
近年、スマートフォンやタブレット端末などの普及により、WLANのトラフィック量が急激に増加し、その通信混雑の解消や更なる通信の高速化が求められています。このため、特に5GHz帯のWLANにおいて、従来は屋内使用にとどまっていた周波数帯での屋外使用の検討や、高速化のための新たな通信規格の採用や検討が進められるなど、5GHz帯WLANデバイスの開発が活発化しています。
ベクトル信号発生器 MG3710EとDFSレーダパターン(日本の電波法、FCC用) MX370073B、DFS(ETSI)波形パターン MX370075Aにより5GHz帯のWLANデバイスで規定されている日本の電波法、ETSI、FCCの各規格に沿ったDFS試験を行えます。
【対象】
WLAN用アクセスポイント、WLAN子機など
DFS試験
5GHz帯のWLANに関して同じ周波数帯域に気象レーダや船舶用レーダなどがあるため、それらのパルス信号を検出し信号衝突を回避する技術「動的周波数選択(DFS:dynamic frequency selection)」の採用が義務付けられています。
特長
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必要なテストパターンはすべて用意
ETSIだけで約400通りのテストパターンを用意する必要があります。
DFSレーダパターン(日本の電波法、FCC用) MX370073B/DFS(ETSI)波形パターン MX370075Aは試験に必要な波形パターンをすべて備えているので、試験の準備にかかるお客様の負担を削減します。
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波形をロード、選択するだけの簡単操作
DFS試験に関する知識や試験設備の操作スキルは最小限ですみます。
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日本の電波法、ETSI、FCCの各規格に準拠
主要なDFS試験の規格をカバーします。
2019年7月に日本の電波法規格で採用された、5.3GHz帯用波形パターンをサポートしています。
日本の電波法規格用試験信号(MX370073B)
試験項目 |
周波数帯 |
試験信号 |
仕様書項番(参照図書:TELEC-T403 第14.0版) |
キャリアセンス機能② |
5.3 GHz |
固定パルスレーダ
電波試験信号*1 |
別表第1号種別1 |
別表第1号種別2 |
キャリアセンス機能② |
5.3 GHz |
レーダが送信する電波*2 |
別表第1号種別1 |
別表第1号種別2 |
別表第1号種別3 |
別表第1号種別4 |
別表第1号種別5 |
別表第1号種別6 |
別表第1号種別7 |
別表第1号種別8 |
キャリアセンス機能③ |
5.6 GHz |
固定パルスレーダ
電波試験信号 |
別表第2号種別1 |
別表第2号種別2 |
別表第2号種別3 |
可変パルスレーダ
電波試験信号 |
別表第2号種別4 |
別表第2号種別5 |
別表第2号種別6 |
チャープレーダ
電波試験信号 |
別表第3号種別1 |
周波数ホッピングレーダ
電波試験信号 |
別表第4号種別1
(ホッピング周波数帯域=20 MHz、40 MHz、80 MHz、160 MHz) |
*1:2019年7月の日本の電波法改正前から使用されているレーダパターン
*2:2019年7月の日本の電波法改正により新たに採用されたレーダパターン
FCC用試験信号(MX370073B)<FCC 06-96(Released:June 30, 2006)、FCC 13-22(Released:February 20, 2013)>
試験項目 |
Radar Type |
試験信号 |
仕様書項番 |
Short Pulse Radar |
0 |
固定パルスレーダ
電波試験信号 |
6.1 |
1 |
固定パルスレーダ
電波試験信号 |
6.1 |
2 |
可変パルスレーダ
電波試験信号 |
6.1 |
3 |
可変パルスレーダ
電波試験信号 |
6.1 |
4 |
可変パルスレーダ
電波試験信号 |
6.1 |
Long Pulse Radar |
5 |
チャープレーダ
電波試験信号 |
6.2 |
Frequency Hopping Radar |
6 |
周波数ホッピングレーダ
電波試験信号 |
6.3
(ホッピング周波数帯域=20 MHz、40 MHz、80 MHz、160 MHz)
|
ETSI用試験信号(MX370075A)<ETSI EN 301 893 V2.1.1>
試験信号 |
パルス繰り返し周波数 |
PRF*3の種類 |
1バーストあたりのバルス数 |
Min. |
Max. |
Reference DFS test signal |
700 |
1 |
18 |
1 |
200 |
1000 |
1 |
10*2 |
2 |
200 |
1600 |
1 |
15*2 |
3 |
2300 |
4000 |
1 |
25 |
4*1 |
2000 |
4000 |
1 |
20 |
5 |
300 |
400 |
2または3 |
10*2 |
6 |
400 |
1200 |
2または3 |
15*2 |
*1:試験信号4の波形は±2.5 MHzの範囲でチャープ変調がかかります。
*2:CACおよびOff-Channel CACテストにおいて5600 MHz~5650 MHzでテストを行う場合は18となります。
*3:PRF:Pulse Repetition Frequency
ベクトル信号発生器 MG3710Eについてさらに詳しく
DFSレーダ波形パターン
ベクトル信号発生器 MG3710E