アナログ業務用無線機の送受信試験を、より早く・簡単に
アナログ業務用無線機の主要な送受信試験を1台でサポート。自動測定で作業負担を軽減
消防無線/タクシー無線/防災無線などの業務用無線機の保守点検や開発時の総合チェックなどの作業負担の軽減に、送信特性/受信特性を一括測定して結果をテキストファイルに保存できるアナログ無線機自動測定ソリューションをご紹介します。
業務用無線機はアナログからデジタルへの移行が進んでいるものもありますが、まだアナログ方式を継続運用する業務用無線機が多く存在し、アナログ無線用測定器が必要です。一般的に、RF信号のアナライザとジェネレータ、オーディオ信号のアナライザとジェネレータが必要です。また送信試験ではスプリアス/隣接チャネル漏洩電力/占有周波数帯幅などスペクトラムアナライザを用いる項目があり、複数の測定器が必要になります。
シグナルアナライザ MS2830Aは、新スプリアス(平成17年改訂)や隣接チャネル漏洩電力で求められる厳しい位相雑音性能を低価格で実現したスペクトラムアナライザをベースとし、アナログ測定ソフトウェア MX269018A、オーディオアナライザ MS2830A-018などを搭載することで、アナログ無線機の送信特性/受信特性を測定できます。さらに、デュプレクサボックス MN2555Aとアナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058Aもしくはアナログ無線機自動測定ソフトウェア Lite(無償版)を組み合わせることで、送受信試験を一括測定するアナログ無線機自動測定ソリューションとなります。
また、シグナルアナライザ MS2830Aは、デジタル無線機にもご利用いただけます。アナログ無線機用にご購入いただいた後でも、デジタル変調解析やデジタルの受信感度試験機能を追加できます。
デュプレクサボックス MN2555A
デュプレクサボックス MN2555Aを組み合わせることで、業務用無線機からの信号を一つのコネクタに接続するだけで、ケーブルをつなぎかえることなく「送信特性」・「受信特性」の測定ができます。
特長
ケーブルなどつなぎ替えの手間をカット
業務用無線機のアンテナコネクタをデュプレクサボックス MN2555Aのインプット・アウトプット共通コネクタに接続することで、無線機の信号はアナライザ・信号発生器・USBパワーセンサの3つへ分配されます。そのためケーブルをつなぎかえることなく送信特性・受信特性・空中線電力を測定できます。また、同軸リレーの代わりにディバイダを利用することで、故障のリスクを低減しています。
送信電力30 Wmaxまでの業務用無線機を接続可能
デュプレクサボックス MN2555Aのインプット・アウトプット共通コネクタは、最大30 Wまで直接入力ができる「High Power RF」コネクタと、微弱無線機・特定小電力無線機用に高感度な0.1 W入力の「Low Power RF」コネクタの2種類あります。業務用無線機の送信電力に応じて、いずれか一つに接続してください。
スペクトラムアナライザの故障原因の一つとして過大入力があります。「High Power RF」コネクタ側には、20 dBの高電力アッテネータを内蔵しており最大30 Wまで直接入力できるため、アッテネータの付け忘れによる故障を防ぎます。また、受信試験時に無線機を誤って送信させても、信号発生器側を故障させることはありません。もう、保護用高周波ヒューズは不要です。
業務用無線機のPTT(プッシュ・トゥ・トーク)制御信号端子を前面に配置
デュプレクサボックス MN2555A前面にはPTT端子も用意しています。シグナルアナライザ MS2830AのPTT信号をOn/Offすると、デュプレクサボックス MN2555Aを介して業務用無線機の送信/受信を切り替えできます。
アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058A
アナログ無線機自動測定ソフトウェア Lite(無償版)
アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058Aおよびアナログ無線機自動測定ソフトウェア Lite(無償版)は、シグナルアナライザ MS2830Aを制御し、あらかじめ選択した送受信試験を自動的に実行し、測定結果をシグナルアナライザ MS2830Aから取得して一覧表示するソフトウェアです。業務用無線機(FM方式)の送受信試験の操作負担を軽減します。
試験項目は、当社旧機種のラジオコミュニケーションアナライザ MS555B/MT2605B(いずれも製造中止)の主要な自動測定機能に対応しています。いまも現役でラジオコミュニケーションアナライザ MS555B/MT2605Bをご愛用いただいている方に、代替製品としてシグナルアナライザ MS2830Aをおすすめします
測定項目一覧
送信試験
送信電力、送信周波数、マイク入力感度、最大周波数偏移、変調周波数特性、変調S/N、変調ひずみ、スプリアス、占有周波数帯域幅、隣接チャネル漏洩電力
受信試験
AFレベル、受信感度(SINAD法)、受信感度(NQ法)、通過帯域幅、受信周波数、復調S/N、復調ひずみ
アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058A
特長
測定環境に合わせた設定と、必要な項目に絞った測定が可能
測定前の準備として、業務用無線機の周波数と経路ロスを設定します。試験項目はチェックボックスで選択でき、項目ごとの条件は「設定」画面で調整できます。
測定周波数・パワー・測定項目および設定などの測定パラメータは、パラメータファイルとしてセーブ/リコールできます。あらかじめパラメータファイルを作成しておけば、無線機の仕様に合わせてすばやく切り替えることができます。また、複数のシグナルアナライザ MS2830Aでパラメータファイルを共用することもできます。
測定結果を一覧で確認。テキストファイルで保存して、評価レポートなどに引用
測定結果は画面右側に一覧で表示され、テキストファイルとして保存できます。測定前に画面左上に業務用無線機の「機種名」、「シリアルナンバー」などを入力しておくと、測定結果のテキストファイルにも反映されるため、後からレポートを作成する際に便利です。なお、測定結果はCSVファイルでも保存できます。また、スプリアス、占有周波数帯幅、隣接チャネル漏洩電力では測定画面の保存もできます。
利用環境に応じて、外部PCまたはシグナルアナライザ MS2830A内部へインストール
本ソフトウェアは、シグナルアナライザ MS2830Aに内蔵させるだけでなく、お手持ちのパソコンにインストールしてリモート制御でのご利用もできます。リモート制御は、LANまたはUSBで実行できます。外部PCで利用すると、測定結果のテキストファイルをそのままPCに保存できるので、PCで評価レポートを作成する際にはそのままテキストファイルを開いて利用できます。測定場所が屋外でPCを持参するのが面倒というケースではシグナルアナライザ MS2830Aへインストールしておき、測定結果は後からUSBメモリ等でコピーすると便利です。
デュプレクサボックス MN2555Aの補正データを読み込み、補正にかかる作業負担を軽減
本ソフトウェアとデュプレクサボックス MN2555Aを組み合わせて利用する場合、本ソフトウェアでデュプレクサボックス MN2555Aの補正データを読み込んで利用できます。デュプレクサボックス MN2555Aの補正データは、出荷時に添付されています。これにより測定系の補正にかかる作業を簡略化します。
アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058Aとアナログ無線機自動測定ソフトウェア Lite(無償版)の違い
アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058Aは有償ソフトウェアです。FM方式の送受信試験の自動測定に利用できます。制御対象となるシグナルアナライザ MS2830Aにライセンスを追加いただくと、実際の測定に利用できます。
アナログ無線機自動測定ソフトウェア Liteは無償ソフトウェアです。FM方式の送受信試験の自動測定に利用できます。制御対象となるシグナルアナライザ MS2830Aにライセンスがなくても測定できます。
下記機能は、アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058Aでのみ対応しており、アナログ無線機自動測定ソフトウェア Lite(無償版)ではご利用いただけません。異なる試験条件のパラメータ設定や測定結果に対する判断など、操作や確認にかかる作業負担を軽減するとともに、人為的ミスを回避するために、アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058Aをおすすめいたします。
アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058Aのみ対応機能
- 測定項目ごとの合否判定機能
- 総合合否判定機能
- パラメータ設定ファイルのセーブ/リコール
|
アナログ無線機自動測定ソフトウェア
MX283058A |
アナログ無線機自動測定ソフトウェア
Lite(無償版) |
【送信試験】
|
送信電力
|
○
|
○
|
送信周波数
|
○
|
○
|
マイク入力感度
|
○
|
○
|
最大周波数偏移
|
○
|
○
|
変調周波数特性
|
○
|
○
|
変調S/N
|
○
|
○
|
変調ひずみ
|
○
|
○
|
周波数偏移 CSVファイル出力
|
○
|
—
|
スプリアス
|
○
|
○
|
占有周波数帯域幅
|
○
|
○
|
隣接チャネル漏洩電力
|
○
|
○
|
【受信試験】
|
AFレベル
|
○
|
○
|
受信感度(SINAD法)
|
○
|
○
|
受信感度(NQ法)
|
○
|
○
|
通過帯域幅
|
○
|
○
|
受信周波数
|
○
|
—
|
復調S/N
|
○
|
○
|
復調ひずみ
|
○
|
○
|
復調周波数特性
|
○
|
—
|
【共通】
|
送受信経路ロス設定
|
○
|
○
|
測定項目ごとの合否判定
|
○
|
—
|
総合合否判定
|
○
|
—
|
パラメータ設定ファイルのセーブ/リコール
|
○
|
—
|
シグナルアナライザ MS2830Aへライセンス追加
|
必要
|
不要
|
測定対象変調方式
|
FM
|
FM
|
シグナルアナライザ MS2830A 推奨構成
アナログ無線機自動測定ソフトウェア MX283058Aおよびアナログ無線機自動測定ソフトウェア Lite(無償版)をご利用いただくための推奨構成を紹介します。
品名 |
形名 |
備考 |
① 送信特性試験のみ <最小構成>
|
シグナルアナライザ
|
MS2830A
|
本体
|
3.6 GHz シグナルアナライザ
|
MS2830A-040
|
周波数上限の選択
|
高安定基準発振器
|
MS2830A-002
|
周波数偏差の精度向上
|
低位相雑音
|
MS2830A-066
|
位相雑音性能向上
|
オーディオアナライザ
|
MS2830A-018
|
MS2830A本体にオーディオアナライザとオーディオジェネレータを内蔵
|
アナログ測定ソフトウェア
|
MX269018A
|
アナログ信号の測定機能を内蔵
|
USB Audio
|
A0086C
|
復調音声出力に必要
|
アナログ無線機自動測定ソフトウェア*
|
MX283058A
|
MS2830A-018が必要
|
アナログ無線機自動測定ソフトウェア Lite*
|
(無償版)
|
MS2830A-018が必要。MX283058Aの機能を限定した無償版
|
② ①+受信特性試験
|
3.6 GHz アナログ信号発生器
|
MS2830A-088
|
MS2830A本体に信号発生器を内蔵
|
*:いずれか一つを選択
スペクトラムアナライザ/シグナルアナライザ MS2830Aについてさらに詳しく
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