い製品ラインナップ
- 長年にわたる大手チップメーカとの協業により、Cellular、WLAN、BluetoothなどのSignalling、Directモードの豊富な経験と高い技術力
- 大手チャンバーメーカとの協業によるOTA試験への対応
- 主要メーカへのアンリツ製品の豊富な採用実績
チップメーカ、通信モジュールメーカ、チャンバーメーカ、テストハウス認証機関など
更に、アンリツは、既存Wireless通信の技術だけではなく、
- WirelessからWiredまでの幅広く、充実した製品ラインナップを有し、
- いままさに始まろうとしている次世代通信:5GのTest&Measurement市場におけるリーディングカンパニー
です。
アンリツは、上記の経験・技術をベースに、今急速に拡大するIoT市場においても、チップセットベンダ、通信モジュールベンダ、電子部品ベンダ、IoT製品・機器ベンダなど、IoT市場を支えるプレーヤーと協業し、最適かつ高品質な新たなテストソリューションを提供し、お客様の製品開発から製造・保守・サービスに貢献してまいります。

DUT接続試験

OTA環境

アンリツEMCサービス
アンリツのIoT Test Solutions
IoT市場におけるインターネットへつながる手段として、無線通信が多く利用されると想定されています。
その無線通信では、5G、LTE-Advanced FDD/TDD、NB-IoT、Cat-M、無線LAN(WLAN)、Bluetooth 、サブGHz帯(920 MHz)などがあり、既に、AIスピーカー、スマートウォッチなど商品の特長に応じた無線通信技術を採用した製品が市場に出て来ています。アンリツは、これらの無線技術に対してテストソリューション(測定器)を提供しております。
M2MやIoTの発達の影響もあり、無線通信はさまざまなアプリケーション・サービスで使用され、その量も増加し便利になってきています。一方で、広帯域ノイズや不要漏洩電波など、意図せぬ電波が発生し、無線システムの動作が阻害されてしまうことがあります。アンリツは、これらの電波を捕えるため環境調査から干渉波の探索まで幅広いソリューションも提供しています。
アンリツのIoT製品ラインナップ
アンリツは、無線通信方式であるLTE-Advanced FDD/TDD、NB-IoT、Cat-M、無線LAN(WLAN)、Bluetoothなど、さまざまな規格に対応した開発、製造、サービス、保守に関するさまざまなソリューション・製品を提供しています。
関連ビデオ

再生時間: 00:01:58
リリース日: 2019/11/01
IoT関連測定器ラインアップ
アンリツは、最先端の5G Test & Measurement技術を保有し、測定ソリューションを提供する世界的なリーディングカンパニーです。アンリツは、IoTが織りなす世界に注目し、さまざまな無線通信方式に対応したソリューションを提供しているだけでなく、未来へつながるソリューションを提供しています。
関連コンテンツ
アンリツについて
アンリツは、進化を続ける情報通信の分野で、各種通信システムやサービス・アプリケーションの開発、品質保証に欠かせない計測器や食品・医薬品用異物検出機や重量選別機、遠隔監視制御システム、帯域制御装置などを提供。幅広い分野で、安全・安心で快適な社会づくりを支えています。