ローカル5Gの通信品質を評価する電波スキャナを販売開始
2022/11/11
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、ローカル5G基地局の通信エリア範囲の判定とエリア内の通信品質を評価するエリアテスタ ML8780Jの販売を開始しました。
エリアテスタ ML8780Jは、従来機ML8780Aの機能・性能・筐体サイズを継承し、ローカル5Gで主に利用されるSub-6 GHz帯(FR1[※1])における電波サーチ機能を向上しました。
開発の背景
政府が普及を推進するローカル5Gは、これまでの自己土地内利用を拡張し、新たに広域利用、共同利用の制度が検討されています。
これにより、サービス提供中の5G事業者においては、他者への影響度合いを正確に把握するために、自己土地を超えて届く電波の計測について考慮する必要が出てくるものと予想されます。同様に、今後参入を計画する事業者においては、近隣の既存事業者の電波利用状況を客観的に計測し、相互の混信や干渉を未然に回避するニーズが高まると考えられます。エリアテスタ ML8780Jは、SA[※2]/NSA[※3]に対応し、Sub-6 GHz帯およびミリ波帯(FR2[※4])の周波数帯域を1台で同時に測定可能です。
アンリツは、通信品質を評価する電波計測機器を提供することにより、ローカル5Gの普及・発展に貢献いたします。
製品概要
エリアテスタ ML8780Jは、周波数帯域ごとの受信フィルタを内蔵し、妨害・干渉波への耐性と高い受信感度を両立しています。測定対象外の強力な放送波、レーダー波などが存在する電波環境においても正確な測定が行えます。本性能は、建物などに遮られない上空における測定において、再現性の高い結果を得るために有効です。また、4G LTE方式も日本国内で利用されている各周波数帯域を測定可能です。
対象市場
通信サービス運営事業者、システムインテグレータ、建設工事業者
ML8780Jについてもっと詳しく
用語解説
- [※1] FR1
- Frequency Range 1の略。3GPPが定義する5G NRの周波数帯域のうち、400 MHz~7.125 GHzのSub-6 GHz周波数帯を示す。
- [※2] SA
- Standaloneの略。4G回線との相互接続はせず、5G回線のみでU-Plane(User Plane:ユーザーデータ信号)、C-Plane(Control Plane:制御信号)の両方の通信を行う技術。URLLC(Ultra Reliability, Low latency Communication = 超高信頼・低遅延通信)などの5Gの特長を最大限にサポートしている通信方式。
- [※3] NSA
- Non-Standaloneの略。4G回線でC-Plane通信を行い、5G回線でU-Planeに特化して通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。
- [※4] FR2
- Frequency Range 2の略。3GPPが定義する5G NRの周波数帯域のうち、24.25 GHz~52.6 GHzのミリ波帯を示す。
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